SKE48の27thシングル『恋落ちフラグ』が2月3日(水)にリリースされた。
本作は1期生として結成当初からグループを牽引してきた松井珠理奈の卒業シングルであり、SKE48初の全員参加のシングルでもある。かつてない試みの本作についてSKE48の現在を引っ張る浅井裕華、野島樺乃、菅原茉椰の7D2メンバーと、グループの未来の鍵を握る青海ひな乃、林美澪の5名にインタビューを行い、それぞれの視点からグループの今後の方向性について聞いた。
————『恋落ちフラグ』リリースおめでとうございます!今作は「全員参加」ということで、まずはみなさんがMVのどこに出演しているのか、見どころと一緒に教えてください。
菅原茉椰(以下、菅原):私は元気チームだったんですけど、金城ふ頭の駐車場で撮影させていただきました。青空の下で名古屋の景色を一望できる場所で撮影できたので、SKE48らしさが溢れてるんじゃないかなって思います。私が着てた衣装は、初めて紅白歌合戦で披露した『パレオはエメラルド』のときのもので、当時を知ってくださってる方は胸アツだと思います。
野島樺乃(以下、野島):私はクールチームで、撮影場所は同じく金城ふ頭でした。撮影は立体駐車場の中で、雰囲気はチームSの『DIRTY』という曲に似てる感じがしました。衣装は『JYURI-JYURI BABY』のもので、元気チームや可愛いチームとは真逆の雰囲気になっていて面白いです。あと、私はアイドルなんですけど、笑顔で「キャピ!」とか「ハート!」とか作るのが苦手で(笑)。ワンシーンなら大丈夫なんですけど、ずっと保つことが苦手なんです。でもクールチームは笑顔禁止、歯を見せないという指摘もあったので、個人的にはすごく向いていてありがたかったです。
青海ひな乃(以下、青海):私は野島さんと一緒でクールチームでした。笑顔よりも雰囲気を出す方が得意なので、選んでいただけて嬉しいです。振り付けもチームごとに全然違って、私たちのチームはダンスがキレッキレですごくカッコいいんです。ターンして一瞬で止まるところとか何回も合わせましたし、目力で勝負しているので注目してください!
林美澪(以下、林):私は可愛いチームでナゴヤドーム(現バンデリンドーム ナゴヤ)で撮りました。衣装は2010年の初コンサートツアー『汗の量はハンパじゃない』のときのもので、色がたくさんある中でグリーンの衣装だったんです。私の中で自分にグリーンのイメージがなくて、てっきり水色の衣装なのかなって思っていたので、新鮮な気持ちで衣装を着られました。
浅井裕華(以下、浅井):私も美澪ちゃんと同じ可愛いチームでした。ジャケットの撮影はみんなと同じ金城ふ頭で行いました。撮影では振付をしてくれたs**t kingzのshojiさんが「とびっきり可愛く!」って笑顔になれるぐらい盛り上げてくださって、みんなの可愛さがぎゅっと詰め込まれているので、メンバーの可愛さを存分に楽しんでほしいです。
————今回のMVではパッと見の華やかさと、SKE48を知っていれば知っているほど唸る箇所もたくさんあると思います。メンバー目線で見たエモポイントなどはありますか?
野島:曲の間奏で色の付いたスカーフを持って68人みんなでダンスするシーンがあるんですけど、あれは「紅白歌合戦」で『パレオはエメラルド』の振り付けに取り入れた「大カノン」が由来です。私は紅白に出ていないし、むしろテレビで観ている側だったので、SKE48の一員になってできることがエモいなって思いました。
青海:本当は何も持たずに手だけでやる予定だったんですよ。でも、珠理奈さんがスカーフを持つ案を出してくれて「大カノン」になりました。
菅原:振り付けも「紅白で見せたダンスと似てる」って先輩たちが言ってましたね。そういうところも照らし合わせて観てもらえるといいなって思います。
「ナゴヤドーム(現バンテリンドーム ナゴヤ)はすごく大切で思い出がある場所」
————ナゴドで紅白の感動が蘇るとか涙ものですね。では、今作は珠理奈さんの卒業シングルでもあります。MV現場の珠理奈さんはどんな印象でしたか?
菅原:そうですね、何かを指示するよりもメンバーたちに気を遣ってくれて、みんなの緊張がほぐれるように、笑顔になれることをたくさん言ってくれていたのが印象的でした。
浅井:珠理奈さんの性格もあると思うんですけど、楽しい事が一番という感じなので、「みんな笑っていこう!」ってMVでも最後まで盛り上がって撮影を終えました。振り返ると珠理奈さんがずっと笑顔で、楽しそうで、私たちも本当に楽しい思い出しかありません。言葉で言わなくても行動で伝えてくださったのが、珠理奈さんらしいなって思いました。
————青海さんと林さんは表題曲初参加となり、表題曲のMVは初めての経験だったと思いますがいかがでしたか?
青海:ドローンやクレーンを使って撮影していたので、表題曲ってこんなに大掛かりなんだなって、改めてすごいなって感じましたね。人数が多いっていうのもあるんですけど、ナゴヤドームでやれたことや、自分はすごいことをやっているんだなって、緊張と不安がありました。でも、それ以上に楽しい撮影でした。
林:私は先輩と振り入れをしたことが今までほとんどなくて。私たち10期生は一度も先輩と劇場公演に出たことがないので、先輩と一緒に振り入れをするときめちゃめちゃ緊張しましたし、付いていけるか不安だったんです。だけど、周りの先輩方がたくさん教えてくださって、徐々に自信が持てるようになりました。優しい先輩たちに助けていただきました。
————今のSKE48でナゴヤドームに立つことは意味もある事だったと思いますが、実際気持ちの面で変化はありましたか?
浅井:私はSKE48が初めて立ったナゴヤドームのコンサートを客席で見ていたんです。あの頃はまだ小学生だったんですけど、幕が上がるまではライブを見るんだって他人事のような感じだったんですけど、始まった瞬間にステージに惹き込まれて「SKE48になりたい!」と思って、そこからオーディションを受けたんです。
ナゴヤドームはSKE48にとっても私にとってもすごく大切で思い出がある場所なので、今のSKE48で立ってMVを撮れたことは、SKE48の歴史として残ったことが嬉しいし、そこに自分がいるっていうのは嬉しかったです。
菅原:アイドルとしてナゴヤドームで踊れたことは嬉しかったです。今回はMVだったんですけど、もしかしたらライブでも立てるんじゃないかなって気持ちにもなりました。MVを撮ってもう一度ナゴヤドームに立ちたいという気持ちはみんなの中に芽生えたと思います。
————ナゴヤドームでのコンサート開催も10周年以降は表立って聞こえてこなくなった印象があります。9期生以降のメンバーにとってもナゴヤドームは“特別な場所”ですか?
青海:私にとっては、昨年3月に横浜アリーナで開催予定だったコンサートが中止になってしまって、まだ誰もが一度は目指すような場所に立ったことがないんです。ナゴヤドームのコンサートの様子はテレビや写真で見たことがあって、あのオレンジ一色に染まった光景はステージから見るとまた違うと思うんですよ。エコパアリーナのステージに立った時に、目の前に広がったサイリウムの光がすごく綺麗だったんです!アイドルだからこそ見られる景色だから、もっと立ちたいなって思いましたし、会場が大きくなったらもっともっと綺麗になるんじゃないかなって思うので、ナゴヤドームは目指したいです。
「SKE48をもっともっと引っ張っていけるような存在に」
————ありがとうございます。では、青海さんや林さんも参加するユニット「Black Pearl」について伺いたいです。珠理奈さんがプロデュースに携わっているということですが、メンバーに選ばれていかがですか?
青海:まず最初に会議があったんですよ。その時に「一番辛かったこと」とか色々質問されたんです。それを聞いて珠理奈さんが歌詞を書いてくださって、衣装も髪型もメイクもプロデュースしてくれました。
MVの撮影中も裏で珠理奈さんが監督の横で映像をチェックしているんですよ。まるで監督みたいでした!近くでいろんなアドバイスもくださって、各々の個性を活かしつつ違う形でカッコいいMVに仕上げてくださいました。選ばれたことには理由もあると思うので、これから珠理奈さんがいなくなってしまうSKE48を、もっともっと引っ張っていけるような存在にならなきゃなって改めて感じました。
————どんなアドバイスを頂いたんですか?
青海:自分の見せ方や雰囲気の出し方ですね。今までMVをほとんど撮ったことがなかったので、カッコいい系は自分でも得意な方じゃないかと思ってたんですけど、また違って。目線の角度とか細かく教えてくださって、気をつけることで映りが良くなるとか、顔のラインの見え方とか、計算してやってるんだって。
自然にそうなっていると思っていたので、そこまで考えてやってるんだって初めて知りました。自分も鏡を見て研究して、自分の見せ方をもっと勉強していかなきゃって思いました。
————プロ精神を学んだんですね。林さんはいかがでしたか?
林:私は選んでいただいたことがすごく嬉しかったんですけど、少人数でのMVもまた初めてだったので・・・。目立つじゃないですか、少人数って。手を抜けないなって・・・。あっ、いつも手を抜いてないですよ!(一同笑い)。いつもよりもかしこまって緊張してしまったんですけど、その時に珠理奈さんが「リラックスしてやる方が間違いないよ」って教えてくださって、落ち着いて頑張ろうと思ったらできました!
あと、ソロシーンでも表情と角度と見せ方とか、目線外しのような表情の作り方が珠理奈さんすごくて、真似しようと思って頑張ったんですけど、珠理奈さんに的確なアドバイスを頂けて良かったです。
————「SHOWROOM」の配信中にもアドバイスをもらったそうですね。
林:そうなんです。もともとヒップホップのダンスをしていて、アイドルのダンスをやったことがなかったんです。
アイドルのダンスって綺麗な踊り方なんですけど、ヒップホップってはっちゃけているイメージなので、綺麗に踊るのがすごく難しかったんですよ。その時に珠理奈さんが「指先まで意識するようにやるともっと綺麗なダンスに見えるよ」って教えてくださり、そこから綺麗に踊ることを意識するようになりました。
「老若男女に愛されるグループに」
————では、今後のSKE48を引っ張っていく世代として、やりたい事とか改革案とか各々あると思うのですが、いかがでしょうか?
浅井:私は若手が先頭を切っていくなら、若手メンバーだけのコンサートがしたいです。別のグループがやっていたのを見たことがあって、すごく羨ましいなって思ったので。7D2も「愛フェス」っていうイベントに出させていただいて、その時にファンの方がめちゃめちゃ喜んでくださって。
あの頃はメンバーがたくさんいたんですけど、まだ勢いは落ちてないので7D2含め、若手全体でやっていきたいしです。ファンの方もきっと待っててくれてると思うし、期待に応えるのがアイドルだと思うのでやりたいです。
菅原:これから珠理奈さんも卒業されていなくなってしまうということで、皆さんの中にはSKE48=松井珠理奈のイメージも強いと思うんですけど、今回「Black Pearl」のメンバーに選ばれた後輩たちには注目してほしいですね。
あとは、SKE48って流行に乗るのが遅いかもって思うことがあるんです。メンバーの方が流行には敏感なので、メンバーがこれをやりたいと希望したら、スタッフの方々に背中を押していただきたいなって思います。ちなみに菅原は宮城の仕事がしたいです。ずっと言ってるんですけど、地元に帰るタイミングもあまりなく、アピールすることができていないので・・・。宮城の仕事をぜひ!
野島:メンバーの個々のフォロワー数を上げたいなって思ってます。やっぱりSNSの時代だし、私たちはSKE48に属しているけど、世の中にはインフルエンサーのような可愛い子たちがいて、自分たちよりもめちゃめちゃフォロワーが多いんですよ。
アイドルという影響を与えられるお仕事をさせてもらっている中で、自分たちもSNSを通じて伝えられるものはあるんじゃないかなって思います。一人の女の子でもあるので、美容とかファッションとか、男性のファンの方もいるから老若男女にSNSを通して愛される、見ていて面白いなって思ってもらえるようにグループになりたいです。正解のない難しいことだと思いますが、今後の力になると思うので目標にしていきたいですね。
————やっぱり十代の主流はInstagramですか?
野島:InstagramとTikTokですね。お仕事させていただくときも、まずフォロワーが何人いるのか聞かれることが多いんです。どれだけ自分が周りと比べて秀でているのか、影響力があるのかを知ることは大事だと思うので。
本当にSKE48って可愛い子たちがいっぱいいるし、68人もいたら性格も持っている個性も違うので、そういった面を上手に発信していきたいなって思います。
青海:男性のファンの方がSKE48は多いと思うんですけど、女性のファンの方ももっと増やしていきたいです。女の子って流行りに乗るのも早いし、広めるのもすごく上手だと思うので、女性のファンの方を増やしてもっともっといろんなところに広めていただきたいです。SNSもそうですけど、ファッション誌とか十代の子は見る機会も多いと思うので、野島さんとかめちゃめちゃ細いですから、雑誌などに載ると注目されると思うんですよね。スタイルがいい方々がSKE48にはたくさんいますから!
林:私はもっと大好きな先輩と関われる機会がほしいです。10期生はまだ先輩と一緒になることが少ないので、ちょっとでも先輩と一緒にできるお仕事をしたいです。公演は8人なので難しいと思いますが、他のお仕事では可能性もあるのかなって思ってます。あとTikTokもやりたいです!
菅原:やるなら個人のアカウントを作ってやった方がいいよ。アイドルの名前があるだけでもスクロールされると思うんですよね。10期生の子がやるならぜひ個人名で!
左から菅原茉椰、浅井裕華、青海ひな乃、野島樺乃、林美澪(C)WWSチャンネル編集部 画像 12/12
————それでは最後に、珠理奈さんから後輩メンバーへ「チャレンジし続ける、進化し続けるSKE48であってほしい」という言葉を頂いているのですが、それに対するアンサーをぜひ頂きたいです。
菅原:みんな何事にもやる気があって、あれをやりたい、これをやりたいという意見をたくさん聞くので、それをいかに実行できるかが問題だと思っています。気持ちだけじゃなくて、言葉ではなく行動で表していけたらいいなと思います。
珠理奈さんがいなくなるという不安もありますが、それを無くせるぐらいにSKE48の名前が世間に広がっていくようにみんなで頑張っていきます!