2023.11.19 公開
伊礼姫奈、辻千恵、太田将熙が登壇、映画『シンデレラガール』舞台挨拶レポート

(C)2023映画『シンデレラガール』製作委員会  画像 1/8

11月18日(土)の初日舞台挨拶に、義足モデル・音羽を演じた伊礼姫奈、監督の分身とも言える、主人公のマネージャー・唯役を演じた辻千恵、主人公の王子様的存在の医師・重樹を演じた太田将熙(まさき)及び緒方貴臣監督が登壇した。

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初日、2日目と満席スタートとなっている本作は、義足は障がいの象徴とネガティブに捉えていた主人公やそのマネージャーが、ポジティブに捉えられるようになるまでの心の変化を描いている。

シンデレラガール』というタイトルにした理由について監督は、「『シンデレラガール』は、魔法だったり、白馬の王子様だったり、他力本願な前時代的な女性像が描かれがちだなという思いがありまして、現代的にアップデートしたシンデレラを描きたいと思いました」と話した。
監督は、前作『飢えたライオン』で筒井真理子さんとご一緒して役者さんの力を学んだことから、本作では2000人規模のオーディションを開催した。「筒井真理子さん以外、ほぼほぼオーディションで決めています。皆さんの力を借りて、僕の想像を超えるものが作れたかなと思います。」と手応えを話した。

音羽役を演じた伊礼姫奈のキャスティング理由については、「映画とは、撮影と編集の嘘だと考えていて、その中で、元々持っているものが画面に滲み出ると思っています。そういうものがオーディション時に感じられたのと彼女が幼い頃から芸能活動をされてい(て、学校を休む必要があったという経験があ)るというのが、入退院を繰り返す音羽とリンクするところがありました。」と話した。
伊礼は、「『推しが武道館いってくれたら死ぬ』という作品で岡山でロケをしていて、クランクアップの日にそのまま新幹線で、キャリーケースと台本を抱えながら行きました。」とオーディションの思い出を語った。伊礼は、別の作品でもオーディションを勝ち抜いており、「(オーディションに)強いと言うと恥ずかしいんですけれど、気持ちは強く頑張っています。」と笑顔で話した。
伊礼は、今回義足モデル役。「もちろん他の作品も準備はするんですけれど、簡単には演じられないなと思って、実際に義足の方にお話を聞いたりして、違った角度で準備をしました。演じるにあたってすごく身構えていたんですけれど、義足の方に会ったら、実際私たちと同じように生活している姿を見て、勝手に抱いていた義足のイメージと違い、負担が減りました。」と話した。

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主人公のマネージャー・唯は、監督の分身とも言える役とのこと。監督は、「この映画の企画は7〜8年前に生まれたものなんですけれど、そのきっかけはSNSでたまたま見つけた義足の女性が歩いている写真なんです。かっこいいと思ったのと同時に、義足や車椅子がおしゃれと縁遠いものだという決めつけを自分の中で持っているということに気づいたんです。僕が思っていた偏見を持っている人物としてこのマネージャーを設定しました」と説明した。
マネージャー・唯役を辻にお願いした理由について監督は、「元々は看護師役でオーディションに来ていただいたんですが、看護師役にも合うと思うんですけれど、それって普通だなと思って。決して善人だけじゃない役をやってもらったら面白いのではないかと思いました。」と話した。
辻は、12月8日公開のドキュメンタリー『私が私である場所』で、本作のオーディションを受けた際の映像も紹介されているが、「(看護師の)桜役のつもりでオーディションに行って、『できなかった』と思いながら帰ったんです。きっとダメなんだろうなと思って帰ったら、『唯役で決まりました』と連絡が来て。分身と聞いて、すごく責任ある役だなと思ってインしたのを覚えています。」と話した。

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太田将熙が演じた医師・重樹役は、主人公の王子様的存在。監督は、「この映画は『シンデレラ』をベースにしているので、重樹は白馬の王子様で、音羽を幸せに導く存在として映画の中で登場するんですけれど、太田さんはビジュアル的には申し分ないですが、オーディションにはかっこいい人はいっぱいいたんです。けど、演技って、演技力だけじゃなく、その人の内面的な魅力が大切なです。雑談をさせていただいた時に、この企画に対する思いが、嘘偽りなく伝わってきたんです。この人と一緒に映画を撮りたいと思いました。」と起用理由を話した。
太田は、シンデレラの王子様的立ち位置と言われ、「本当に恥ずかしい」と照れつつ、「僕は王子様という役どころだなというのは全体を通して思うんですけれど、重樹は自分を王子様と思って存在していなく、24歳医者というのがでかいと思うんです。24歳ということは、医師の国家試験を最速で受かった優秀な人物だと思ったので、普段の自分より落ち着きがあるのかなと考えて準備しました。」と話した。
太田は、「オーディションで、プロデューサーの榎本さんが『どういう映画にしたいですか?』と言った時に、『いい映画にしたいです』と、事務所に入って1ヶ月の人が言うみたいな発言をしてしまって…」と話すと、MCを務めた榎本は、「その素直さが監督に届いたのではないかと思います。」とフォローした。

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伊礼と辻は劇中で仕事が決まった時の『マネージャーと抱き合う』という台本のト書きに違和感を感じて、リアルな動作に変えてもらったとのこと。伊礼が、「実際に抱き合ってみた時に、『抱き合わないよね』ってなって。」と言うと、辻も、「『伊礼さんってご自分のマネージャーさんと抱き合ったことありますか?』と質問したら、『ないです』となって。伊礼さんのマネージャーさんは男性なのでもちろんなくて、私のマネージャーさんは女性なんですけれど、女性でもなくて。あまり触れないよねってなって、別のやり方に変えました。」と裏話を披露。伊礼は、本作の主演が決まったときは、「LINEが来て、スタンプですごく喜んでくださって、私も『よかったです。頑張ります』と返しました」とリアルなエピソードを披露し、観客の笑いを誘った。

辻は、実際の義足モデルのマネージャーさんに取材しようと思った際に監督に止められたそう。「今まで自分が準備してきた方法って、たとえば現地に行ってみるとか会ってみるという手段を取っていたので、当たり前のように自分のマネージャーさんに『会いたいです』と言ったら、『監督からNGが出ました』と言われました。確かに、それって正解を知りに行っているようなものだなと思って。その道のりを自分で噛み砕いてお芝居として生かすべきだと改めて気付けました。」と止めた監督に感謝の意を述べた。監督は、「この映画自体もあまり説明をしないような映画になっています。現代って、なんでも調べれば答えは出るような時代で。時間が限られているのもあって、すぐ答えを見つけに行ってしまう。でも、自分で考えるのが大事なんですよね。調べたくなるのはわかるんですが、取材すると取材した人に寄ってしまうから、辻さんの考える唯をやって欲しかったんです。」と真意を説明した。

最後のメッセージとして監督は、「障がい者が題材になっていますが、『美』が主題になっています。音羽とマネージャー二人の心の変化が美しさにどのように変化していくかをみていただければ嬉しいです。」、太田は、「空白というかソリッドというか、描きすぎていないことを大事にしている映画だと思うので、見てくださった方がどういう気持ちで帰るのか楽しみです。義足のモデルのお話ではあるんですけれど、それだけではない部分を見つめてもらえればと思います。」、辻は、「音羽を一番近くで見れて、マネージャーとしてもそうですし、自分個人としても気づけることがあるような、幸せな期間でした。いろんな方がいろんなことを感じていただければ幸せです。」、伊礼は「私の解釈と監督の考えが違うように、見てくださる方によっていろんな捉え方があります。自分を見つめ直すきっかけにもなるし、もらえるパワーもすごく大きくて、他の作品とは違った感覚で楽しんでいただけるのではないかと思います。感想もちゃんと見るので、たくさん(SNSに)載せてもらえればと思います。何回見ても面白い作品ですので、ぜひ何回も見てください。」と話した。

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