劇団ノーミーツ(主宰:広屋佑規・林健太郎・小御門優一郎)がサポートする企画・プロデュース・脚本・演出・出演など全てHKT48メンバーが担うオンライン演劇プロジェクト『HKT48、劇団はじめます。 』(以下、劇はじ)から2月20日、今回結成した2つの劇団『ミュン密」』『ごりらぐみ』がそれぞれ上演するオンライン演劇『水色アルタイル』『不本意アンロック』の旗揚げ公演が開幕した。
『劇はじ』は、HKT48メンバーそれぞれが挑戦したい役に立候補し、企画・プロデュース・演出・出演・音響・美術などオンライン演劇に携わるすべてのことを「自分たちで作る」ことに挑戦新しい演劇の形として、2020年10月にスタートした。サポートするのは、創作集団『劇団ノーミーツ』である。公演の成功を目指し『劇団ノーミーツ』からの指導やサポートを受けながらも、自分たちで企画書や構成案、絵コンテ、依頼書までも作成し、コラボ先まで選定するなど裏方にも徹し、『アイドル』という概念にとらわれず作品を作り上げている。
初回公演では両チーム合わせて累計800名の視聴者数を突破し、コメント欄では「心に残る素晴らしい演劇」「これを現役アイドルが作っているなんてすごすぎる」といったHKT48が自分たちで作り上げた公演に対する感動の声が溢れた。『水色アルタイル』では、コロナ禍の最後の文化祭に向けて自分たちの夢を追う姿を描き、『不本意アンロック』では、オンライン社会の発展によって生まれた社会のひずみを描いた作品。それぞれ今の社会情勢を表しており、「今の社会にぐさりと刺さる内容」「両方とも状況を変えるために行動し、前を向くことを示していて素晴らしい作品」とSNSでは共感の声を呼んだ。
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『水色アルタイル』初日開演レポート
コロナ禍で高校3年生を迎えた主人公・るなの夢はアイドル。高校卒業までの挑戦だと覚悟を決めてオーディションに挑むも、受かったオーディションの二次審査が昨今の時勢により中止になってしまいる。そんな中、最後の文化祭に有志の舞台の募集を聞き、親友からの助言でアイドルの夢を諦めずに舞台に立つことを決意したるなは、有志の舞台に立つ最低人数「5人」というハードルを突破するためにクラスメイトたちに声をかけるが...。真っ直ぐなるなの想いによって、少女一人ひとりが変わっていく様子を描いた青春劇である。少女たちがそれぞれの悩みに打ち勝ちながら一つの目標に向かって進んでいく様子は、「まっすぐ過ぎて涙が止まらない」「お世辞抜きで素晴らしい」と感動の声を呼んだ。
反省会では、演出を担当した田島芽瑠とプロデューサーの坂口理子・馬場彩華が登場した。田島は「アングルの向きや役者に指示をした細かい部分が、コメント欄で気づいてもらえて嬉しかった」と高揚感を持って話し、馬場は「みんな本当に頑張っていたことに、たくさんの方に気づけてもらえて嬉しい」と涙ながらに話した。坂口は「作品でも絆が生まれたけど、裏でも絆が生まれた。本当に画面に写っている素材を一から作ったので、何回も見て欲しい」と呼びかけた。
『不本意アンロック』初日開演レポート
トラブルに巻き込まれ、仕事を辞めた主人公、佳(けい)は、人と関わることに疲れ、在宅のバイトをしながら動画サイトをぼんやり眺める日々を送っていた。そんなある日、突如画面上に現れた謎の人物“エニシ“が「今からあなたには、未来を変えるキーパーソンになっていただきます!」と告げられ、翻弄されて巻き込まれるうちに、オンライン化が進んで完全にバーチャルの世界となった未来に、”強制シャットアウト“といういざこざを起こした人たちがバーチャル上で二度と出会えなくなるように機能が生まれていることを知る。この機能により、未来の人たちは人の関係性の中で「やり直し」が効かなくなっていた...。さまざまな人とのつながりで起きていた誤解を解き、未来を変えるために奔走する作品。今ならではの独特の設定を描いた内容に「良い映画を見たときと同じ感覚。すごかった」「想像よりかなり上、最高でした!」と驚きの声があがった。
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公演後、演出を担当した下野由貴は「稽古以上のものをみん ながしてくれてめちゃくちゃ感動した。届けたいものが届けられたの では」と話した。反省会では下野とプロデューサーの武田智加・地頭江音々が登場し、武田は「最後に一気に仕上がって、ついに幕が開いてめちゃくちゃ緊張した。やっとお届けできて嬉しい」と感極まる様子を見せた。