どうも!GEMのリーダー金澤有希です。GEMの7thシングル「Sugar Baby」が発売記念を祝した連載企画第4弾!最終回となります。今回はGEMの新プロデューサーで、本企画から初の顔出しに挑む監督の登場です。いろいろ謎に隠れたベールが明らかになっていきます!
――― はじめまして。「Sugar Baby」から就任しました―――
金澤:まずは監督!簡単な経歴を教えてください。
監督:はい、はじめまして。「Sugar Baby」からGEMの新プロデューサーになりました監督です。現在エイベックスの社員で、hitomiの現場マネージャーから始まり、宣伝、営業、タレントマネージメントを経て今にいたります。会社員なので基本的に表には出ないのですが、今回Sugar Babyからガラッと体制が変わったということと、この曲を少しでも多くの方に聞いてもらいたいという思いから今回のお話を引き受けさせてもらいました。
金澤:会社の中ではお偉いさんなんですよね。執行役員という肩書きで。
監督:いやいや。今はGEM以外に「ナイスさとう」という名前で男性グループ「SOLIDEMO」「BE×DUNK」プロデューサー、舞台版「私のホストちゃん」シリーズの企画プロデュース、イケメンだけのフリーマーケット「メンフリ」企画、イケメン情報メディア「iLIP(アイリップ)」の統括プロデューサーもやっております。 女性グループのプロデュースは初になります。
◆初めての顔出し、表に出た経緯について◆
――― スタッフ側の気持ちを前に出した方が応援する側も応援しやすいかなあと―――
画像 2/5
金澤:今回の取材から顔出ししましたね、ついに。心境はいかがですか
監督:20年以上前にマネージャーとして、この業界に入ったときはスタッフが表に出てはいけないというのが鉄則だったんですよね。上下関係がすごくあった。例えば、タレントがゴハン食べているときは、スタッフはゴハンを食べない、っていうのは当たり前だったので、タレントと余計な会話もしたことがなかったしプライベートな話もしたことがなかった。ずっとタレントと同等に付き合う環境がないところで働いてきたんです。スタッフが表に出るなんてありえない(笑)
ただ今の時代、裏方がSNSで発信したりするのが当たり前になった。ネイリストさんやスタイリストさんって仕事も昔は裏方だったんですよ。今では世に出てうまく自分のブランドを築いてますね。「SOILIDEMO」をプロデュースすることになって、彼らを売っていくには、もっとスタッフ側の気持ちや意見を前に出したほうが、応援する側も応援しやすいんじゃないかなって思うようになったんです。
20年以上前はアーティストとファンの関係は『与える側』と『与えられる側』だったんですけど、今のアーティストを見ていると、一緒に武道館を目指そうとか思いを共有する関係性に変わりましたよね。例えばサッカーの日本代表とファンもそうで。選手はワールドカップ出場を目指す、ファンはチケットを持って応援することで選手と同じ体験を味わえる。アーティストも同じかなと。時代の流れを見て変わってきたのが心境の変化で1番大きいですね。
◆GEMを任されたときの心境◆
――― 2年3年先を考えて本人たちが持っている才能を引き出していくっていうのが、僕のスタンスです―――
画像 3/5
金澤:最初GEMを任されたときの心境はどうでしたか?プレッシャーとかありましたか?
監督:プレッシャーは全くないですね。使命感の方が強いです。あとGEMとしてのこれまでの世界観は意識してません。壊すというと言い方が合っているか分かりませんが。今後はもっと本人たちに寄り添う形というか、何か形に当てはめるのではなく、2年3年先を考えて本人たちが持っている才能を引き出していくっていうのが、僕のスタンスですかね。
例えばGEMの村上来渚(らな)は動画編集が得意だったのでYOUTUBERをはじめた件も。今までだったらやらせなかったんだと思うんですけど。彼女の可能性を少しでも引き出せるなら、村上に「YOUTUBERやってみたら、お前の良さを出せるから絶対いいよ」って言って、背中をポンと押してあげたり。タレントを輝ける場所に立たせてあげるのがプロデューサーの仕事かなって思うんです。
金澤:らなちん以外のメンバーはどうですか?
監督:伊山(摩穂)なら。僕がプロデューサーになったとき伊山に「やりたいこと何かある?」って言ったら。すぐに「ツイキャスやりたい!」って言ってきたんです。本当にやりたかったみたいで。僕自身は『タレントは自分の宣伝を自分でしたほうが良い』と思っているタイプなので。全然やったほうが良いって言ったら、今では伊山家総出で頑張っていますし(笑)継続の先に何か形があるんじゃないかなって思ってます。
小栗(かこ)と、(伊藤)千咲美に関しては、僕が最近名古屋で仕事することが多くて、愛知県出身の2人に名古屋の仕事を主軸にやらせたりしてますね。その中でも小栗はコリオグラファー(振付師)の色をもっと出したいと思っています。千咲美は妹もアイドルをやってたり、家族が本当に面白いんですよ!伊藤家は今の時代に稀な『幸せな家族像』の象徴で。ああいう家族をフューチャーするものがあってもいいなあと思っております。
なっち(南口奈々)はグラマラスな体形をしているのでグラビア活動の方にも積極的に挑戦してほしいなって思っております。ちゃんまん(森岡悠)はずっと女優になりたいって言ってまして。でも女優って本当、難しい仕事でして。僕は活躍している俳優さんをずっと近くで見てきたからそう思うんですけど。『女優』っていう肩書きを口に出すって、すごい覚悟がいることなんですよね。だから僕なりに女優を目指すサポートをしてあげられたらなあと思っています。
平野(沙羅)は、まだメンバーには話したことないんですけど女優に向いているかもしれません。とにかく真面目!気持ちが強いんですよね。あと身体能力の高さ!ちゃんまんとは違う角度でサポートしてあげたいですね。じゅりん(熊代珠琳)は口数が少ないんだけど、すごく人の話をよく聞く子で、本当に性格が良い子で。そしてダンスがすごくうまい!そういうことを活かせる道を作ってあげたいですね。
ひらり(西田ひらり)は、まだこれからで手探りなんですけど。まだまだ歌の部分が伸びてくると思うので。GEMという活動をしながら別の形でも活躍してもらいたいです。まあや(武田舞彩)は、いまロサンゼルスで頑張っているところで。近い将来、日本のお客さんに見てもらう日が来ることを楽しみにしていると思います。
そして最後、金澤はですね。1番芸能人っぽいというか。GEMってテレビに出ていなかったり、まだまだメディア露出が足りていないグループだと思うんです。お客さんの前でLIVEすることが多いので、良くも悪くも芸能人っぽくないんです。そんな中でも金澤が、唯一カメラ前で切り替えができるメンバーかなあと。もっとバラエティーに出たり、個人活動を増やして良さを引き出してほしいと思っております。 将来的にはGEMとして活躍しながら個人でも輝いていけるグループにしていきたいと思っています。
金澤:はい!ありがとうございます。監督ってこの質問した時、「えっ、10人!難しいなあ」って言いながらも、ちゃんとメンバー1人1人のことを見ていてくれて有り難いです。それに私はカメラの前だと考え込んじゃう性格なので、収録後うまく喋れないと楽屋とかで暗くなってしまうんですよね。でも今、監督が言ってくれたように褒めてくださってくれたのですごく嬉しいです。
◆会社員としての顔◆
――― 新卒募集がなかった・・・、宣伝部がなかった・・・、逆転の発想で成長―――
画像 4/5
金澤:では会社員の顔としてはどんな歩みをしてきたのですか?
監督:もともと僕はエイベックス入社ではなくて。当時エイベックスレコードの子会社「ホワイトアトラス」に1996年24才で入社したんです。そのときのエイベックスグループは社員全体でも100人ぐらいの規模で。所属アーティストも『TRF』『hitomi』しかいなくて。『TRF』『hitomi』のプロダクションとしてあったのがホワイトアトラスという会社だったんですよね。
就職活動のとき求人みて、あ~ここ入りたいなって思ったんですけど、当時は新卒募集ではなく経験者のみで。普通に行ったら経験者じゃないって書類で落とされると思って。車の中で熱い思いをテープに吹き込んで履歴書と一緒に送ったんです。「僕を取ったほうがいい!」と魂をこめたコメントを(笑)。
そうしたら、とりあえず会ってくれることになり会社に行ったら、面接官の社長が偶然同じ高校だったり、入社したあとも次々と知るんですが、隣の中学校の先輩がいたり、地元の人がたくさんいて凄く縁を感じて。
金澤:最初はどんな仕事から始めたのですか?
監督:hitomiの現場マネージャーです。『CANDY GIRL』があって『GO TO THE TOP』があって、『by myself』のあとに出したアルバムが100万枚のCDセールスをして。
金澤:すごいですね!その後は?
監督:マネージャーといっても実質運転手です。朝から晩までずっと都内を運転してましたね。で、マネージャーを2年くらいやって1998年から宣伝ですね。最初ホワイトアトラスには宣伝部がなくて。普通、新しい仕事をするとき前任者から引き継ぎってあると思うんですが。誰もやったことないからそういうのがなくて(苦笑)。
宣伝といってもどこへ行ったらいいか分からないから、当時ネットのない時代、本屋へ行って雑誌の裏表紙の住所と電話番号をみて。300社以上の媒体一覧資料を作りまして。そこから1件、1件、電話して「音楽担当さんおりますか?」って当たり300人以上に会ったりしました。今でもその人脈が財産になってます。
金澤:へ~。そうだったんですか!
監督:その後、ラジオをやるようになって、テレビをやるようになって。その中でも鍛えられたのが新聞担当。今より当時はスポーツ新聞に大きく掲載してもらうとすぐにCDが売れた時代で。仕事を覚えるために週5のペースで朝まで記者さんと酒を飲んでました。その頃の格好は完全に新聞記者でしたね(笑)
◆新聞担当で記者から学んだこと◆
――― 『日本で最初に』『7文字の法則』『悪い言葉と良い言葉の掛け算』―――
画像 5/5
監督:新聞記者さんと一緒にいると自分でも記事を書いたりして。当時カメラにはまっていたから、自分で写真を撮って新聞社に送っていたりして。今だとオフィシャルのライブ写真と、映像をメールで送って掲載してもらうんだけど。そのスタイルを日本で一番初めに始めたのは僕なんだよね(自称)。
昔はインターネットがなかったから写真を撮ったら現像してバイク便で送るか、新聞社のカメラマンさんに来てもらう方法しかなかった。でも写真を撮って現像するのに時間のロスが出ちゃうから。あるとき記者、カメラマン、整理部の人と雑談しているとき。ふと「僕が撮った写真とかメールしたら採用してくれるんですか」って冗談で言ったら、「全然いいよ」って言ってくれて。 向こうは本気にしていたのか分からないんですけど、すぐにメールアドレスを聞いて送るようにしたんですよね。
金澤:日本で最初!すごい!!
監督:自称ね!(笑)。他には、スポーツ新聞の見出しって、基本『7文字』で売っていくっていくのがセオリーで。例えば、倖田來未の『エロかっこいい』、浜崎あゆみの『コギャル一押し』 浜崎あゆみの場合だと、昔ニッポン放送で『女子高生の中で1番人気のあるアーティストランキング』というのが始まって。最初ゆずさんが1位だったんですけど、僕らも絶対、浜崎あゆみを1位にしたいと頑張ってみんなでプロモーションして。
その結果、1位になりまして。すぐスポーツ新聞の記者に頼んで、ランキング1位を見出しにしてもらったんです。そのとき記事の見出しを考えてくれた記者が、『浜崎あゆみ1位』ではなく、『コギャル一押し』って見出しを作ってくれたんですよね。その記事が世に出て、テレビのワイドショーで「コギャル一押し?どんなアーティスト?」と扱われ。翌週に出演した「ミュージックステーション」でタモリさんが「いま女子高生に人気の浜崎あゆみさんです」って紹介してくれたんだよ。その影響もあって、『女子高生に1番人気』っていう専売特許は、浜崎あゆみだけのものになりまして。
倖田來未の場合ですと当初、ジャケット写真とかMVがエロかったんです。でもそれで浸透したっていうよりかは新聞記者が「エロカッコいい」って見出しをつけたら、ぱあっと火が付きました。エロくて格好いいんだ。ちょっと悪い言葉と良い言葉をかけ合わせることによって、素晴らしいアイデアの言葉になる鉄則があるんです。例えば黒澤明さんの映画のタイトル「天国と地獄」「酔いどれ天使」みたいな。すごく印象に残る組み合わせなんです。いま僕がやっている『SOLIDEMO』もその法則からきています。SOLID=超かっこいい、EMO=女々しい。
金澤:勉強になります。
監督:その後、音楽宣伝のあと映像宣伝を担当。丁度その頃、エイベックスが初めて俳優部門をやることになって、中村獅童、小雪とかが移籍してきて担当になりました。
◆最後に◆
――― 人をマネージメントすること好きなんだよね。いろいろなことを教わる―――
金澤:輝かしい経歴のなかGEMのプロデューサーで役立てることは何ですか?
監督:売り出し方ですね。宣伝時代にニュースを作ってきましたので、ちょっと変わったタレントの売り出し方や、人の記憶に残るような打ち出し方をすることで、しっかり中身を伝えていきたいです。あと人をマネージメントすることが好きなんですね。僕らは人をマネージメントしながら逆にいろいろなことを教わってます。SOLIDEMOに関してはゼロからアーティストを作る難しさを学ぶとともに、ファンの方と一緒に喜びを共有することを日々感じています。
金澤:ありがとうござます。監督の「タレントは自分からプロモーションしていかなくてはいけない」という言葉が心に残りました。「しっかり自分から行動しないと何も始まらない!自分から思いついて動けるようになりたい」と思いました。4回にわたる金澤インタビュー連載企画、監督!ありがとうございました。もっともっと「人の心の中に入るトーク磨きますね」
監督:大丈夫!俺もISAKICKさん、Carlos.Kさんも、金澤マジックで『言う気?』モードでベラベラ喋っちゃったから。
<GEM 1st全国TOUR ~YUMENO TSUBOMI~>
1月5日(木)東京・新宿BLAZE
2月11日(土)大阪・心斎橋Music Club JANUS
2月12日(日)愛知・名古屋ボトムライン
3月3日(金)北海道・札幌DUCE
3月5日(日)福岡・福岡DRUM Be-1
・チケットは、一般発売中
<全国対バンTOUR ~YUMEENO KIZUNA~>
2月5日(日)北海道「フルーティー」 @Sound Lab mole
4月2日(日)愛媛「ひめキュンフルーツ缶」 @松山サロンキティ
4月8日(土)福岡「LinQ」 @ベスト電器福岡本店
4月9日(日)山口「山口活性学園」 @Rising hall
4月16日(日)大阪「大阪☆春夏秋冬」 @ESAKA MUSE
4月29日(土) 愛知「さくらシンデレラ」 @SPADE BOX
4月30日(日)静岡「ORANGE PORT」 @沼津ラクーン
【動画】「Sugar Baby」発売記念連載企画③『金澤有希のそこまで!言う気?』:https://wws-channel.com/interview2/28039.html
「Sugar Baby」発売記念連載企画③『金澤有希のそこまで!言う気?』2016年レコード大賞最優秀賞作曲家に金澤有希が物申す!:https://wws-channel.com/girls2/27856.html
【動画】「Sugar Baby」発売記念連載企画①『金澤有希のそこまで!言う気?』: https://wws-channel.com/interview2/27759.html
「Sugar Baby」発売記念連載企画①『金澤有希のそこまで!言う気?』:https://wws-channel.com/girls2/27610.html
◆GEM オフィシャルサイト:http://girls-entertainment-mixture.jp/index.php
◆「Sugar Baby」MV映像:https://www.youtube.com/watch?v=mqoapEJiJC0
◆「Sugar Baby」DANCE PRACTICE VIDEO:https://www.youtube.com/watch?v=YQzcADIXfgg