映画「人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした」(略して「#つんドル」)が、いよいよ11月3日(金)より公開となる。
10月26日には「映画『#つんドル』試写会supported by ケイト・スペード ニューヨーク」がユナイテッド・シネマ豊洲で行われ、本作の主演を務める深川麻衣、お笑い芸人のバービー、ケイト・スペード プレジデントの柳澤綾子が登壇した。
本作は、元・SDN48のメンバーで、現在は作家として活動中の大木亜希子の実録私小説を原作に、人生に行き詰まったアラサーの元アイドル、安希子(深川)の葛藤と再生を描く物語。
上映後の熱気にあふれた客席の間を通って、大きな拍手を浴びながらステージに上がった3人。
この日は全員が「ケイト・スペード ニューヨーク」のアイテムに身を包んで登場した。
ブルーのシャツワンピース姿の深川は「鮮やかな青いワンピースを着させていただいたので、青いタイツに青いパンプスを履いています。どこまでも青です」とオールブルーのコーディネートについて紹介。
バービーは「豹柄に赤い靴を合わせてみました」、柳澤は「昨日から立ち上がったコレクションを着てきました」と華やかな装いに声を弾ませつつ、イベントがスタートした。
本試写会は、「ケイト・スペード ニューヨーク」の全面サポートによって実現したもの。
柳澤は「このステキな映画を撮られた穐山茉由監督は、実はケイト・スペード ニューヨークのPRも務めていて、私たちと15年以上も一緒に仕事をしているんです。彼女が映画監督になっていく道のりを見てきましたので、彼女の大ファンとしてみんなでサポートをしたい」と本作との縁を明かし、「また私たちのブランドは、世界中の女の子と女性たちのメンタルヘルスをサポートしながら、女性たちをエンパワーするという社会貢献活動を推進しています。その活動の趣旨と、この映画のテーマがすごく合っていたので、全面サポートさせていただきたいと思いました」と女性の心と身体を応援したいという思いが、合致したと話した。
これには深川も「こんなにステキな社会活動をしているケイト・スペードさんが、この映画のメッセージに共感して応援していただけるというのは、すごく心強いです」と感激しきりだった。
柳澤いわく「ブランドとして推進していきたい活動を体現している方」と、「ケイト・スペード ニューヨーク」からのご指名で本イベントのスペシャルゲストとして招かれたのが、最近ではジェンダー論や女性ならではの身体の変化や悩みについても発信しているバービーだ。
すでに本作を鑑賞したというバービーは、「自分を見ているようでした」と人生に行き詰まったヒロインの安希子に大いに共感したという。
安希子は『ササポン』というあだ名の赤の他人であるおじさんとの同居生活を通して少しずつ再生していくが、深川は『ササポン』を演じた井浦新について「新さんのファンの方はびっくりすると思います。今までやってきた役柄と全然違う。いつものカッコよさを排除して、『ササポン』として立っていたのでさすがだなと思いました」と普通のおじさんに扮した井浦の演技力に感服していた。
仕事ナシ、彼氏ナシの元アイドル・安希子は恋にも悩む女性だが、イベントでは「恋をしている時にオススメのファッション」についてトークを繰り広げる場面もあった。
深川は「もし好きな人がいて、その人の好みがわかっているとしたら、あえてそちらに寄せてみるのも楽しみの一つかなとは思います」と思案しながら、「そういうのがわからなかったら、やっぱり自分が好きな格好をするのが一番。お気に入りの服を着ていると顔もイキイキとする」と持論を展開。
柳澤も「自分がご機嫌になる洋服を着るのが一番」と同調していた。
先日行われた完成披露舞台挨拶では、映画のタイトルにちなみ『詰んだ』エピソードを披露することになった深川が「青海(あおみ)駅と青梅(おうめ)駅を間違えて、仕事の現場に2時間遅刻してしまった」という仰天エピソードを告白していた。
深川が「謝るしかない。『本当にすみません!』とめちゃくちゃ謝りました」と振り返る中、バービーは「そんなことあるんですか?」と驚愕。
そのバービーも『詰んだ』経験が「めちゃめちゃある」そうで、「一番詰んだのは、『世界の果てまで』いくような番組で、土屋太鳳さんのダンスのモノマネをした時に、アキレス腱を『キッテQ』しちゃった」と某番組を想起させるエピソードをお見舞いして会場を爆笑させた。
バービーは「番組にも迷惑をかけるし、入院した病室では事務所の社長とテレビ局の偉い人が話し込んだりしているし。『詰んだ…』と思いました」と困り果てたというが、「結局オンエアしてもらえて、笑いに包まれた形になった」と安堵の表情。
さらに「それが、芸人以外のことを発信をするきっかけになった。体を張る仕事がダメならば…となった時に、違うものをやることができた。結果的によかったのかなと思います」とアキレス腱を切ってどん底を味わったことが、次のステップに結びついたと語っていた。
会場から何度も笑い声が起きるなど、詰んだ人にエールを送る本作にぴったりの温かな空気に満ちたイベントとなったこの日。
最後にバービーは「劇中で『恥をかいても、死にはしない』というセリフがあるんですが、私はそれが大好き。そう思ったらなんでもできる。そう思えるステキな作品です」と改めて映画の魅力に惚れ惚れ。
深川は「SNSなどがどんどん発達して、いろいろな人の投稿が目に入ったり、人と自分を比べざるを得ないような状況も多いと思います。そんな中、失敗しても自分を責めるのではなく、『そのままでいいんだよ』と弱い部分も肯定してくれるような映画になっていると思います」と心を込め、会場から拍手を浴びていた。