2021.07.27 公開
『パレオはエメラルド』リリースから10年、SKE48に恋したあの夏

SKE48『パレオはエメラルド』ジャケット  画像 1/1

7月27日、名古屋・栄を拠点に活動するアイドルグループ・SKE48のサマーソング『パレオはエメラルド』のリリースから10周年を迎えた。

パレオはエメラルド』は2011年7月27日にリリースされたSKE48 6枚目のシングルで、エイベックス移籍第一弾作品として話題になった。イントロの静かな出だしから一転した元気で明るいアップテンポな曲調と、爽やかな歌詞が耳に残る心地よい一曲だ。MVは初の海外ロケとなるハワイで行われ、ビーチで選抜メンバー16人がエメラルドの水着で踊る姿や、アメリカンスクール感のあるドラマシーンが印象的だ。また、メンバーが次々と崖から海へと飛び込む場面はアグレッシブで、がむしゃらさが魅力的なSKE48らしいシーンとも言える(平松可奈子の「カエルジャンプ」も見どころだ)。



『パレオはエメラルド』から10年と聞いて、過ぎ去る年月の早さに驚きを隠せない。当時高校生だった筆者が初めて購入した48グループのCDがこの曲だった。当時は毎週のように48グループやユニット曲のCDがリリースされており、放課後CDショップに通ってはどの曲を買おうかと陳列棚とにらめっこしていたのが懐かしい。そんな中、SKE48の『パレオはエメラルド』を選んだのは、前作の『バンザイVenus』のパフォーマンスに惹かれたところが大きい。


ここで『パレオはエメラルド』がリリースされた2011年のSKE48を振り返ってみたい。発足したばかりのチームEが劇場公演をスタートし、3チーム体制が確立。3月リリースの『バンザイVenus』が初のオリコンウィークリーチャート1位を記録し、各地のZeppを駆け足で巡った初の全国ツアー「真夏の上方修正」が開催された。合わせてAKB48の各冠番組にも定期的に出演するようになり、その効果もあってか握手会の動員数も回を重ねる毎に記録を更新。10月からは日本テレビにて冠バラエティ番組『SKE48のマジカル・ラジオ』がスタートし、全国的に知名度を広げていった。また、同番組でメインパーソナリティの役を務めた高柳明音が、「選抜総選挙」でプロデューサーの秋元康氏に「私たちに公演をやらせてください!」と直訴。そのことがきっかけで実現した「ラムネの飲み方」公演は、10年の間歌い継がれ彼女の卒業公演の演目にも選ばれた。


現在でもライブや公演で耳にする機会が多い『パレオはエメラルド』。その人気は数ある夏曲の中でも群を抜いている印象だ。SKE48のファン以外も参加するアイドルフェスなどで披露された際には、会場のボルテージが一気に上昇した場面に何度か遭遇したことがある。セットリストに欠かせない代表曲となったのは、やはり「紅白歌合戦」で披露されたことが大きいだろう。2012年12月31日放送の「第63回NHK紅白歌合戦」にSKE48は同曲を引っさげ単独出場。須田のバレエの回転技や、藤本美月のバク転が次々と決まり、最後は出演メンバー全員でラインダンスを成功させ、限られた放送時間内で強烈な印象をお茶の間に届けた。このラインダンスはのちに『恋落ちフラグ』(2021年)のMVで再現されている。


SKE48が全国へと羽ばたくきっかけとなった本作。久々に視聴したMVには当時の推しメンの姿など懐かしい光景が広がっていた。奇しくも9月1日にリリースされる最新シングル『あの頃の君を見つけた』は、昔の恋を思い出し、その記憶や経験に俯瞰で向き合い思い出に変えていく、という歌詞の内容になっている。今年に入りますます攻勢に出るSKE48に「あの頃」の夏が重なる。この曲が「新生SKE48」の歴史を紡ぎ出す曲になることは間違いないだろう。パレオを腰に巻いた少女たちから託されたバトンは、新センターの林美澪をはじめ、新しい考えを持ったメンバーたちに引き継がれた。

この夏が再びSKE48の虜になる熱狂的な季節になることを願って、この文章を終えたいと思う。

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