2021.05.21 公開
【ライブレポート】SKE48 6期生、単独ライブのパフォーマンスに込めた後輩たちへのエール

(前列左から)青木詩織、竹内彩姫、北野瑠華、(後列左から)井田玲音名、熊崎晴香、日高優月、鎌田菜月 (C)2021 Zest,Inc.  画像 1/12

5月18日、名古屋・栄を拠点に活動するアイドルグループ・SKE486期生がZepp Nagoyaにて単独コンサート「SKE48 6期生Zepp Nagoya 単独ライブ2nd ~6期が好きだ~ Supported by ゼロポジ」を開催し、青木詩織北野瑠華竹内彩姫日高優月井田玲音名鎌田菜月熊崎晴香の7人が出演した。6期生が同地でライブを行うのは2019年9月11日以来2度目となる。また、5月末をもってSKE48から卒業し社会人となる竹内彩姫にとっては、同期7人で揃う最後のステージとなった。

6期生が揃うと天気は必ず雨になる。台風が迫る中行った赤坂サカスでのライブのときも、横浜スタジアムで行われた48グループが一堂に会したフェスでも、前回のZepp Nagoyaのライブでも。この日も例外なく名古屋の天気は雨で、ライブの開催を祝福しているようだった。新型コロナウイルスの感染対策として、会場の定員を約1/3まで来場者を減らして行われた今回のライブ。客席には卒業を控える竹内彩姫のイメージカラーであるピンクのサイリウムをはじめ、各メンバーを表す色彩豊かなサイリウムがすでにあちこちで灯っていた。

【ライブレポート】SKE48 6期生、単独ライブのパフォーマンスに込めた後輩たちへのエール1期生の衣装を着て『神々の領域』を披露 (C)2021 Zest,Inc.  画像 2/12
<7年前の光景と重なる『神々の領域』>

18時、TBSチャンネル1の生放送と合わせて6期生のライブは幕を上げた。そして、サプライズはその直後に起こった。暗転のステージにスポットライトが当たり、シルエットで浮かぶ7人の姿に神々しささえ感じた。セットリスト最初の1曲は『神々の領域』。この曲はSKE48の1期生のために作られた楽曲で、前回の6期生ライブでは、この曲を歌い継ぐ覚悟と共に披露し反響を呼んだ。今回は1期生が着用していたオリジナルの衣装でパフォーマンス。のちのMCで松井珠理奈から「衣装着ちゃいないよ。じゃないと着る人いないから」と許諾を得て、是非にと勧められたのだという。奇しくも7人の姿に、SKE48が初めて行ったナゴヤドーム(現:バンテリンドーム ナゴヤ)コンサートで、1期生7人が『神々の領域』を歌ったときの姿が重なる。前回のライブで自らの殻を破り、“グループを引っ張っていく”存在になると語った6期生。あれから2年、各々の成長と共に“グループを背負う”存在になるという新たな覚悟を示した。


「Zepp Nagoyaに帰ってきました!」とMCコーナーで北野が高らかに挨拶し、会場からは割れんばかりの拍手が送られた。すでに『片想いFinally』、『恋落ちフラグ』と立て続けに激しいダンスで会場のボルテージを上げ、青木は「楽しいですめちゃくちゃ!1曲目から頭の飾りが取れちゃうくらい動きました」と息を弾ませた。話題は1曲目に披露した『神々の領域』について。日高は自分たちがデビューした頃のことを思い出しながら、「この衣装を着てる先輩たちの輝きを直に知ってるわけじゃない!何年か経って自分たちが着てるってすごいこと!!機会を与えてくださった珠理奈さんには感謝しかないです」と衣装の“重み”に震えながら喜びを語った。また、同期と最後のステージを迎えた竹内は「どうしよう始まっちゃった!」と6人の顔を見つめながら話す。「最後という実感がそんなになくて、2回目のZeppだから1回目を超える勢いをみんなで見せなきゃという気持ちが強い。いざ、ファンの方の前に立つとまたZeppに戻ってこれたっていう実感が湧いてきて、ちょー楽しい!!どうしよう、住み着きたいぐらい楽しい!」とテンション高く思いを叫んだ。

【ライブレポート】SKE48 6期生、単独ライブのパフォーマンスに込めた後輩たちへのエール『キスポジション』を披露するチームEの(左から) 鎌田菜月、井田玲音名、熊崎晴香(C)2021 Zest,Inc.  画像 3/12 【ライブレポート】SKE48 6期生、単独ライブのパフォーマンスに込めた後輩たちへのエール『オレトク』を披露する(後列センター)青木詩織、(前列左から)日高優月、北野瑠華、竹内彩姫(C)2021 Zest,Inc.  画像 4/12
続くブロックでは各チーム別の楽曲を次々と披露。6期生が普段パフォーマンスすることのないチームSの『Parting shot』を全員でクールに歌唱。息の合ったスタンドマイクのパフォーマンスで会場の視線を虜にする。続いてチームEに所属する井田、鎌田、熊崎の3人でチームKⅡの『キスポジション』を可憐にダンス。チームKⅡには珍しいアイドルの王道を行く楽曲なだけに、リハーサルでは竹内から「命をかけて頑張って可愛く!」という指示があったというが、熊崎は「チームEの悪い癖でノッてしまった」とサビの振り付けを大手を降って全力で披露した。
一方のチームKⅡの青木、北野、竹内、日高はチームEの『オレトク』をアイドル全開で全力披露。再び7人が揃い、カミングフレーバーの『せ~ので言おうぜ!』を北野をセンターに元気よくパフォーマンス。声援がない会場でも、サイリウムの光でファンとメンバーのコールアンドレスポンスがしっかりと交わされていた。メンバーたちは胸の奥底から叫ぶ。「6期が好きだ!!」。


【ライブレポート】SKE48 6期生、単独ライブのパフォーマンスに込めた後輩たちへのエール『金の愛、銀の愛』を歌う日高優月(左)と竹内彩姫(右) (C)2021 Zest,Inc.  画像 5/12
<後輩とファンへ向けた竹内のメッセージ>

ここからは竹内セレクトによる楽曲が披露される。
まずは初めて選抜メンバーに選ばれた『金の愛、銀の愛』を共に選ばれた日高とデュエットで披露。歌い出しは竹内の希望で普段なかなか披露されることのない2番からスタート。続いては2016年開催の「選抜総選挙」でアンダーガールズに選ばれ、歌唱メンバーに選ばれた『伝説の魚』、AKB48のアルバム『サムネイル』に収録された『青くさいロック』を全員で歌唱した。そして、『チャンスの順番』ではゲストに後輩メンバーの松本慈子(ドラフト1期生)、相川暖花(7期生)、上村亜柚香(ドラフト2期生)、倉島杏実(8期生)、大谷悠妃(ドラフト3期)、赤堀君江(9期生)の各期のメンバーたちが登場し、竹内とパフォーマンスを披露した。

【ライブレポート】SKE48 6期生、単独ライブのパフォーマンスに込めた後輩たちへのエール後輩メンバーたちと共に『チャンスの順番』を披露する竹内彩姫 (C)2021 Zest,Inc.  画像 6/12
後輩たちとのステージについて竹内は、「将来を期待しているのはもちろん、各期を代表してセレクトさせていただきました。この6期のZeppライブを見て、同期で一個のことを目指す素晴らしさを、同期の大切さを知ってもらえたらいいなと思って選びました」と理由を明かした。また自身のファンに対しても、「私が卒業するから『オタ卒』するっていう“さきぽんず”(竹内のファンの名称)のみんなもいたりするんだけど、こんなに素晴らしいSKE48の未来の子たちがいるから、今日で可能性を感じてこれからのSKE48を応援してもらえたら嬉しいなって思います。それに、ゼストに就職するからさー、オタ卒されちゃったら困るのよ(笑)!」と笑いも交えながら愛のこもったメッセージを伝えた。



【ライブレポート】SKE48 6期生、単独ライブのパフォーマンスに込めた後輩たちへのエール懐かしの衣装に袖を通した6期生たち (C)2021 Zest,Inc.  画像 7/12
<『メンバーの夢が叶う瞬間を支えられる人になりたい』>

いよいよライブも終盤戦。北野の煽りにつられて会場のメンバーのボルテージもさらに高まっていく。ライブタイトルを象徴する『オネストマン』、『君のことが好きだから』で会場全体を盛り上げ、これまでいくつもの場面で披露されてきた研究生時代を代表する『夕立の前』を立て続けに歌い上げた。最後は『無意識の色』を歌唱し本編は終了した。


会場のファンからのクラップに招かれるように、アンコールで再びステージに登場した6期生。鎌田の可愛らしい煽りで始まった『夏よ、急げ!』、指先まで揃えた『パレオはエメラルド』で再び客席を魅了した。最後のMCコーナーで今回のライブを振り返るメンバーたち。あっという間に時間が過ぎたと話す北野は、「前回はみんなプレッシャーに負けそうなぐらいに緊張してガチガチだったんですけど、2年も経って今日は自信を持ってステージに立つことができました。普通なら期ごとのライブはできないと思うんです。でも、6期生が2回もできたというのは、1回目のライブが誰かに評価された結果だと私は思っています。この結果をいい形に捉えて同期たちと一緒に力を合わせて前に進みたいと思います」と手応えと自信で瞳を輝かせた。


前回のライブで“言霊”について話していた日高は、先輩として振る舞う環境にプレッシャーを感じていたという。「上の世代が少なくなってきて、自分たちが“引っ張らなきゃ!”っていう気持ちにはなるんですけど、今日は同期とずっと一緒だったので、いい意味で肩の荷が降りてみんなに甘えることもできて、本来の自分を出せたのかなって。リハーサルから今日に至るまで安心できる同期と一緒に立てて嬉しい」と、ライブを通して素の自分を取り戻した。


「ライブができることが奇跡」と話した青木は涙を浮かべながら、「2回目のZeppライブを行えたことも嬉しいなって思ってます。泣きそうです。嬉し過ぎて・・・。この7人で立てるステージは最後だから、終わってほしくないってレッスンの時から思ってたんですけど、終わっちゃいました。本当に最高のステージでした!」と感情を言葉に込めた。


「みなさんが求めてくれなかったら正直2回目はなかったと思うんです」とファンへの感謝を寄せた井田は、「本当にたくさんの方が『6期のZeppライブ楽しみ!』って言ってくださるのが毎日幸せで・・・。今日が終わるのは寂しいんですけど、次に繋げるようにしっかり最後までやっていきたい。残りも少ないですがみなさんと最後まで楽しい時間を過ごしていきたいと思います」と未来を見据えた。


熊崎は「今日のライブをずっとずっと楽しみにしてきて、ファンのみなさんも『楽しみにしてるよ!』って伝えてくれて、楽しさって伝染するんだなって・・・。私たちが“楽しい”って思うとファンの方も、楽しんでるメンバーを見ていて、『これからが楽しみだな!』って言ってくれて、楽しさってどんどん伝染していくんだなって思いました!だからこそ、このライブで『6期最高だな!』って思ってもらえるように頑張ろうって思えたし・・・。最高でしたか?」という問いかけに会場から満場の拍手が送られた。

さらに熊崎は、「『6期生最高だな!』から、『SKE48ってめちゃめちゃ最高だな!』ってどんどんいろんな人に伝わっていって欲しいし、本当に本当に6期生含めてSKE48は魅力的なメンバーばっかりだから!私も大好きで大好きでたまんないんです!だから、もっとみなさんにも『SKE48大好き!』、『6期大好きだ!!』って思ってもらえるように成長していきたいと思います。目を離さないでずっと見ていてください!」とテレビやSNSの向こうで見守るファンへも届くように、熱い想いをぶつけた。


そして、鎌田は改めてライブが開催できたことへの感謝を述べたあと、再び単独ライブを開催することに合わせて寄せられた意見に対して、「私たち6期生が加入した時はグループを支えて下さった先輩方の大量卒業があった時なんですよ。『不遇』だとか言われていた6期生が嫉妬の対象になり、そうした存在になれたことが、この2年間での私たちが成長したという証明なんだと思います。そのプレッシャーも気持ちいいなと思って、みんなで立たせてもらっています。SKE48としては夏にもZeppツアーもあって、今日ここでいただいた経験を生かして、熱意をもってSKE48を熱く熱く盛り上げていきたいと思います」と真摯な想いをファンへと届けた。


最後に竹内は「あと少しの時間で6期と同じステージ立つことはないと思うと寂しい気持ちもありますが、まだ卒業する実感がそんなに湧いてないです」と現在の心境についてふれた。

「楽しすぎるから、まだここにいる未来を想像してるからなのかな?」とありのままの想いを口にしながら、アイドルとしての自分にけじめをつけるように、「ここでやり残したこと以上に、次に進んでから自分がどうなっていくのかという“未来”が楽しみなので卒業という決断をしました。これからの6期生の活躍は楽しみだし、後輩の成長もSKE48メンバーの夢が叶う瞬間を一人でも多く、スタッフとして支えられる人になれたらと思っています」と、まっすぐに前を見つめて話した。

竹内の言葉に涙を浮かべる同期へ向けて、「泣いてくれるみんながいてくれて嬉しいなって思います。6期でよかったなって思ってます」と感謝を言葉に込めた。また、これまで多くの波を経験してきたからこそネガティブに感じとってしまう6人へ、「マイナスな言葉にも耳を傾けてしまう優しい期だから。でも、こうして応援してくれるファンの方がたくさんいるから、ポジティブになってとは言わないけど、マイナスなことよりも応援してくれるみんなを信じて、これからも活躍していってほしいな」とエールを送った。

【ライブレポート】SKE48 6期生、単独ライブのパフォーマンスに込めた後輩たちへのエールライブ当日まで制作していたアルバムを手渡す場面も (C)2021 Zest,Inc.  画像 8/12 【ライブレポート】SKE48 6期生、単独ライブのパフォーマンスに込めた後輩たちへのエールライブ当日まで制作していたアルバムを手渡す場面も (C)2021 Zest,Inc.  画像 9/12
竹内が挨拶を終えると6人がライブ当日まで作っていたというフォトアルバムが手渡された。中身は一人ひとりのメッセージと合わせて、デビュー当時の写真などたくさんの思い出が詰まった一冊に仕上がったようである。竹内は「仕事場のデスクに飾らせてもらいます」と満面の笑顔を咲かせて受け取った。

【ライブレポート】SKE48 6期生、単独ライブのパフォーマンスに込めた後輩たちへのエール最後は『未来が目にしみる』を爽やかに歌い上げる (C)2021 Zest,Inc.  画像 10/12 【ライブレポート】SKE48 6期生、単独ライブのパフォーマンスに込めた後輩たちへのエール 6期生の真骨頂『エンドレスオキドキ』 (C)2021 Zest,Inc.  画像 11/12
7人で歌う最後の楽曲は『未来が目にしみる』。これまで6期生は『未来とは?』や『未来の扉』など“未来”に関わる歌を届けてきた。SKE48に残る6人と、新たな道を歩いていく竹内。それぞれの未来を明るく照らし出す今の6期生にぴったりと当てはまる楽曲だ。最後はみんな笑顔でライブを終えた6期生。その後のチェイサーで『オキドキ』が流れると竹内を筆頭に、お約束の流れで『エンドレスオキドキ』を踊り続け、最後の最後までステージを盛り上げた。

【ライブレポート】SKE48 6期生、単独ライブのパフォーマンスに込めた後輩たちへのエール左から鎌田菜月、熊崎晴香、北野瑠華、竹内彩姫、日高優月、青木詩織、井田玲音名 (C)2021 Zest,Inc.  画像 12/12


今回のライブを通して後輩メンバーたちへ“希望”をパフォーマンスを通して伝えた6期生。「昔を大事にしつつ、今のSKE48に新しい風を吹かせたい!」と終演後の取材で熊崎が言っていたように、6期生にしかできない、6期生だからこそのステージを2時間の間にぎゅっと詰め込んだ。

この先、後輩メンバーたちからも沸き起こるであろう新たなムーブメントに期待を寄せたい。


【開催概要】
SKE48 6期生Zepp Nagoya 単独ライブ2nd ~6期が好きだ~Supported by ゼロポジ」
日時:2021年5月18日(火) 

会場:Zepp Nagoya
開場 17:00 / 開演 18:00 
来場者数:641名(定員:1,864名)
出演メンバー:6期生青木詩織北野瑠華竹内彩姫日高優月井田玲音名鎌田菜月熊崎晴香
  (ゲスト:松本慈子、相川暖花、上村亜柚香、倉島杏実、大谷悠妃、赤堀君江)


【セットリスト】
M00.overture
M01.神々の領域
M02.片想いFinally
M03.恋落ちフラグ
M04.Parting shot
M05.キスポジション

M06.オレトク
M07.せ〜ので言おうぜ!
M08.金の愛、銀の愛
M09.伝説の魚
M10.青くさいロック

M11.チャンスの順番
M12.オネストマン
M13.君のことが好きだから
M14.夕立の前
M15.無意識の色

EM1.夏よ、急げ!
EM2.パレオはエメラルド
EN3.未来が目にしみる
EN4.オキドキ


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