乃木坂46のデビュー11周年を祝うバースデーライブ「乃木坂46 11th YEAR BIRTHDAY LIVE」DAY4公演が2月25日、横浜アリーナで開催された。22日から5日間にわたり同会場で展開される今回のバースデーライブ。4日目は3期生が約2年ぶりに単独ライブを実施した。加入2年目というまだまだ初々しさが残る5期生、チームとしての一体感の強さをにじませた4期生から繋いだバトンを、先輩メンバーである3期生がどう受け取り、どんな個性的なステージを見せてくれるのか。多くのファンが期待を高めて開演を待ち望んだ。
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3期生ライブのオープニングを飾ったのは、山下美月がセンターを務める「僕は僕を好きになる」。ストリングスやホーンが加わった新たなアレンジに合わせて、彼女たちは伸びやかで力強い歌声を響かせていく。ショーの始まりにふわさしいこの1曲に続いて、梅澤美波センターの「空扉」、与田祐希センターの「三番目の風」とゴージャスさの増した新アレンジの数々に乗せて、堂々としたパフォーマンスと歌を届け続けた。この3曲だけでも盛り上がるに十分なところを、岩本蓮加の「お前ら、もっと声出していけ!」を合図に「トキトキメキメキ」へ突入すると、会場の熱気は急加速。歌声をかき消すほどの声援に包まれる中、さらに「自分じゃない感じ」が繰り出され、ライブは早くも佳境のような盛り上がりを迎えた。
5曲披露し終えると、11人が興奮気味に意気込みを口にしていく。山下が「お客さんを入れての3期生ライブは2017年ぶり。大人になった私たちを見てほしいです」と告げると、阪口珠美は「私はこの3期生ライブに魂を込めてやってきました。3期生のパワーを見せつけちゃいますので、皆さんお見逃しなく」と挨拶。さらに、岩本が「3期生の気合いが近くにいるだけでひしひし伝わってきて」とメンバーも気合十分であることを伝えると、梅澤は「みんなで話し合いを重ねて、たくさん意見を出して作ったライブ。ひと味違う3期生をお見せしたい」と力強く宣言した。
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11人の熱がしっかり伝わるMCを経てライブが再開すると、向井葉月、山下、与田による「嫉妬の権利」や佐藤楓、吉田綾乃クリスティー、梅澤による「Threefold choice」、阪口、中村麗乃、久保史緒里による「大人への近道」、伊藤理々杏&岩本による「心のモノローグ」と、バラエティに富んだ組み合わせのユニット曲が続く。歌とダンスにしっかり気持ちを乗せたそれぞれパフォーマンスからは、自分たちが先頭に立ちこれからの乃木坂46を引っ張っていくんだという気概が伝わってきた。
その後は、向井&岩本のギター伴奏で「失いたくないから」をしっとりと歌い継ぐ。曲の要所要所からグループに対する強い愛情と、先輩から受け継いだ乃木坂46の歴史を自分たちなりの解釈で表現しようとする前向きさが伝わり、改めて加入から約7年という歴史の重みが感じられた。
続いて披露する楽曲では、翌日にグループを卒業する秋元真夏へ贈るナンバーであることが明かされる。秋元に憧れグループへ加入した吉田は「本当に優しくて、真夏さんの笑顔を見るとパーっと(明るく)なるから、(今は)寂しくて」と本音を明かしつつ、「別れ際、もっと好きになる」という楽曲に思いをたっぷり込めて披露。さらに、秋元の今後が明るいものであるようにと、「錆びたコンパス」を力強く歌唱してエールを届けた。
ライブ中盤では、2016年末に行われた「3期生お見立て会」を振り返る映像が流れる中、その「お見立て会」で披露された3曲を、当時の映像を背にパフォーマンス。「命は美しい」では卒業した大園桃子に代わり、向井が堂々とした歌とダンスでこの曲を表現し、「裸足でSummer」では与田が、「ガールズルール」では山下が中心に立ち、11人それぞれが逞しく成長した姿を存分にアピールした。
3期生の原点を振り返るパートに続いては、3期生が当時の先輩メンバーと一緒に初めて歌唱したオリジナル曲であり、初めて乃木坂46の一員になれたと実感できた大切な1曲「設定温度」を、11人で感情をたっぷり込めて歌い繋いでいく。続いて、メンバー1人ひとりがこの約7年間を振り返りながら感謝を伝え、ここからグループを守り続けていこうとする強い決意を表明。そんな11人の覚悟が伝わるメッセージのあとには、1人ひとりの個性が強く現れたソロダンスが披露され、会場の熱量が再び上昇していく。
その流れから「世界で一番 孤独なLover」「欲望のリインカーネーション」とダンサブルな楽曲が立て続けに繰り出されると、「大人たちには指示されない」を筆頭に3期生楽曲を連発。「未来の答え」「毎日がBrand new day」とバラエティ豊かなナンバーで会場の多幸感を高めていくと、エンディングでの伊藤のキメ顔も見どころの「僕の衝動」で客席の熱量は沸点にまで到達する。そして、久保が5期生ライブ、4期生ライブを観たことでグループの未来が明るいはずだと感じたことを感極まりながら伝え、「どうか皆さん、私たちの手を叩く方へついてきてください」という力強いメッセージとともに「僕が手を叩く方へ」を披露。会場がクラップでひとつになり、感動的なクライマックスを迎えた。
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「そんなバカな・・・」から始まったアンコールでは、トロッコに乗ってスタンド席を移動するメンバーやアリーナ外周を走る回るメンバーが、再び会場のボルテージを上げていく。その盛り上がりは「転がった鐘を鳴らせ!」へと引き継がれ、オーディエンスの声援やコールによってライブが放つ熱量はピークへと達した。
3期生ライブもいよいよエンディングへ。梅澤の「最後の曲は、私たちがすごく大切に歌ってきた曲です」というメッセージとともに「思い出ファースト」を披露されると、曲中ではメンバーへのサプライズでファンから募ったメッセージがスクリーンに映し出され、感動と感謝を露わにする。そんな“最高の思い出”を共有できた11人は、最後の最後に予定外の「三番目の風」を観客にプレゼントして3日にわたる期別ライブを大成功のうちに締めくくり、翌日に控えた「秋元真夏卒業コンサート」へとバトンを見事に繋いで見せた。
(文/西廣智一)