9月24日、幕張メッセ国際展示場ホールにて、@JAM×ナタリーEXPO 2016が開催され、ストロベリーステージに楽器を持たないパンクバンドBiSHが登場した。
現在全国ツアー「Less than SEX TOUR」で全国のライブハウスを回っている最中の彼女たちだが、1万人超収容のステージはキャリア初。新メンバーのアユニ・Dは8月24日にZEPP TOKYOでライブデビューしたばかりだが、早くも幕張メッセの大舞台に立つこととなった。
オーディエンスがライブ開始前から異様な熱気を帯びる中、BiSHは全国ツアーで着用している黄色のチェック柄がアクセントになっているパープルを基調とした衣装でストロベリーステージに登場。アイナ・ジ・エンド、セントチヒロ・チッチ、モモコグミカンパニー、ハシヤスメ・アツコ、リンリン、アユニ・Dの6人のメンバーがステージに立った。
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セントチヒロ・チッチの切ないソロパートから始まる新曲『オーケストラ』からライブはスタート。10月5日に発売されるメジャー1stアルバム『KiLLER BiSH』から先行して公開されたこの楽曲は別れと新たなスタートを歌った今の彼女たちの状況を表したような一曲だ。アイナ・ジ・エンドとセントチヒロ・チッチのボーカルが一曲目から伸びやかな広がりで鳴り響き、会場をBiSH一色に染め上げていく。
2曲目は打って変わってBiSHの最強キラーチューン『MONSTERS』。アイナ・ジ・エンドがランウェイに繰り出し激しいヘッドバングでオーディエンスのテンションを一気に引き上げる。ストロベリーステージでなされるオーディエンスの一斉へッドバングは壮絶な黒い波となり、一瞬別世界に迷い込んだような幻覚を見せた。
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続いて披露されたのはエスニックな曲調と分厚いビートが融合した異色の一曲『OTNK』!ここまでMCは一切なし、ブレーキを一切かけず25分という限られた時間を一気に駆け抜けるのがBiSHのスタイルだ。会場からも、「ヤバイだろ、ヤバイだろ」とこの日の狂乱を示唆する声が聞こえてきた。6月にグループを卒業したハグ・ミィに代わり、1番のサビを歌うアユニ・Dは甘くクリアな声でこのアップナンバーに新たなエッセンスを加える。
4曲目に披露された『beautifulさ』はリンリンが作詞したエッジーな歌詞を爽快感のあるメロコアサウンドに乗せたBiSHらしい一曲。サビのフリはトゲトゲという歌詞を表現したもの、ではなくアイナ・ジ・エンドがシャワーを浴びているとき、その水圧から着想したものだという。ファンもお気に入りの水圧ダンスで会場との一体感はバッチリだ。
メンバーの表情は最初凛として引き締まった表情だったが、このころから祝祭を楽しむ柔らかな表情に変化してくる。特にモモコ・グミカンパニーの自然体な笑顔が 、初期メンバーとしての成長と頼もしさを感じさせ、BiSHのライブパフォーマンスに安心感を与える重要な要素となっているようであった。
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ラストはBiSHのアンセム、『BiSH-星が瞬く夜に-』。メンバー全員がフロントステージに繰り出し最後の時間を盛り立て、サビのアイナ・ジ・エンドのシャウトをスイッチに会場のギアが一段階上がり、ライブはクライマックスを迎える。
今やリンリンの1番の見せ場といってもいい落ちサビや、ラストのサビ前のハシヤスメ・アツコのダッシュからの決めポーズ 。ライブを重ねるごとに生まれ変わり、そのときのBiSHを表現する『BiSH-星が瞬く夜に-』はBiSHの試金石となっているようで、今日のパフォーマンスはその輝きがこれからも増していくことを確信させるものであった。ラストのシンガロングはストロベリーステージという大会場でも熱く切なく響き渡った。
BiSHは10月5日に日比谷野外音楽堂公園にて開催される「BiSH Less than SEX TOUR FINAL'帝王切開'」を間近に控えているが、その前哨戦となる今回の@JAM×ナタリーEXPOメインステージでのライブはBiSHの大勝利!来たる大勝負に向けてBiSHに死角はない。
(取材/文:樋熊涼・写真:仲西一成)
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9月24日 @JAM×ナタリーEXPO 2016 ストロベリーステージ
BiSH セットリスト
M1.オーケストラ
M2.MONSTERS
M3.OTNK
M4.beautifulさ
M5.BiSH-星が瞬く夜に-
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