名古屋・栄を拠点に活動するアイドルグループ・SKE48が3月9日(水)に29枚目のシングルとなる『心にFlower』をリリースした。前作『あの頃の君を見つけた』とは違い、騒々しい日々の中で、花のように美しく清らかな心と、自分らしさを忘れずに生きていこうという、心が浄化されるようなメッセージソングに仕上がっている。センターは前作に引き続き林美澪が務め、坂本真凛、平野百菜の2名が初選抜メンバーに選ばれている。また、今年4月に卒業コンサートを控えている大場美奈にとっては最後のシングル曲参加となる。
今回は大場美奈と江籠裕奈の2人にインタビューを実施。9000字超えの2人のトークを【前編】、【後編】に分けてお届けする。【前編】ではメッセージソングとなった新曲の聞き所はもちろん、『ダンスの種類が違う』というアクション演技も見所のミュージックビデオの裏話について語ってもらった。
■「自分で生きていく時間をしっかり実感して」
————今回の新曲『心にFlower』ですが、タイトルを初めて聞いたときの印象を教えてください。
江籠裕奈(C)WWSチャンネル 画像 2/10
江籠裕奈(以下、江籠):『心にFlower』というタイトルから「どんな曲なんだろう?」と興味をそそられました。歌詞を読んでみたら人として忘れちゃいけないことが書かれていて、辛いときとか、ネガティブな気持ちになってしまう瞬間とか、苛立ちを人にぶつけてしまいそうになるときこそ、穏やかな気持ちでいよう、みたいな。そんなメッセージも込められている曲なので、いろんな方が共感しやすいと思います。みんなが経験したことがある気持ちを歌っているので、たくさんの方に聞いてもらって、心に届いたらいいなって思います。
大場美奈(以下、大場):勝手な想像だったんですけど、(新曲は)恋愛ソングかなって思ってたんです。だけど、蓋を開けてみたら応援ソングのような背中を押す系の曲で「ハッ!」としました。聞いてみるとメロディーも爽やかで、歌詞を見ると悩んだときの解決策のような言葉が書かれています。私たちもそうなんですけど、この数年はみんなが落ち込みやすい毎日を過ごしていると思いますし、そんなときに寄り添ってくれる曲じゃないかなと思います。そんなときこそ、自分のことをしっかり見つめ直して、周りに引っ張られず自分で生きていく時間をしっかり実感よう。怒ったり、悩んだり、落ち込んだりしたりする時間はもったいないよ、と改めて気づかされる曲だなって思います。SKE48のメッセージソングの歌詞はすごく好きなので、今回も素敵な歌詞の内容で嬉しいです!
————SKE48が歌うメッセージソングでならではの厚みや重さがありますよね。
大場:そう!響くものがSKE48の曲には多いですよね。きっとこの曲も歌い続けていくと、ファンの方たちの受けとめ方も加わって定番曲になっていくのかなって思います。
————メッセージ性が強い新曲となりましたが、ここが刺さったと思う歌詞のフレーズはありますか?
江籠:そうですねー。好きな歌詞は『協調性とは妥協じゃない 認め合うことだ』というところですね。なんだろう、「深いな、そうかも!」って共感しました。ちゃんと相手の意見も分かった上で、認め合うことが協調性なんだなって思いました。
大場:私は、自分が歌っている『周りに合わせる必要はないよ 自分らしく行け!』というところで、すごくSKE48にリンクしてるなって思うんです。流行りになりすぎてないところというか・・・。もちろん流行りたい気持ちはしっかりあるんですけど、歴史をしっかり大事にしたり、SKE48ってAKB48グループの中でもちょっと独特な感じがするじゃないですか?それを否定せずに応援してくださる方達がいますから。『ウチらはウチらでいいんだ』って!
■「私は右手を上げました!」
————今回のミュージックビデオ(以下、MV)の撮影はちょっと特殊だったと伺いました。
大場:倉庫、というかサバイバルゲームをするところで撮影しましたね。
江籠:ほぼほぼ外な感じで寒かったですね。
大場:屋根があるだけって感じでね。
江籠:風ビュンビュンでした。
大場:みんな白い息を吐いてたよね。
————想像するだけで寒そうです。今回はダンスシーンの他、アクションシーンも見どころだと伺いました。お二人もアクションの稽古をされたんですか?
江籠&大場:ぜんぜんぜんぜん、直前です(笑)!
大場:他のメンバーはもうちょっと前からレッスン場で練習していたんですけど、私たちは撮影の前日から練習に参加しました。ダンスの先生とは別にアクションの先生がいらして、私は浅井裕華ちゃんと二人で銃を持ったアクションを教えてもらいました。
江籠:私は右手を上げました!
大場:(笑)
————江籠さん、詳しく伺っていいですか!?
江籠:もともと予定されていたアクションシーンの稽古に私とみなるん(大場美奈)さんが参加できなくて、前日しか時間がなかったんですよ。前日に覚えるなんて、そんな無茶なことできるのかなって思ってたんです。そしたら「江籠さんはそこに立って右手を上げてください」って言われて・・・。撮影では一発OKでした。
————練習は挙手してる感じですか?
私の横でくまちゃん(熊崎晴香)がすごい姿勢で撃ってるんですけど、私は右手を上げる練習をずっとしてました。
————MV内でのキャラ設定も気になりますね。
江籠:私が右手を上げたら敵が吹っ飛ぶという、魔法使いのようなキャラです。
大場:『気』を使えるキャラなんだと思う。たぶん。
江籠:あとはパンチとか蹴ったりとかするシーンもあるんですけど、カメラワークにお任せしてます。すごいことやってる風に仕上がってると思います。
————ファンの方が見たらいろんな意味でびっくりしそうですね。
江籠:期待通りです!
大場:えごぴ(江籠裕奈)らしいよね。
江籠:私が(アクションを)やっても格好がつかないと思うので、逆によかったです(笑)
————大場さんもメイキングでは銃を構えてドヤ顔してましたね。
大場:ドヤ顔してました(笑)!?私はゆうかたん(浅井裕華)と連携して、カメラマンさんが撮りたいところで『見せ場』を見せるという、技よりもタイミングを合わせる練習をずっとしてました。前日に初めて銃を持ったので(笑)。
あと、カッコよく映らないといけないし、しかもスローで使うと言われたので、顔も決めてポーズも決めて、すごく難しかったけど、やっていくうちに慣れましたね。終わったあとにゆうかたんが「もっとやりたい!」ってはしゃいでたので、二人でできて楽しかったです。
————今回の撮影もめちゃめちゃ楽しそうな現場ですね!ダンスシーンではどうだったんでしょうか?
大場:ダンスもサビだけ撮るために最初のサビを何回も踊るんですけど、今回は一回踊り終わるだけでめっちゃ疲れるんですよ。というぐらい、ボリュームが詰まっているダンスなんですね。途中で全員で励ましあわないとやっていけないというか、一人で踊ってると本当にキツイんです。でも、ダンスの合間にアイコンタクトを入れたりして楽しんだりしてます。ずっと楽しかったです(笑)。
————大場さん的見どころはありますか?
大場:サビでは古畑奈和ちゃんとシンメトリーなんですけど、みんなで円になって回る振り付けのところで、奈和ちゃんが気を抜いている表情をしてるのに映像の確認中に気付いたんです。そこで、みんなで奈和の事を見ようってなったんですけど、ちょうど私が真反対の位置にいるんですよ。だから私、自分がいる円のメンバーを見るんじゃなくて、奈和のいる方向を見てたりするんです。
そんな風にメンバー毎に『遊びどころ』を作っているのも、今作のMVの楽しみというか、私自身も撮影中辛いときに遊びながら撮っているので、結構自然体な姿が映ってると思います。
大場美奈(左)と江籠裕奈(右)(C)WWSチャンネル 画像 10/10
■「(新曲のダンスは)もう種類が違います!」
————全体的にダンスの難易度もこれまでよりも上がっているんでしょうか?
江籠:振り付けのスピードが早いんですよ。
大場:一個の音の中に入ってる振り付けの量が、いつもよりぎっしり詰まってるんですよ。
江籠:(振り付けの合間の)休憩がない感じだよね。
大場:振り入れするときにスロー、ちょっと遅め、普通といった感じで徐々にスピードを上げて練習するんでけど、みんなで合わせて「できたね!」って喜んでたら、実はまだ遅いバージョンで・・・。「えっ、これより早いのやるの!?」って。普段聞き慣れている、踊り慣れてるものよりも2倍ぐらい早くて、振り入れしながらびっくりしちゃいました。身体にさえ入っちゃえば踊れるんすけどね、速度がね。
————では、これまでの楽曲と比べると過去イチぐらいの難易度なんですか?
江籠:もう種類が違います!
大場:ファンの方からすれば『Escape』がダンス曲として見慣れてると思うし、踊ってるなーって感じになると思うんですけど、これに関してはもう違いますね。スピードダンスです。早くて難しい。でも、ゆっくりやれば踊れる。そんな感じです(笑)
(【後編】へ続く)
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