乃木坂46の寺田蘭世の1st写真集「なぜ、忘れられないんだろう?」(集英社クリエティブ)が11月9日に発売された。本作は「『大切な人』との旅」をテーマに国内4箇所を巡り、ピュアな素顔から大人びた表情まで寺田の魅力が凝縮された一冊に仕上がっている。
今回のインタビューでは写真集の見どころはもちろん、撮影中のエピソードや初めての一人旅について、さらに乃木坂46卒業後の活動についても伺った。
■寺田蘭世インタビュー
【22歳の等身大の自分を残せて嬉しい】
————1st写真集「なぜ、忘れられないんだろう?」が発売されます。現在の心境はいかがですか?
寺田蘭世(以下、寺田):本当に不思議な気持ちです。自分自身がすごくアイドルが好きで、秋元康先生が手がけられているアイドルの写真集を買っていた側だったで。それに秋元先生にタイトルも決めていただいて、こうして(写真集として)形になっていることが不思議で不思議でたまらないです。
————もともとAKB48の握手会に通われていたんですよね?
寺田:そうです! 渡辺麻友さんが本当に好きだったので、写真集を5冊ぐらい買ってたファンだったので、自分がそちら側になってるのに驚きです。やっぱり写真集を出せることって当たり前ではないじゃないですか。全員ができることではないので、すごくありがたい気持ちと不思議といろんな気持ちでいっぱいです。
————今作のタイトルや帯に寄せられた秋元康先生のコメントについてはいかがですか?
寺田:毎回自分にいただくセンター楽曲は強い女性像が描かれた曲が多かったので、今回のタイトルだったり帯のコメントを見て、先生は私のことをそういう風に見てくれているのかなという感じがして、すごく統一感もあるし嬉しいです。帯のコメントも自分の気持ちを代弁してくれているようで、分かってくださってる感じがしてすごく嬉しかったです。
————写真集のコンセプトが未来の視点から過去の寺田さんを振り返る、というイメージがあるのですが、時間を置くことで見方が変わる作品になっているのでしょうか?
寺田:自分自身も写真集に不安もあったし、いろいろと複雑な心境もあったんですけど、一番やりたいと思ったことはファンの方たちへの恩返しと、自分自身がおばあちゃんになったときに、22歳の自分はこんなことをしていたんだ、変わらないもの、変わるものがあると、変化を感じたいと思ったので。贅沢な話ではあるのですが、22歳の等身大の自分を残せて嬉しいです。
【思い入れよりも行きたい場所に行った】
————今作では鳥取、神戸、淡路島、鳴門と4箇所を巡られていますが、思い入れがある場所なんですか?
寺田:撮影で鳥取砂丘と大塚国際美術館(徳島県鳴門市)に行ってきたんですけど、元々気になっていて旅行で行きたいと思っていた場所だったんです。雰囲気も統一されてて、国内だけど海外のような雰囲気で異国のような感じがして行けて嬉しかったです。写真集としてもいい場所だったんじゃないかなって思います。
————鳥取砂丘ではラクダに乗ってるシーンが印象的でした。
寺田:ラクダがいるって知らなくて、当日行ってびっくりしました。動物も結構好きなので乗せてもらいました。
————訪れた4箇所が全て西日本の地域なのは偶然ですか?
寺田:偶然ですね!(グループのみんなが写真集の撮影で)思い出のある地に行ったりするんですよ。自分の出身地だったり親の故郷だったり。でも私は東京出身なのでそういった場所がなくて、思い入れよりも行きたい場所に行ったという感じです。
————ポストカードも手元にずらりと並んでいますが、お気に入りの絵柄はありますか?
寺田:個人的にはこれ(移動中の車内で撮影された一枚)! スタッフさんにも良いって言ってもらったんですけど、ここまで素の感じのポストカードってないと思うんですよ。こんな風に向かいに座ってくれた人が撮ってくれたような写真ってそうそう無いと思うので、この距離感が私としてはすごくお気に入りです。
これも私服なんですけど。素の感じで、この絵柄はランダムで入っているので、ぜひって感じですね。
————なるほど。ちなみに寺田さんはプライベートでどこかへ出かけたり旅行はされるんですか?
寺田:全然しないです! でも宝塚がすごく好きで、高校生の頃から一人で新幹線に乗って兵庫の方にも行ってました。撮影でたまたまそちらの方面に行ったので、勝手にですがご縁を感じています。
————お一人でされた旅の内容について、詳しく伺ってもいいですか?
寺田:中学生からアイドルになったので電車に乗ることは慣れてはいたんですけど、新幹線に一人で乗るのは人生で初めてだったので、多少はドキドキしましたね。寝過ごしたらどうしよう? チケット合ってるかな? とか、そういう不安はありましたけど、無事着きました(笑)。
【写真集を持って巡ってほしい】
————写真集の衣装もご自身でプロデュースされていると伺いました。表紙もそれぞれ違った雰囲気ですがお気に入りの衣装はありますか?
寺田:衣装は私服だったり「こんな衣装が着たい!」とか、撮影するシチュエーションも「こんな雰囲気で撮りたい」と意見を伝えて自分で選ばせてもらいました。なので全部お気に入りです!
でも、通常版の表紙は撮ってるときから「表紙候補になりそうだね」ってカメラマンさんとお話しさせていただきながら撮りました。砂丘のど真ん中でメイク直しもしないで、風に吹かれながらの撮影だったので、こんなにいい瞬間があったとは自分でもびっくりしました。本当に大変だったんですよ。砂も舞っちゃうし。行くまで想像できなかったんですよ。風は吹くし髪の毛はバサバサだし。(写真は)どうなってるんだろうって思ってたんですけど、出来上がりを見たらいいシーンがいっぱいあったので、すごくいい思い出です。
————撮影の裏側を知ると見方も変わりますね。他にもロケ中の思い出やご当地で食べたものはありますか?
寺田:写真集を開いてすぐのページで食べてる明石焼きを、このとき人生で初めて食べたんです! たこ焼きよりも優しい感じですっごく美味しかったんです。バタバタした移動中の撮影で大変だった後に食べたのでとっても沁みました。また食べたいです!
————それにしても写真からは異国情緒さがよく伝わってきますね。
寺田:今はコロナ渦ですし海外旅行ができない中で、日本にももっといいところがあるのが伝わったらいいなと思って。だからマップ(寺田が撮影で訪れた写真集付属のロードマップ)も付属しているんでけど、もうちょっと落ち着いたらファンの方やそうじゃない方にも行ってもらえたら嬉しいなって思ってますので、ぜひチェックしてください。
————このマップさえあれば『聖地巡礼』は完璧ですね。
寺田:私自身アイドルが好きなので『聖地巡礼』の文化を知っていたからこそ、こういうのがあったらいいんじゃないかなって思ったので、ぜひ写真集を持って巡ってほしいなって思います。
————寺田さんがオススメする巡礼ポイントはありますか?
寺田:私自身もスタッフのみなさんと砂丘でジャンプして青春っぽい写真を撮ったので、ファンの方たちが団体で行かれるなら、そういうのも楽しいんじゃないかなって思うし、私も最後のページで一人でジャンプしてるので、似たようなカットを撮ってくれたら嬉しいなって思います。
————SNSでファンの方たちがたくさん写真を上げてくれそうですね。
寺田:ぜひチェックしたいです。
【乃木坂46は『大好きな場所』】
————さて、10月28日に開催された「28th SG アンダーライブ」でラストライブを迎えられました。その時のスピーチで「何一つ後悔はない」とおっしゃっていたのが印象的でした。改めてこの9年のアイドル生活を振り返って、気付いた事、変わったことはありますか?
寺田:言葉だけでは伝えきれない良い事も辛い事もありました。だからこそ、それを満遍なく経験できたから『悔いはない』という言葉に繋がったんだと思います。大変だったことも無駄ではないと思っているし、一つ一つの出来事の巡り合わせが違ったら今の私はないですし、そういった意味で全部大事な出来事だったと思うで、本当に悔いはないです。たぶん、見てくれている人は見てくれている。分かってる人は分かってくれてると思うので、それだけで十分だと思えているので、今はすごく清々しい気持ちでいっぱいです。
2期生として加入して、乃木坂46と一緒に成長してきたからこそ思えるのかなって思います。自分自身、乃木坂46に色を染めてきたという自身があるからこんなに清々しいんだなって思います。全部引っくるめてすごくいい思い出で、大好きな場所だったなって思います。
————今後はどのような活動をされるのでしょうか?
寺田:もっといろんなものを見るべきだなって思います。今は100パーセントこれをやりたいと決めるのではなく、自分自身約9年、アイドルという世界しか見ていないので、もっと違う場所に行ったときに自分自身の価値観の違いに気付いたり、もしかしたらもっと自分に合ってる場所があるかもしれないし、やっぱり今いる世界が向いているかもしれないと思うかもしれません。でも、ひとまずはおこがましいかもしれないのですが、『人生の夏休み』で自分自身を見つめ直す時間を設けたいと思っています。一から学ぶことが他の人たちに対する礼儀でもあると思うので。(何をしたいか)決まってない訳ではないのですが、何事も積み重ねだと思うので、そういう期間がほしいなって思いました。
————ありがとうございます。では、まとまった時間もこれからはできると思いますが、写真集のようにどこかに出かけたいと思ったら、どこへ行きますか?
寺田:えー、どこだろう? でも、乃木坂46に入る前からいろんな人に「海外が向いてる」って言われるし、番組の企画で占いをやっても海外に向いてるという結果も出るし、必然的に呼ばれているというか、ご縁をすごく感じます。一回はどこかへ行ってみたいなとは思ってます。もうちょっと落ち着いたら世界を見てみるのもいいんじゃないかなって思います。
————乃木坂46の活動でアジアにはよく行かれていたと思うので、行くならまた別の地域でしょうか?
寺田:そうですね。14歳のときからずっと活動していたので、実は修学旅行も行ったことないんです。日本ですらお仕事でしか周ってないんですよ。握手会で京都には何十回も行かせてもらってるんですけど、金閣寺を見たことがなかったり。きっと私の見てるものは世界のほんの一部でしかないから、場所や国にとらわれずに見れるものはたくさん見たいという思いが大きいですね。
————ありがとうございます。それでは最後にファンの方へメッセージをお願いします。
寺田:自分自身も写真集が完成してホッとしています。取材をしていただいて自分なりにいろんなことを自由に発言させてもらっていますが、今はコロナ渦で会えなかったり、直接問いかけることが以前よりは少なくなってしまいました。だけど、写真集にはいまの等身大の私がたくさん写っているので、ぜひチェックしてほしいなって思います。一緒にいるような気分になれると思うので。ぜひよろしくお願いします。
なお、写真集の発売を記念して、SHIBUYA TSUTAYA、タワーレコード渋谷店でアザーカットも含むパネル展を開催中。SHIBUYA TSUTAYAでは11月9日~21日、タワーレコード渋谷店では11月9日~28日までそれぞれ開催される。
【書籍情報】
書名:乃木坂46 寺田蘭世 1st 写真集「なぜ、忘れられないんだろう?」
発売日:2021年11月9日(火)
撮影:大江麻貴 判型:AB判変型/128 ページ
予価:2,200 円(10%税込)
発行:集英社クリエイティブ/発売:集英社