先日メジャーデビュー7周年を迎えた、ハロー!プロジェクトに所属する
つばきファクトリーが、3月10日に市川市文化会館で7周年記念ライブを行った
(メジャーデビューは2017年2月22日/結成は2015年4月29日)。
「つばきファクトリーメジャーデビュー7周年記念ライブ『ReALIZE』」と
冠された今回のライブ。昨年開催された6周年記念ライブで好評だった
バンドスタイルが今年も採用され、生バンドを引っさげた演出が
1日だけの記念ライブにふさわしい雰囲気を作り上げてくれていた。
つばきファクトリー(※提供画像) 画像 2/10 つばきファクトリー(※提供画像) 画像 3/10
セットリストは2月21日に発売されたばかりの最新アルバム
『3rd -Moment-』に収録されている楽曲が中心で、
昨年末の日本武道館公演で披露した『アタシリズム』でライブはスタートする。
ロックテイストの衣装を着たメンバーが一人ずつステージに登場すると、
会場のボルテージは一気に上昇。春ツアーを以って卒業を発表している、
リーダーの新沼希空のメンバーカラーである
ライトブルーを取り入れたような衣装の色も印象的だった。
その勢いのまま『三回目のデート神話』『妄想だけならフリーダム』といった、
グループきってのアップテンポな曲を生バンドの演奏をバックに披露していく。
いつも以上に攻めの姿勢が垣間見え、カッコいいロックアイドルグループの装いとなっていた。
続いて披露されたのは『スキップ・スキップ・スキップ』『弱さじゃないよ、恋は』。
つばきファクトリーらしい爽やかなポップスにはキーボードを中心とした
生演奏が加わり、いつもより奥行きのある世界観が広がっていく。
つばきファクトリー(※提供画像) 画像 4/10 つばきファクトリー(※提供画像) 画像 5/10
最初のMCで小野瑞歩が「今年もきたぜ!7周年のお祭りだー!」と挨拶すると、
会場からは大きな拍手や歓声が巻き起こる。公演名の『ReALIZE』にかけ、
『自分のここに気づいて欲しい』、『このライブで実現させたいこと』という
テーマの一言とともにメンバーが自己紹介をしていく。
「今日はみなさんの目線をロックオンします!」(豫風瑠乃)、
「新しい魅力に気づいてください」(福田真琳)、
「前髪を切って新たな気持ちで臨みます!」(八木栞)、
「一番熱く頑張ります!」(河西結心)、
「愛と感謝の気持ちをパフォーマンスで届けたい」(秋山眞緒)、
「かっこかわいく頑張ります!」(小野田紗栞)
「最高のお祭りにしましょう!」(小野瑞歩)、
「今日は最高の思い出を作りましょう!」(谷本安美)、
「今日はロックに、7周年のお祭りを楽しみたい」(新沼希空)と挨拶。
MC終了後は『でも…いいよ』『間違いじゃない 泣いたりしない』『雪のプラネタリウム』
『光のカーテン』の4曲を、バンド演奏ならではのアコースティックVer.で披露。
谷本の「つばきファクトリーの楽曲の世界を、より深くお楽しみ下さい」という言葉通り、
いつもとは違った世界観に惹き込まれ、その楽曲の持つ新しい魅力に気付いてく。
まさに公演名の『Realize』を実感するターンだ。
いつもと違うバンド演奏という付加価値はもちろんだが、これもメンバーたちが
充分な歌唱力と表現力を備えているからこそ、魅せられるパフォーマンスなのだろう。
最後の『光のカーテン』では、1番を新沼がソロでパーフォーマンスし、
2番からは各メンバーが順番に登場。ラストは新沼を囲むようにメンバーが円を作りあげ、
卒業を控えている新沼を送り出すような演出となっていた。
アコースティックVer.の演出を終えたメンバーは「緊張した」と口を揃え、
率直な思いを吐露する。しかし、その表情は安堵だけでなく、どこか達成感に満ちていた。
ここから7周年記念ライブらしく、メジャーデビュー当時を振り返るトークがスタート。
秋山は全国各地を巡ったライブハウスツアーが思い出深いと懐古。
ライブハウスツアーを経験したことのないメンバーが
「やってみたい!47都道府県行きたい!」と声を上げると、会場のファンからは大歓声が起こる。
また、バンド演奏でライブができることに感謝しつつ、
八木は「欲を言っちゃうとオーケストラともやってみたい!」とさらなる野望も告白。
これに乗っかる形で、福田も「つばきのメンバーが楽器演奏を披露するのも面白いかも」と笑顔
を見せていた。
リーダーの新沼が「今日はメジャーデビュー記念ライブではありますが、
インディーズ時代から歌い続けている大切な曲もたくさんあります。
続いては、インディーズ時代のこちらの曲をお送ります」とコメント。
懐かしい雰囲気に包まれたなか、『私がオバさんになっても』
『17才』『キャベツ白書~春編~』といった、メジャーデビュー前にパフォーマンスをして
いた楽曲をメドレースタイルで披露していく。初期メンバーである新沼と谷本の歌い出しで
メドレーが始まる演出は、結成当初から応援しているファンにとっては、メジャーデビュ
ーまでの⾧い道のりを思い出さずにはいられない時間となったことだろう。
その後はバンドメンバーの紹介を経て、ライブ後半戦へ。
『涙のヒロイン降板劇』『七分咲きのつづき』を歌い上げ、豫風が
「盛り上がる準備はいいですか~?」とファンに呼びかけ、
谷本が「タオルの準備いいですか!?」と煽ると『断捨 ISM』がスタート。
ドラムのフィルインをはじめとする、いつもと違ったイントロのアレンジを受け、
ファンも曲に合わせてタオルを回しだす。メンバーとバンド、ファンが一体となって
ライブを作り上げていく。そして、熱気そのままに
『可能性のコンチェルト』『マサユメ』『アドレナリン・ダメ』と、
つばきファクトリーのライブ定番曲を立て続けにパフォーマンス。
最後に『今夜だけ浮かれたかった』を歌い、本編は終了となった。
その後アンコールを経て、メンバーは再びステージ上へ。
先日、日本ホッケー協会公認 ホッケー日本代表応援ソングに決定した
『Power Flower ~今こそ一丸となれ~』を披露し、
メンバーがファンへ向けた感謝の気持ちとイベントの感想を述べていく。
豫風は
「私はやっぱり音楽が大好きだし、つばきファクトリーが大大大好きということ
に気付きました!」と語ると、
福田は「バンド演奏だからこそ、つばきファクトリーの楽曲の繊細さ、
表現の難しさに気が付けました」とコメント。
ハモりのパートに苦戦したという八木は、メンバーと居残りで練習したことを告白。
「(練習が)本当に楽しくて、改めてハモることの楽しさに気づけた」と、
3人は今回の公演で自身が『Realize』できたことを口にしていく。
ホッケージャパンリーグ「2024 シーズン ホッケーアンバサダー」や、
山梨県の地域ブランド向上を目指す「やまなし大使」としても活動している河西は
「つばきファクトリーをもっといろんな人に気づいてもらうことが8年目の目標です」ときっぱり。
「気づいてもらうことは、すごく大切。もっといろんな人に知ってもらって、
大きなステージに立って夢を叶えていきたい!」と、さらなる飛躍を誓っていた。
通称リトルキャメリアンの4人(河西・八木・福田・豫風)が思いを語ったあとは、
先輩メンバーがファンへの感謝を述べていく。
「好きでい続けることは簡単なことではないと思う。
でも、皆さんが私たちを好きでいてくださるからこそ、私たちはステージに立てています。
8年目も好きでいていただけるように頑張っていきたい」(秋山)。
メンバーが夢に出てきたという小野田は
「夢にまで見ちゃうくらい、私はつばきが大好き。
もっとたくさんの方に好きになってもらえるように、これからも頑張っていきたい!」と
話し、小野は「記念ライブをバンド形式でできたのは、皆さんが応援してくださったから。
まだまだ進化をしていきたいので、これからも応援をよろしくお願いします」とコメント。
イヤモニをしていてもファンの声が聞こえていたという谷本は
「皆さんと一緒にライブを作れる空間が素敵だなと思いました」と語れば、
新沼は「本当にすごい方たち。そんな方に演奏してもらえたので、一曲一曲噛みしめました」と
バンドメンバーに感謝を述べる。
メンバー一人一人の挨拶に、会場は温かい拍手に包まれていた。
挨拶後は最新アルバムに収録されている『Stay free & Stay tuned』を初披露。
ラストは『最上級 Story』を歌いあげてライブは終了した。
2月21日に3枚目のアルバム『3rd -Moment-』を発売した勢いそのままに、
つばきファクトリーの力強さや可憐さが凝縮されたライブとなった。
昨年はリーダーの山岸理子をはじめ、パフォーマンス面でグループを牽引していた、
浅倉樹々と岸本ゆめのが卒業するなど、グループとしての転換期を迎えたつばきファクトリー。
今年の2月には新メンバーの石井泉羽(いしいみはね)、村田結生(むらたゆう)、
土居楓奏(どいふうか)も加入し、新しいフェーズへと向かっている。
この3人の新メンバーを加えた新体制でのツアー
「つばきファクトリー コンサートツアー2024 春 C'mon Everybody!」が、
5月3日の「ハーモニーホール座間 大ホール」(神奈川)公演を皮切りにスタートする。
卒業を発表しているリーダーの新沼にとっては、ラストの参加ツアーだ。
この春ツアーでも、さまざまな『Realize』があることだろう。
そんなことを期待せずにはいられない魅力と勢い、
そして彼女たちの持つポテンシャルに気づかされた7周年ライブとなった。
外ではツバキ(椿)の花が咲き誇る季節。市川市文化会館では、
それぞれ違う魅力を持った9つのつばきの花が7周年をお祝いするかのように満開となっていた。