2019.03.01 公開
第42回日本アカデミー賞授賞式が開催!役所広司が最優秀主演男優賞、安藤サクラが最優秀主演女優賞を受賞!

©日本アカデミー賞協会  画像 1/2

3月1日(金)、「第42回日本アカデミー賞授賞式」が東京・グランドプリンスホテル新高輪 国際館パーミルにて行われた。

各部門の優秀賞に選ばれレッドカーペッドを歩く受賞者一同。司会を務めるのは、9回目の司会となる西田敏行と、今回が初司会となる蒼井優。2名は平成最後となる日本アカデミー賞授賞式を「感慨深い」と語った。

助演男優賞は『空飛ぶタイヤ』のディーン・フジオカ、『検察側の罪人』の二宮和也らが受賞。助演男優賞の受賞を受けて、『空飛ぶタイヤ』のディーンは「私が演じた役は、主演の長瀬さんとのバディ物にも見えるかもしれないし、ライバルにも見えるかもしれないし、複雑な関係。“こうありたいという姿”と“人間ってこうなっちゃうよな”っていう狭間で揺れ動いたり、すごく人間っぽいなと思いながら演じさせていただきました。長瀬さんとは今回の作品が初めましてだったんですけど、すごく楽しかったです。また長瀬さんと一緒にできる機会があると良いなと思っています」とコメント。

『検察側の罪人』の二宮について、司会の西田は「あなたは本当に素晴らしい役者さんですね」と第一声。特に大きな話題となった、取り調べシーンについて大絶賛された二宮は恐縮しつつも「原田監督がすごく怖いんですよ。すぐ怒るんです。だから僕が映画でやらせていただいた姿はもう監督そのものです。気負うことなくやらせていただきました」と現場でのエピソードを語った。

さらに、初共演となった木村拓哉について問われると、「本当に現場に気を遣ってくださる方です。僕の演じた役柄の中で取り調べがすごく重要なシーンだったんですけど、その撮影の前日に”いつも通りやれば大丈夫”とメールを送ってくださったり。全役者のスケジュールを把握してやってくださるのが素晴らしいなと思いました」と先輩との共演について語った。

そして、最優秀助演男優賞に選ばれたのは『孤狼の血』の松坂桃李
受賞を受けて松坂は「すごく嬉しいです。20代の半ばくらいに違う色の作品に挑戦していきたいと思っていく中で、白石監督の『凶悪』を見て、ぜひ白石監督の作品に出たいと言っていました。その中でご一緒させていただく機会があり、一作目では蒼井優さんとも共演させていただいて。短いスパンの中でまた『孤狼の血』に呼んでいただいて、僕にとっては本当に財産のような作品になりました。この受賞をキャストのみなさんやスタッフさんと一緒に分かち合いたいと思います。本当にありがとうございました」と感激で言葉に詰まりつつ、スピーチを行った。

最優秀助演女優賞に選ばれたのは『万引き家族』の樹木希林。
代役で登壇した娘の内田也哉子は「生前母がよく口にしていた”時が来たら誇りを持ってわきにどけ”というのが文字通り今日をもってできると思います。最初の乳がんが見つかってから彼女は13年という日々を、愛おしくまるで病気に感謝しているようにも見えました。癌が見つかって最初にしたことは、父に会いに行き、それまでのすべてのことを謝りに行くということでした。残された僅かな時間で、周りの方々に謝ってから逝きたいと。自分勝手な母ですが、とても母らしいと思いました。映画作りという真剣勝負の現場で、彼女の言動が時に人を傷つけたと思います。なのでこの場をお借りして彼女に代わってお詫びを申し上げます。またそれらの一つひとつの出会いに感謝を申し上げます」とスピーチ。会場からは天国の樹木希林にも届くかのような盛大な拍手が巻き起こった。

第42回日本アカデミー賞授賞式が開催!役所広司が最優秀主演男優賞、安藤サクラが最優秀主演女優賞を受賞!©日本アカデミー賞協会  画像 2/2

新人俳優賞は『リバーズ・エッジ』の吉沢亮、『響 -HIBIKI-』の平手友梨奈らが受賞。
受賞を受けて吉沢は「素敵な賞をありがとうございます。今回の『リバーズ・エッジ』という作品でベルリン国際映画祭に行かせていてただいたり、日本の映画祭に行かせていただいたり、映画を愛する方の前でお話させていただいて熱を感じる瞬間が多かったなと思います。改めて映画はエネルギーを感じるものだなと感じました」と感が深く述べた。

『響 -HIBIKI-』の平手友梨奈は「お芝居に対して自分に嘘をついているんじゃないかと疑問を持ったりしたんですけど、そんなことはなくて、自然体でやれたのが嬉しかったです。チームの皆さんとこれまで私に関わってくださった皆さんに感謝をしたいと思います」と語った。

主演男優賞は『散り椿』の岡田准一、『万引き家族』のリリー・フランキーなどが受賞。司会の西田は岡田に「あなたは今日本で一番立ち回りの上手い俳優さんだ」と声を掛ける。岡田は恐縮しつつも、撮影を務めた木村大作について「今回大作さんが時代劇を撮るということで。殺陣も1シーン1回なんですよ。リハーサルをやっている時から”この位置から動かない”っていう、大作さんの”ここからしか撮らないぞ”というプレッシャーの中で西島さんとどう作っていくか。大作さんの愛を感じながら、家族のように。大作さんのチームはお祭りだからという感じでやっていきました」と現場を振り返った。

そして、最優秀主演男優賞に選ばれたのは『孤狼の血』の役所広司
受賞を受けて役所広司は「本当に意外でした。2年連続で主演男優秀賞をいただいていたんですけど、本当の最優秀っていうのはすごく難しいことなんだなとつくづく感じていました。素晴らしい賞をいただいてびっくりしています。『孤狼の血』は広島の呉で撮影しまして。西日本の災害で復興までには時間がかかると思いますが、今回『孤狼の血』がたくさんの賞をとったので、呉の人たちも元気を出してくれるかなと思います」と語った。



最優秀主演女優賞に選ばれたのは『万引き家族』の安藤サクラ
受賞を受けて安藤サクラは「正直これからどうやって子育てをしながら作品に関わる時間を作ればいいのかがずっとわからなくて。この『万引き家族』で感じたのは、子育ては24時間、映画の現場も24時間。子育ても映画も全力を尽くしていかなかなればならないということ。自分が幼い頃から父の環境もあり、映画の現場を見させていただいて、映画の現場というのは本当に新しい活力をあたえてくれる場所だと思っています。それがない時間を過ごしていないので、この2つをどう両立したらいいかが今正直全くわかりません。でも今日この場に来て素晴らしい先輩方の姿を見て、その方達と出会えた時間、作品で関わらせていただいた先輩方と過ごした時間を感じて、やっぱりどうしたって映画の世界の方に憧れを抱いてしまうんだなということを自覚しました。この賞をいただけたことできっちりと自分の中で決着をつけて、映画の世界に戻ってきたいと思いました」と涙ながらに語った。

笑いあり、涙あり、作品の枠を超えて、さまざまな感動が会場を包んだ「第42回日本アカデミー賞授賞式」となった。

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