2023.06.23 公開
【ライブレポート】アンジュルム・竹内朱莉がアイドル人生に終止符!2代目リーダーの大役を全う

「ANGERME CONCERT 2023 BIG LOVE 竹内朱莉 FINAL LIVE アンジュルムより愛をこめて」ライブの様子(※提供写真)  画像 1/12

今年で25周年を迎えるハロー!プロジェクトに所属するアンジュルムが、6月21日に神奈川・横浜アリーナで『ANGERME CONCERT 2023 BIG LOVE 竹内朱FINALLIVE「アンジュルムより愛をこめて」』を開催した。

今回グループ初となる横浜アリーナでの単独公演をもって、2代目リーダーとしてアンジュルムを牽引した竹内朱莉がグループ及びハロー!プロジェクトを卒業。ライブはタイトル通り大きな愛に包まれた内容で、メンバーの念願でもあった単独でのアリーナ公演という夢を叶えた瞬間でもあった。    
ソールドアウトとなった今回のメモリアル公演には約1万2000人のファンが来場したほか、CSテレ朝チャンネル1での生中継及び、全国47都道府県と台湾・香港の映画館にてライブビューイングも実施(計83スクリーン約1万4000人動員)。全18公演で展開されたツアーのラスト、そしてグループを卒業する竹内を贈るのに相応しいフィナーレとなった。

開演前から竹内のメンバーカラーである青一色に染まった会場。ステージ上には紗幕がセッティングされ、ライブは最新アルバムに収録されている『ぶっ壊したい』というエネルギッシュな楽曲ですタートする。曲に合わせて紗幕に映像が映し出される特別な演出で、2曲目の『出すぎた杭は打たれない』がはじまると紗幕が下り、竹内のメンバーカラーである青色を取り入れた衣装を着たメンバーが姿を現す。               
ここからは『マナーモード』『人生、すなわちパンタ・レイ』とアップチューンな楽曲を続けて披露していく。MCの冒頭で竹内は「横浜アリーナにお集まりの皆さん、ようこそ!アンジュルムです」と挨拶すると、「卒業の実感がないんですよ」と素直な気持ちを吐露。そして「今日は(チケット)完売だ!最強アンジュルムをお見せしたい!」と意気込みを語り、再びライブのターンへ。

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ここからは、アンジュルムのライブ定番曲のオンパレード。『赤いイヤホン』『愛されルート A or B?』『次々続々』『悔しいわ』『ドンデンガエシ』とたたみかける。中でも、『次々続々』の間奏で魅せる竹内のソロダンス後のファンによる「た〜け!」の定番コールは、これまでにない大声援。ファンの声を聞くためにイヤモニを外した竹内は、この声援に思わず笑顔。この瞬間は、心に響くシーンとなった。  
            
一度メンバーがはけるとステージ上のスクリーンには、卒業公演の場所を告知した映像やスマイレージオーディション時の映像など、竹内の歴史を振り返るメモリアルVTRが流れ出す。
始まったばかりのライブだが、すでに最高潮ともいえる一体感が横浜アリーナを包む。ただ、天井知らずが今のアンジュルムの強みの一つだ。勢いは止まることを知らず、さらにライブはヒートアップしていく。このターンの一曲目は会場のファンをメンバーが煽りまくる『私、ちょいとカワイイ裏番長』でスタート。  
               
竹内がリーダーとなってから加入したメンバー5人(橋迫鈴、川名凜、為永幸音、松本わかな、平山遊季)が会場を煽ると、メンバーとファンの「ちょいカワ!」のコール&レスポンスの応酬へ。その後、『ミステリーナイト!』を挟み、メンバーは横浜アリーナ公演のために用意された新衣装で登場。ここから、竹内がスマイレージの2期メンバーとして活動していた、スマイレージ時代の楽曲を抜粋したメドレーへ突入する。

メドレーのはじまりは、竹内のソロによる『タチアガール』。同曲は竹内がサブメンバーとしてスマイレージの楽曲に初参加し、発売記念イベントで当時のプロデューサーであったつんく♂から正式メンバーに昇格することが発表された思い出の楽曲だ。彼女のアイドル人生のはじまりを告げる楽曲でメドレーはスタートし、その後は竹内とシャッフルメンバーによる『ええか!?』『ねぇ 先輩』 『エイティーン エモーション』『「良い奴」』『プリーズ ミニスカ ポストウーマン!』とパフォーマンス。 
        
メドレーの最後は、ファンがメンバーの名前と『スキちゃん』を合わせたコールが印象的な『スキちゃん』。「たけちゃんがスキちゃん!」「みんながスキちゃん!」とメンバーとファンが一緒になって歌い上げていた。                      
スマイレージ時代の楽曲を知る竹内のラストツアーということもあり、竹内自身も春ツアーのMCで「歌い継いでいってほしい」という思いがあると語っていた。メンバーだけでなくファンにとっても大切なメドレーとなったことだろう。
メドレーの後は、アンジュルムの卒後公演では欠かせない楽曲『交差点』。毎回、歌唱中にメンバーの涙腺を崩壊させる同曲で、毎度涙を流してしまうのがリーダーの竹内。しかし今回は竹内が涙ながらに歌うメンバーを優しく見つめ、時に励ます姿が印象的だった。しかし、ラストでメンバーが竹内を囲うように歌い出すと、彼女の目にも光るものが流れていた。
卒業ムードはさらに続く。竹内をデビュー時から見守ってきたつんく♂提供による最新シングル『同窓生』を披露。同曲は竹内のラストシングルということで、「スマイレージ時代からお世話になっているつんく♂さんに最後はお願いしたいという気持ちがあった」という思い入れの強い楽曲だ。パフォーマンス中はメンバーが風船を持って花道を外周。その後MCで竹内は「泣けたねー。交差点やばいわ」と懐古。今回はリハーサルでも泣かずにいたそうで、このMCでも「私、泣きませんでした!」と言う予定だったという。しかし、いつも通り涙を流してしまった結果に「ちゃんと泣いたよね(笑)」と竹内は笑顔を見せていた。

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ライブはいよいよ後半戦へ。最新シングル『アイノケダモノ』でスタートし、『Survive〜生きてく為に夢を見んだ』を歌い、ラストスパートは『46億年LOVE』『愛すべきべきHuman Life』『大器晩成』と、アンジュルムのライブのトリを飾ってきた定番曲のオンパレード。竹内が前日のブログに記していた「今の10人の集大成の最強アンジュルムをお見せするので皆さん覚悟して来てくださいね!!!」という言葉通りの内容で本編は終了した。                                     
アンコールでは会場が竹内のメンバーカラーである青色に染まり、「たけちゃん!」コールが巻き起こる。このファンからの声援に応えるように、赤と青のチェック柄のドレスを着た竹内が登場。この衣装は竹内本人のリクエストによりスマイレージ時代のメンバーカラーの赤色と、アンジュルムのメンバーカラーの青色を組み合わせたデザインだ。

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竹内はソロで、グループの大ファンを公言しているシンガーソングライター、堂島孝平が手がけた竹内の卒業ソング『行かなくちゃ』を初披露。堂島が「竹内さんを通して、新しい一歩を踏み出す人にもちゃんと響くものにしたい」という思いを込めたという歌詞を竹内が一つ一つ丁寧に歌いあげていく。

そして竹内は、ファン、スタッフ、メンバーに向けて感謝のメッセージを語る。
「アイドル人生の最後、こんなに素敵な景色を見せてくれありがとうございます。こんなに長い間やっていると思わなかったので、私が一番びっくりしています。どんな時でも暑苦しいくらいの応援、大きすぎる愛を皆さんからいただいたから、今日まで駆け抜けて来ることができました。アンジュルムとしてステージに立っている時が、一番自分が輝いていると思うし、そんな自分が一番好きでした。私をアイドルにしてくれて本当にありがとうございました」と時折り涙をこらえながら、感謝のメッセージを贈る。

竹内は、かわいい後輩たちにも言葉をかける。「加入したときは不安そうにステージに立っていたこともあったのに、気づいたら、こんなにカッコよくて、かわいくて、頼もしい存在になっていました。だから、私はこれからのアンジュルムがとっても楽しみです!みんなの信じた道を突き進んで、新しい形を作り上げて欲しい。いろんな壁もみんなでぶっ壊して、最強アンジュルムをこれからも更新してください!」とエール。
そして、自身の卒業後にも言及。「これから書道で世界を目指します。不安がないと言ったら嘘ですが、すごくワクワクしています。竹内最強だなって思ってもらえるように頑張るので、頭の片隅に存在を置いておいてくれたら嬉しい」と語り、「私、これからも歌います!踊ります!またステージに戻ってきます!」 と、歌って踊れる書道家宣言をしていた。

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その後、竹内以外のメンバーも登場し、再び10人でパフォーマンス。全員で竹内の門出を祝うかのように『旅立ちの春が来た』を歌い、最後はメンバーから感謝の言葉と、ライブの感想が語られた。
「竹内さんは、嬉しい言葉をたくさんかけてくれた。信頼してもらえて、大好きでいてくれて嬉しかった」(平山遊季)
「加入してから、竹内さんの優しさとか愛に救われた。竹内さんがリーダーだから頑張ろうと思えた」(松本わかな)
「とっても幸せな空間になったと思います。竹内さんから愛をたくさんいただきました。私の個性も竹内さんのおかげで見つかりました」(為永幸音)
「竹内さんはいつでも笑顔。最後の最後まで笑顔にしてくれる竹内さんがカッコいい」(川名凜)
「竹内さんがリーダーになって初めての新メンバーとして入った。不安とかあったと思うけど、そんな時でも私を気にかけてくれた」(橋迫鈴)
「竹内さんは昔から変わらずにお姉ちゃんのような存在でいてくれた。このグループを大きくしていきたいし、大きくするだけじゃなく、愛情深いグループをこれからも大事にしていきたい」(伊勢鈴蘭)
「竹内さんはメンバーのことを守ってくれたり、心を温めてくれるヒーローみたいな存在。私のアンジュルムの思い出には竹内さんの笑い声が響いていた。これから先のアンジュルムも、もっと最高なグループになるように楽しんでいきたい」(川村文乃)
「横浜アリーナ公演はアンジュルムに加入してからの夢。大好きなメンバーと一緒に立てて幸せだった。竹内さんの明るさに何度も救われてきた。今のアンジュルムのあったかいグループの雰囲気を完成させてくれたのは竹内さん。それはこれからもなくしたくない。竹内さんからもらってきたものは守って、新しいアンジュルムにしていきたい」(上國料萌衣)
「竹さんのリーダー、まじ最高でした! 私もアンジュルムを引っ張っていけるように、竹さんが残してくれたものを大事に育てていきたい」(佐々木莉佳子)
ラストを飾る竹内は「最高でしたー!」と大絶叫。そして「アンジュルムが横浜アリーナに立てるなんて思ってなかった。ライブハウスが埋まらなかったりすることもあったから、横浜アリーナを目指すなんて口が裂けても言えなかった。信じられないです、この光景。感謝の気持ちでいっぱいです。これからもっとアンジュルムはすごいところに行くと思っている。みんなでもっと大きいところを目指していきましょう!本当に12年間、幸せな時間をありがとうございました!」(竹内朱莉


ラストは『夏将軍』と、『友よ』をパフォーマンス。竹内の卒業、そして2人の新メンバーの加入と、3代目リーダーとなる上國料萌衣とともに新時代へと突き進むアンジュルム。自分たちの背中を押すように、そして竹内の未来が輝かしいものになるようにというメンバー同士の愛や絆が感じられるラストとなった。竹内は2011年スマイレージ(2014年グループ名をアンジュルムに改名)の2期メンバーとしてグループに加入。2015年に同期の中西香菜とともに初代サブリーダーとなり、2019年に初代リーダーの和田彩花の卒業をもってグループの2代目リーダーに就任した。

リーダー就任後は、同期や後輩が立て続けに卒業するなど、苦難な時代も経験。しかし、「ここ1、2年、私のことを(周りが)持ち上げ過ぎ。神みたいな扱いを受けている。恐怖すら覚えている」と冗談まじりにイベントで語っていたように、グループとして初のオリコンウィークリーチャート1位を獲得するなど、2代目リーダーの大役を全う。アンジュルムを次のステージへと飛躍させ、自身の卒業公演としてグループ初のアリーナコンサートも実現した。
2008年に6月22日にハロプロエッグに加入した竹内。加入してちょうど15年目にあたる2023年6月21日にグループを卒業し、書道で世界を目指すという新たに夢へ向かっていく。

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