主演・深川麻衣、熊澤尚人監督オリジナル脚本で描く感動作、『おもいで写眞』が、2021年1月29日(金)に全国公開される。
本作は、「人が生きる豊かさと年を重ねる美しさ」を繊細に紡いだ熊澤尚人監督執筆による小説「おもいで写眞」 (幻冬舎文庫)の映画化となる。主演は、『パンとバスと2度目のハツコイ』で、第10回TAMA映画賞最優秀新進女優賞を受賞し、その後も『愛がなんだ』『空母いぶき』など話題作への出演が続く深川麻衣。嘘にまつわる切ない記憶から、不器用なほど真っすぐに生きてきた結子を、透明感あふれる強い眼差しで演じた。さらに、高良健吾、香里奈、井浦新ら実力派に、吉行和子、古谷一行と日本映画の歴史を作ってきた名優たちが、物語に自身の歩んできた道のりの深みを与えた。
『おもいで写眞』完成披露報告会見(※提供写真) 画像 2/6
監督は、『おと・な・り』『君に届け』『ユリゴコロ』の熊澤尚人。人間の心の機微をすくい取り高く評価されてきた手腕で、今の時代にこそ必要な世代を超えた人と人との触れ合いをオリジナル脚本で描く。さらに主題歌には、注目の実力派アーティスト、安田レイの「amber」。〈おもいで写真〉を通じてお年寄りたちの日々を次第に輝かせていくという希望の物語を力強い歌声で支える。
また、本作は、主演の深川麻衣所属の芸能プロダクション・株式会社テンカラットの25周年企画となる。数々の俳優、女優を輩出し映画に寄り添ってきたテンカラットが、設立25周年となる節目に、先輩たちからの学びや、自身の振り返り、そして成長というメッセージを込め、熊澤尚人監督とタッグを組み、制作を企画した。
『おもいで写眞』完成披露報告会見(※提供写真) 画像 3/6
13日、本作の完成を記念して、本作の完成披露報告会見が実施された。主演の深川麻衣をはじめ、高良健吾、香里奈、そして本作の監督を務めた熊澤尚人監督が登壇。完成した今の気持ちを聞かれた深川は、「撮影は2019年の初夏だったんですけど、この撮影をしていた頃は予想できない世の中になり、無事公開されるのか不安でしたが、無事公開日も決まって、早く皆さんの感想が聞いてみたいという気持ちです」と明かした。続けて、主演が決まった時の印象について聞かれると、「今回先輩方やベテランの方々とお芝居させて頂くことも初めてで、自分の中ではプレッシャーもありましたけど、得たものが凄く大きな作品になるだろうと思ったので、純粋に楽しみでした」と真っ直ぐな眼差しで当時の気持ちを語った。
『おもいで写眞』完成披露報告会見(※提供写真) 画像 4/6 『おもいで写眞』完成披露報告会見(※提供写真) 画像 5/6
MCから脚本の着想について聞かれた熊澤監督は、「新聞記事で遺影写真を撮ろうと思っても”縁起でもない!“と撮らせてもらえないという記事を見て、調べてみると遺影写真のほとんどが集合写真を伸ばして使っていることが日本では多いと知ったんです。それでもどうやったら撮ってくれるのかな。と考え始めたのが最初の着想です。9年前にオリジナルで書いて、今ここにいる素晴らしい俳優さん三人のおかげで凄くいい映画が出来上がりました。やっと楽しんでみてもらえる状況になれたので、感無量です」と当時の様子と共に感謝の気持ちを述べた。
また、脚本を初めて読んだ時の感想を聞かれた高良は、「僕も祖父が3年前に亡くなった時に、遺影写真を見てピンボケしていて、家族でも“もっといい写真を撮っておけばよかったね”という会話があったので、この脚本を読んだ時に思うことがたくさんありました」とコメントすると、香里奈も「私も4、5年に亡くなって今でも遺影写真を見るたびにボケているなと思っていたので、読んだ時に凄く分かるなと思う描写がたくさんありました。私も(結子と同じように)おばあちゃんと小さい頃に遊んだり、送り迎えをしてもらっていたので、当時の事を思い出したり、温かい気持ちになるお話だなと思いました」と自身のエピソードと共に語った。
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そんな高良と香里奈のエピソードを聞いた監督は改めてこの作品のメッセージについて、「若い世代がお年寄りの皆さんと交流してくのが1つの大きなテーマです。主人公の結子が“人を許せない”という気持ちを持っているというのが凄くポイントで、“人を許せない”という気持ちは誰でも持っていると思うんですが、その気持ちは中々消し去ることが出来ない。主人公は葛藤したと思います。でも許せなかったとしても、それを受け入れられるように成長していく話が出来たらいいなと思いながら作りました」と作品への想いを綴った。
また、撮影時の印象的なエピソードを聞かれた高良は、「現場で深川さんが監督にしごかれつつも1シーン1シーン演じるごとに、結子に近づいていくのを常に近くて見れたことが僕自身凄く貴重でもあったし、変化している深川さんを見られたことが、思い出です」と撮影現場の様子と共に語ると、深川は、「今回の映画で“怒り”の感情と言うものに凄く向き合ったんです。タイトなスケジュールだったんですけど、ちゃんとこだわって丁寧に撮って頂いたので、映画全体として凄くいい経験になりました」と自身の想いを明かし、続けて深川は、「今回の撮影では富山の皆様に全面協力して頂きました。
古屋さん演じる柏葉さんとのシーンの休憩中に民家からおばあちゃんが出てきてくれて、“冷やしトマト食べる?”って差し入れしてくださったんです。その気遣いが凄く嬉しかったです」と撮影現場の心温まるエピソードを語り、会場は和やかな空気に包まれた。
さらに、キャストそれぞれの“おもいで写真”を披露!深川は2歳頃の地元の秋祭りでの“はっぴ”姿の写真。高良は、小学生の入学式での写真。香里奈は、家族旅行時の変顔写真。そして、監督はデビュー作『ニライカナイからの手紙』で中国の映画祭に行った際に、天安門で撮った自撮りの写真。子供の頃の可愛らしい写真や当時のおもいでエピソードを語り、終始笑顔で温かなイベントとなった。最後に深川は、「映画『おもいで写眞』は成長の物語でもありますし、家族愛、人間愛色んな愛が詰まっている作品です。1月29日公開です、ぜひたくさんの方に観て頂きたいです、お願いします。」と笑顔で語り、イベントは終了した。