7月7日に行われた格闘技イベント「AZABU presents K-1 WORLD MAX 2024」(東京・国立代々木競技場第二体育館)にて、現K-1 WORLD GPライト級王者の与座優貴(よざ・ゆうき、team VASILEUS)が、第4代K-1 WORLD GPライト級王者で日本人キラーとして5連勝中だったゴンナパー・ウィラサクレック(タイ)と激突。日本キックボクシング界ライト級における頂上決戦とも言われた新旧K-1 WORLD GPライト級王者対決は、与座が1R2分30秒、3度ダウンさせてのKO勝ちで制した。
同試合を振り返りつつ、今後の展望について与座選手に話を伺った。
K-1 WORLD GPライト級王者・与座優貴(よざ・ゆうき/team VASILEUS)(※提供画像) 画像 2/6
ーおめでとうございます。見事な1R・ KO勝利でしたね
与座:ありがとうございます。
ーまずは勝利しての率直な感想をお願いします。
与座:この試合、過去イチの強敵で勝利が最低条件でした。さらに判定勝ちとKO勝ちでは、その先が変わってくるので、 本当にホッとしています。
嬉しさもありますが、この相手に、この勝ち方ができたのでひと安心しているのが本音です。
ー試合では噛み合う噛み合わない相手がいると思います。
前回の試合の様にうまく噛み合わないと、判定勝利しても不完全燃焼になりますが、今回のゴンナパー選手は噛み合ったのでは?
与座:その通りだ。ひさびさにちゃんと自分を倒しに来てくれた選手だったので、うまく噛み合いました。だからKO勝ちできたと思います。
ー試合がはじまり、ゴンナパー選手の初パンチをブロックした瞬間、ズドーンというパンチの重さを知らしめる音が響き渡り、会場が少しどよめきました
。これはまともにくらったら大変だという危機感はなかったのですか?
与座:しっかりブロックしていたので全く問題はなかった。というよりも最初の一発目としてゴンナパー選手がミドルキックを思い切り蹴ってきて
(タイ人の選手の一発目は、100%の力で思い切り蹴ってくる)それを受けた時、思わず笑みがこぼれました。
これは、キックの強さが(自分の想像を)超えてこなかったからです。空手時代から無差別級の闘いで100キロを超える外国人選手の蹴りも受けていたので、蹴りの強さでその選手の強さがある程度わかる様になっていた。それが想定内だったので「ああ、これくらいか。これなら勝てる」と感じたからニヤニヤしてしまいました。
K-1 WORLD GPライト級王者・与座優貴(よざ・ゆうき/team VASILEUS)(※提供画像) 画像 3/6
ーその笑みだったのですね(笑)。勝利につながった飛び膝蹴りは、狙っていたのですか?
与座:ジムでの練習でいい意味でクセになっていたので、無意識に出せました。試合が終わって、(渡辺)雅和さん(トレーナー)に『一回目のダウンは何で取れたのですか』と聞いたら『飛び膝だよ』と言われて、はじめて理解したくらいです。
ーそのくらい自然でしたね。勝利の分岐点はどこだでしたか?
与座:一発目のカーフキックが効いたので、ゴンナパー選手がカーフキックをカットする戦法に変えてきました。だからカーフをフェイントにして蹴った「与座キック」(インローへの中足を立てた蹴り)が足の内側に効き出し、今度は与座キックをフェイントにして、あの飛び膝に繋がりました。
ー倒しても倒しても起き上がってくるゴンナパー選手に容赦ないパンチの連打で2度目、3度目のダウンを取り、圧巻のKO勝ちとなりました。
しかしタフな相手だったのではないですか?
与座:さすが元チャンピオンだけあり、大変タフで強い選手だったと思います。
K-1 WORLD GPライト級王者・与座優貴(よざ・ゆうき/team VASILEUS)(※提供画像) 画像 4/6
ーセコンドにもついてくれたteam VASILEUSの武尊選手には、試合後どんな言葉をかけられたましたか?
与座:武尊さんには『ありがとう。最高の締め方だった。自分も刺激を貰った』と言って貰えました。
この日は、自分の試合前にteam VASILEUSから寺田匠選手、松倉信太郎選手が参戦し、2連勝だったのでいい意味でのプレッシャーもありましたし、
チーム全勝になって良かったです。
ー試合後、反省会をやる時に野杁正明選手から今日の試合の点数を貰うと聞いてました。今回は何点でしたか?
与座:普段辛口の野杁さんに、今回は、『限りなく100点に近い動きだったんじゃない』をいただきました。ちなみに前回は一桁でした(笑)
ーオフィシャルYouTubeでも拝見しましたが、今回のゴンナパー戦に備えてタイ修行に行かれましたが、収穫はありましたか?
与座:タイにあるジムSuperbon Training Campの練習に参加させていただきました。タイのトレーニング事情で、ガチな打ち合いのスパーリングはやらないです。
ただし試合が近い選手のみ、1~3割程度の力加減で実戦形式のスパーリングをして、相手をケガさせないように攻撃のパターンやガードのやり方を覚えていく。「ONE」元バンダム級世界チャンピオンのペッタノン・ペットファーガス選手とマススパーリングをやらせてもらいました。ミドルを蹴ったら普通じゃしないカットをしてきて、普通じゃしないリターンをするし、普通ではしない受け方もされる。結構、気づきがあり収穫はありました。
ーこれでK-1で9連勝。次戦(9月28日開催予定)では、10連勝がかかりますね。
もはや日本では敵なしですが、実際にマッチメイクできるかできないかは別として、海外を含めて戦ってみたい選手はいますか?
与座:現ONEバンタム級ムエタイ&キックボクシング世界王者のジョナサン・ハガディー選手です。体力もあるし、アグレッシブ、そして何よりも強い。またタイ修行の時にマススパーリングのお手合わせをして戴いたペッタノン・ペットファーガス選手も戦ってみたいです。
最近、ONE参戦を発表した初代K-1 WORLD GPライト級王者のウェイ・ルイ選手と戦うのも面白いかもしれない。再び、新旧ライト級王者対決になる。真の世界一に向けて、海外の強豪選手とやりたいですね。
K-1 WORLD GPライト級王者・与座優貴(よざ・ゆうき/team VASILEUS)(※提供画像) 画像 5/6
ーいずれも実現したら盛り上がること必至ですね。最後に読者やファンへメッセージをどうぞ。
与座:K-1 WORLD GPライト級王者の与座優貴です。常に自分のポリシーとして掲げているのは、真の世界一になるために、強い選手と戦って、それに打ち勝ち、証明していくことに尽きます。
また幼少期から空手をやっていて、現在も子供たちを指導しています。そんな子供たちの憧れや応援に応えるためにも、夢を与える、道を作るを実践していきたいと思います。応援どうぞよろしくお願い致します。
メジャーリーグをはじめ、開催近づくパリオリンピックでもバレーボールやバスケットボールなど世界と戦える日本人選手の躍進が光る。今後の格闘技・キックボクシング界でも世界と戦える与座優貴が大きな旋風を巻き起こすのは間違いない。