11月25日(月)、兵庫県・神戸 ワールド記念ホールにて『太田夢莉 卒業コンサート ~I wanna keep loving』が行われた。
9月4日(水)、東京・NHKホールで行われた全国ツアー『NMB48 LIVE TOUR 2019 ~NAMBA祭~』の初日公演でNMB48からの卒業を発表した太田。ついにこの日がやってきた。開演5分前の18時25分に本日の主役、太田夢莉が影アナで「今日は皆さんに向けて特別なセットリストを用意してきました!」とメッセージを告げると、青いサイリウムが会場のあちこちから光り始め“臨戦態勢”に。「ゆーり!」コールで会場も応じる。
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そして雷鳴が鳴り響き、ステージにはスモークが。これから何が起こるかと固唾を飲んで見守っていると、ステージの中央から太田がポーン!と飛び出してきた。その勢いのまま、『純情U-19』からコンサートがスタート! 4曲を続けて披露し、早くも会場とも一体化、盤石の「ゆーり!」コールに包まれた。
MCでは、コンサートの模様が『大阪チャンネル』でも生配信されていることを告げつつ「卒業発表から今日まで、あっという間だった」と小嶋花梨。11月17日(日)に東京国際フォーラム ホールCで自身初となる『太田夢莉 ソロコンサート ~Daydream~』を終えたばかりの太田は、「来られなかったメンバーもいますが、NMB48全員とのステージは今日で最後なので頑張りたいです。皆さんとの時間も大切にしたいです!」と笑顔を見せた。
村瀬紗英、渋谷凪咲、小嶋花梨、大田莉央奈、南羽諒によるMCでは「1曲目は19歳以下のメンバーで歌ったこと、気付きました?」と渋谷。東京で行われた太田のソロコンサートにも触れ、「夜行バスで10時間かけて行きました! 昼夜公演を終えたばかりの怜ちゃんを連れて! これは絶対に行かなきゃと思って!! 本当に行ってよかった!」といまだ興奮冷めやらない様子の小嶋。出演した大田と南は「2曲を一緒に歌わせてもらいました!」とフレッシュな感想を。
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MCでひとしきり盛り上がった後は、ユニットコーナーへ。太田夢莉、古賀成美、加藤夕夏による『おNEWの上履き』や上西怜、中川美音、安田桃寧、堀ノ内百香による『ガラスのI love you』は花道で。太田、前田令子、河野奈々帆での『黒い天使』で赤と黒を基調にしたタイトな衣装に身を包み、それまでのキュートな雰囲気を一気に塗り替えた。クールな表情を浮かべる太田、いつのまにか大人の魅力も備えているように見えた。ロック調の『Blue rose』は太田、小嶋、東由樹、石田優美で披露。マイクスタンドを使ったパフォーマンスでかっこいいステージを繰り広げた。白間美瑠、吉田朱里のデュオから始まった『MARIA』では、太田が歌いながらセンターへ登場。3人は切れ味のいいダンスでも魅了した。
谷川愛梨が太田への手紙を朗読し、二人の写真も映し出された映像メッセージでは「お互い『信友』。卒業のタイミングが偶然一緒だったのも、何かの運命かな」と谷川、太田への思いをしたためた。そんな二人が歌ったのは『友達』。互いに涙を浮かべ、溢れる気持ちを抑えるように歌う姿が印象的だった。最後は手を繋いでハグを。太田の涙腺は崩壊、「愛莉ちゃん、お手紙ありがとう。私も愛莉ちゃんと似ていると思っていたから、この曲を歌いたかった。出会ってくれてありがとう」と涙ながらに語るも「卒業コンサートは1回だけ! 私らしくないから明るくやろう!!」とすぐに笑顔に切り替えた。
そして「しんみりしちゃったけど、次の曲は思いっきりやりたい!」と空気を一変させて「ミュージック、スタート!」と太田。太田のソロのステージかと思いきや、サプライズゲストの岡田奈々(AKB48/STU48)がペアルックで登場! 大歓声が沸き起こる中、二人で『ショートカットの夏』を披露した。「すごい!大盛り上がり! 私なんかがこのステージに出て申し訳ないですが、晴れ舞台に出させていただいてうれしいです」と岡田。太田は「ショートカット同士ということで、この曲を選びました」。「これからもよろしくね!」と互いに言葉を交わし、岡田はステージを後にした。
続いてのMCでは、谷川、吉田、加藤、白間が登場。それぞれ披露したユニット曲を振り返り、加藤は初めて太田と会ったころのエピソードを明かした。「ゆーりとはホテルで相部屋になることが多くて、その頃はいつも一緒にお風呂に入っていたんです。今では絶対、入ってくれないけど!」という貴重な体験にメンバーたちも驚きの声を上げていた。
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太田はその後もユニットに出ずっぱり。渋谷、川上千尋、山田寿々、山尾梨奈らとの『どうでもいい人仮面』、清水里香、堀詩音、水田詩織らと魅せた『だらしない愛し方』、「今日、初めて歌います!」という『理不尽ボール』は研究生たちと。南、山本望叶らとの『遠距離ポスター』、梅山恋和、山本彩加、本郷柚巴、中野美来らとは『おはようから始まる世界』と続けて繰り広げた。途中、この日だけの密着映像もモニターに映し出され、そのプレゼントにも会場は沸いた。
そんななか、「まだあのユニットが登場していないですよね」とあおる山本彩加。吉田、渋谷、村瀬、太田によるQueentetの紹介映像がモニターに映し出されると、会場はブルーのサイリウム一色に。メンバーの名前を呼ぶ声もますます大きくなっていく。4人は『僕だけの君でいてほしい』を、セクシーかつかっこいいダンスで魅了した。楽曲の終盤、3人が太田を囲み、頭をポンポンする一幕も。はにかむ太田の表情も印象的であった。
安田、山本彩加、山本望叶らによるMCでは後輩たちが太田への思いや知られざる一面を明かした。塩月希依音は「ゆーりさんとお話しするようになったのは最近なのですが、勝手に気が合うなと思っていました。ゆーりさんが最近、チョコレートを食べたいというツイートをしていて。私もチョコレートが大好きなので一緒に食べにいきたいです!」。山本望叶は「ゆーりさんのお顔を初めて近くで見た時、どうしてもお鼻を触りたいという衝動にかられて触らせてもらいました!」と衝撃の告白を。どんな感じで触ったの?と盛り上がり、梅山を相手に再現する山本望叶に「ぞくっとした」と梅山。山本彩加は「ゆーりさんは運動音痴で有名なのですが、走っているところを見たことなかったので、動画で調べました。いろんな楽曲のゆーりさんの走り方を見ました!」と研究発表を。そのうち、「『虹のつくりかた』の坂でこけそうになっているゆーりさんの真似をします!」と言ってステージを右へ左へ、「そんなゆーりさんも全部かわいいです!」と山本彩加、リスペクトも込めた実演だった。
「次は懐かしい曲を」との安田の紹介で始まったのは、太田、吉田、加藤、石田、古賀、山尾、西澤、明石、本郷の旧NMB48 team Nで『儚い物語』。直後にはteam Nの新曲『ごめん 愛せないんだ』を初披露。太田はセンターで堂々のパフォーマンスを。続いて花道で待っていたのは加藤、石塚朱莉、井尻の同期の3期。『背中から抱きしめて』『君が教えてくれた』の2曲を披露した。アイコンタクトやスキンシップで思いを伝え合う4人、最後は「3期生からのプレゼント」と共に過ごした日々を閉じ込めた数馬図の写真がモニターに映し出された。太田も涙が止まらず、同期だからこその温かいステージを届けた。
石塚、井尻晏菜、古賀、前田のMCでは、古賀、石塚、井尻が太田のエピソードを紹介。古賀は「今はクールなゆーりちゃんだけど、最初の頃は私にガチ恋だった」と太田が加入したころの話を。井尻は好きな女性声優ユニットのライブに行った思い出を。「ふたりしてペンライトを持って、ミックスも覚えていったのですが、周りは関係者ばかりで乗り切れなかったんです。でも、最後の方では気持ちが抑えきれず、二人で乗りました!」。石塚は太田がドラマに出ていた話を始め、「ゆーりが演じていた役が大好きだったのですが、走り方はゆーりそのものでダサかった(笑)」と笑いを誘った。
卒業コンサートも後半に突入。『Don't look back!』からクライマックスへと向かう。「今から皆さんのもとに私が会いに行きます!」と太田、『まさかシンガポール』や『しがみついた青春』ではトロッコに乗り、フロアをめぐった。2階席にも届きそうな距離で会場を埋め尽くすファンに笑顔を見せ、手を振り、気持ちを分かち合う太田。メンバー全員も弾けるようなパフォーマンスを繰り広げ、太田をバックアップした。『BINGO!』のソロパートでも、全員に見守られるなかでしっかりと歌い上げる太田、目に涙を浮かべながらもすがすがしい表情を見せた。
「次が最後の曲になるのですが、まだ歌っていない曲はわかりますか? 最後はあの曲で、みんなで虹を作りたいと思います!」と太田、本編の締めくくりは『虹の作り方』を全員で届けた。曲間、ブロックごとにサイリウムの色が分かれた客席を見渡し「すごくすごくきれいな虹をありがとうございます!」と太田。彼女のキャラクターらしい、快晴の空を思わせる歌とダンス。メンバーも笑顔で盛り上げた。最後に「きれいな虹をありがとうございました。とれもきれいでした。本日は、本当にありがとうございました!」と太田、爽やかな笑顔を残してステージを後にした。
七色のサイリウムが力強く上下に揺れる会場、割れんばかりの「ゆーり」コールの中でアンコールが。「ありがとうございます」と太田が登場。「きれいな虹を保ってくれていてありがとうございます。もうすぐ二十歳になるのですが、二十歳になる前にアイドルを卒業するので、ちょっと早い成人式風の衣裳を作ってもらいました」と、新しい衣装を見せるようにしてくるりと回転する太田。
「皆さんの応援があったから、ここまで来られました。卒業コンサートをしたいと思ったきっかけは、渡辺美優紀さんの卒業コンサートでした。いつかたくさんの方に見送ってもらえるアイドルになりたいと目標にしてきて、まさか本当に、こんなにたくさんの方に見送ってもらえるなんて思っていませんでした。自分が思っていた以上に、たくさんの方が自分のことを知ってくださって、応援してくださっていることを実感しました。皆さんが少しでも好きでいてくださって本当にうれしかったです。
アイドルになれてよかたって、どの曲でも思っていました。ライブの途中で昔の映像が流れて、何回も変化を重ねながらここまでやってきて、7年9カ月の時間を過ごしてきました。いまだに卒業する実感があんまりなくて。いまだだに『デイドリーム』のまま、卒業発表してからずっと夢を見ているような感覚です。アイドルじゃなくなる実感がないけど、終わっちゃうというのもアイドルなのかなと思います。アイドルになって大変さも、楽しさも分かりました。何よりも皆さんに会えてよかったです。
もうアイドルはいやだな、向いてないなと思うこともたくさんあったけど、どんな時も私の味方をしてくれる方がたくさんいらっしゃって、何度も救われました。私は直接、言葉にするのは難しくて、だからこそ楽曲で気持ちを表現できるライブが好きでした。なかなか素直になれない私だけど、そんな私だからいただけた曲があります。初めてのソロ曲です。ソロ曲をいただくことも目標にしてきました。今の私の気持ちにピッタリの曲だと思っています」と気持ちを伝え、次の曲へ。
11月6日(水)にリリースされたNMB48 22ndシングル『初恋至上主義』劇場盤に収録された太田のソロ曲『Acting tough』である。2019年秋、今の太田の心境をそのまま綴ったような歌詞に気持ちを込めて大切に歌う太田。終盤、ゆっくりと花道へと歩き出し、会場の中央へ。多くのファンに見守られる中で、アイドルを卒業する太田。太田を支え続けたファたちとの「成人式」をしっとりと行った。
そしてメンバー全員と『夢は逃げない』『大声ダイヤモンド』を。ステージ上で太田を囲む後輩の中には涙をこらえきれないメンバーも。そんな後輩たちを優しく見つめる太田に「みんな憧れの存在」と言われるのも頷けた。「この時間が終わって欲しくないと思いますが、本当に本当に次が最後の曲になります! 最後は私のとてもとても大切な曲を今日は全員で歌わせていただきます! それでは聞いてください!」と太田、初めてセンターを務めた“代表曲”『初恋至上主義』を。「せーの!」と会場もあおりながら力いっぱい歌い上げた。そこに涙はなく、いつもの笑顔を見せる太田。すがすがしさにも満ちたラストソングであった。
「それではみんなで夢莉さんをお見送りしましょう!」という小嶋の言葉をはじめ、メンバーからのメッセージを受けて太田はステージ上方へと移動。「7年9カ月で出会えた全ての皆様にお礼を言いたいです。皆さん、ありがとうごさいました!」と伝え、花吹雪が舞う中でステージの下へと降りていった。
誰もいなくなったステージ。モニターに太田の奇跡映像が放映され、「NMB48は私の青春で、人生で初めて無我夢中になれた。全ての出逢いに感謝しています。I wanna keep loving you! 太田夢莉」と書かれた直筆メッセージも最後に届けられた。会場には温く厚い拍手と、卒業を惜しむような、また、巣立っていくその背中を押すような、ファン一人一人の感情がこもった愛ある「ゆーり」コールがいつまでも響き渡っていた。
なお、太田は10代最後の日である11月30日(土)に大阪・NMB48劇場で行われる卒業公演にてアイドル人生を終える。
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<セットリスト>
①純情U-19
②甘噛み姫
③欲望者
④努力の雫
⑤おNEWの上履き
⑥ガラスのI love you
⑦黒い天使
⑧Blue rose
⑨MARIA
⑩友達
⑪ショートカットの夏
⑫どうでもいい人仮面
⑬だらしない愛し方
⑭理不尽ボール
⑮遠距離ポスター
⑯おはようから始まる世界
⑰僕だけの君でいて欲しい
⑱儚い物語
⑲ごめん愛せないんだ
⑳背中から抱きしめて
㉑君が教えてくれた
㉒Don't look back!
㉓空から愛が降ってくる
㉔まさかシンガポール
㉕しがみついた青春
㉖BINGO!
㉗虹の作り方
EC1:Acting tough
EC2:夢は逃げない
EC3:大声ダイヤモンド
EC4:初恋至上主義