6月20日、かねてから告知されていたモーニング娘。'22のコンサートツアー千秋楽で、森戸知沙希がモーニング娘。'22およびハロー!プロジェクトを卒業した。本記事では、その公演の模様をレポートする。
森戸知沙希は、2015年3月にカントリー・ガールズとしてデビュー。2017年6月からモーニング娘。のメンバーとなり、約7年間ハロー!プロジェクトのメンバーとして活動してきた。自身ラスト参加となる6月8日発売のモーニング娘。NEWシングル『Chu Chu Chu 僕らの未来 / 大・人生 Never Been Better!』(両A面)は、オリコン及びビルボード ジャパンの週間シングルランキングにて2位を獲得。卒業ライブまで駆け抜けるようにハロー!プロジェクトの一員として活躍してきた彼女が、卒業ライブでどのような姿を見せてくれるのか。初夏の武道館が熱気を帯びていたのは、決して気候のせいだけではない。
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オープニングでは一人ひとりにスポットがあたり、メンバーが紹介される中、森戸の紹介の際には一層熱い拍手が沸き起こる。この日の1曲目は『青春Night』。白を基調にスパンコールのラメが入ったドレスをまとった13人が、純白のレースを翻しながら、武道館の中央に設置されたステージを舞った。2曲目はちょっぴり懐かしい『One・Two・Three(updated)』。さらに、今のモーニング娘。を代表する『Teenage Solution』と続き、武道館は徐々にヒートアップしていく。
この日は卒業公演ということで、最初のMCでも早々に森戸が今の心境をメンバーに問われる。「卒業を発表してから本当にあっという間で、ついに来たかという感じです。みなさん、この13人体制を目に焼き付けてください」照れ笑いを浮かべつつ、そう語った森戸。彼女のトークに続いて披露されたのは、『Chu Chu Chu 僕らの未来』。6月8日にリリースされたばかりの森戸の卒業シングルだ。
ここで再びMCへ。森戸・野中・加賀・山﨑がステージに残り、森戸がステージ上に残った3人に伝えたいことを披露した。山﨑には「偏食をなくしてほしい」、野中には「ワンちゃんの写真を見せる時に人が変わりすぎ」、加賀には「チョコが好きならチョコミントも好きになってほしい」と伝え、会場の笑いを誘う。
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ここからは小田・羽賀・横山・北川による『しょうがない 夢追い人』、譜久村・牧野・岡村による『恋人には絶対に知られたくない真実』、生田・石田・野中・加賀・森戸・山﨑による『愛され過ぎることはないのよ』と、選抜メンバーによる楽曲が続く。そして、衣装チェンジを終えたメンバーが再び揃って披露されたのは、往年の名曲『I WISH』。ステージ上の大画面には、現メンバーの楽屋裏のオフショットやレッスン風景が映し出され胸を熱くしたファンも多かったことだろう。
『I WISH』に続いては『よしよししてほしいの』『ジェラシー ジェラシー』『Are you Happy?』『TIKI BUN』など、シングル曲が目白押しの怒涛のメドレーが駆け抜けるように披露された。グリーンのスパンコールが光るチェニック丈のアウターに、タータンチェックのインナーという衣装で、モーニング娘。ならではの圧巻のダンスパフォーマンスが展開される。DJポーズでお馴染みの『TIKI BUN』では、13人が並んで肩を組み、続く『Moonlight night 〜月夜の晩だよ〜』のイントロが流れると、全員が一斉にアウターを脱ぎ捨ててさらに激しいパフォーマンスを繰り広げた。
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この日のステージもいよいよクライマックス。各メンバーがいよいよ卒業となる森戸のへのメッセージを告げる中、最も個性が強かったのが牧野真莉愛のコメントだ。「ここまで、よくやったなちぃちゃん。グッバイ、ちぃちゃん」とドラゴンボールの悟空のモノマネを披露。森戸をはじめメンバーの数人が爆笑で腰を抜かすほどのインパクトで、涙ぐみそうになったメンバーもいた湿っぽい空気を一転させた。そんな中、本編ラストに披露されたのは、森戸の卒業シングルでもある『大・人生 Never Been Better!』。メンバーごとのメッセージでも伝えられていたが、森戸とのフォーメーションを組みながら、これでいよいよラストだとの思いを馳せつつのパフォーマンスが繰り広げられた。
会場中に長い手拍子が沸き起こった後のアンコールでは、森戸が一人でステージに登場。頭にはティアラを付け、自身のメンバーカラーでもある真っ白なドレスをまとって現れた森戸は。この日のために用意した卒業に対する思いをしたためた手紙を朗読した。「海外コンサートやフェスの出演など…、どれも私の人生に刺激を与えてくれて忘れられない景色です。特に海外の空気は私にとってすごく特別なもので、英語を学びたいという新しい目標を見つけることができました」。手紙の中には今回の卒業のきっかけとなった海外への想いも綴られていた。
アンコールで歌われたのは、森戸が好きだという『みかん』。ソロで歌い上げ、曲の後半からはパープルのワンピースに着替えたメンバーがステージに登場し、13人全員でのパフォーマンスとなった。
いよいよアンコールも最後の最後。森戸を含め13人編成のモーニング娘。22としてのラストソングになったのが『ENDLESS SKY』。曲が終わるとステージには森戸だけが残り、四方に丁寧に手を振りつつ深く頭を下げ、最後まで笑顔を絶やさずに会場中に全身で感謝を伝えた。
森戸の留学期間は1年半を想定しているという。この間に森戸もモーニング娘。もさらなる飛躍を遂げることだろう。ファンにとってもメンバーにとっても卒業は寂しいが、それはきっと一瞬のこと。森戸が再び笑顔で私たちの前に帰ってくる時が今から待ち遠しくもある。そんな気持ちにさせてくれる卒業公演となった。