名古屋・栄を拠点に活動するアイドルグループ・SKE48が3月9日(水)に29枚目のシングルとなる『心にFlower』をリリースした。前作『あの頃の君を見つけた』とは違い、騒々しい日々の中で、花のように美しく清らかな心と、自分らしさを忘れずに生きていこうという、心が浄化されるようなメッセージソングに仕上がっている。センターは前作に引き続き林美澪が務め、坂本真凛、平野百菜の2名が初選抜メンバーに選ばれている。また、今年4月に卒業コンサートを控えている大場美奈にとっては最後のシングル曲参加となる。
今回は大場美奈と江籠裕奈の2人にインタビューを実施。9000字超えの2人のトークを【前編】、【後編】に分けてお届けする。【後編】ではグループを卒業する大場がリーダーを務めるチームKIIについてや、今後も活動していくメンバーへの期待、想いを語ってくれた。
■「全員無反応だったらどうしようって・・・」
————大場さんの卒業発表からしばらく経ちましたが、改めて発表当時を振り返っていかがでしょうか?
大場:(卒業発表から卒業まで)半年の期間はほしいなともともと思っていて、逆算したら10月ごろだったんですね。その頃には発表しないとファンの方たちと一緒に過ごせないからそのつもりではいたんですけど、鈴蘭(山内鈴蘭)とタイミングが重ならないようにしないといけないというのがあって。鈴蘭はチームS公演で言う事が決まったんですけど、じゃあ私はどうするかって事になったときに、劇場で今まで卒業発表してきた場面を見てきましたけど、私には無理だなって(笑)。メンバーをびっくりさせちゃうのも気まずいし、反応も気になるところで。全員無反応だったらどうしようって思っちゃうし(笑)
江籠:そんなことないよ!
大場:あと、ファンの方たちを前にすると、言いたい事も言えなくなっちゃうので。公演の配信だと会員限定なので限られた人たちしか見られないし、それだとタイムラグができちゃうと思ったし、だったら、いろんな人たちに卒業することを一気に知ってほしいなって思ったので、ラジオで言おうと決めました。
合わせてネットニュースも同じタイミングで配信してもらえるように記者のみなさんにお願いさせていただいて。発表が終わった後に感動しました!みなさん同じ時間に配信してくれて。オンタイムで一気に広がれって思ってたので、本当にありがとうございました!
————しかし、気付いたらSKE48で過ごした時間の方が長くなりましたね。
大場:SKE48では8年ですもん。AKB48だと4年なので倍以上いるもんね。そう言えば初代チーム4でも最後に卒業するんですよね。加藤(加藤玲奈)と入山(入山杏奈)が先に卒業するので。(AKB48の)9期生の中でも最後の卒業なのに、まさかチーム4でも最後になるなんて。
————チーム4の初代キャプテンが自ら幕を下ろすようで感慨深いです。話を戻しますが、江籠さんもラジオのタイミングで大場さんが卒業されることを知られたんですよね?
江籠:本当に同じタイミングです。ツイッターで知りました。
————そうだったんですね!江籠さんもこれまで偉大なリーダー達に囲まれて、影響を受けてきた部分もたくさんあると思いますが、ご自身で成長できたなって思うことはありますか?
江籠:私はチームKIIになったのが中学生のときで、あの頃は本当に子供だったんですよね。それから選抜メンバーで一緒に活動するようになって、私も年齢を重ねるにつれて考え方も大人になっていって、みなるん(大場美奈)さんと仕事の話をできるようになったときに、自分も成長したなって思いました。SKE48のこととか、チームのこととか、そういうことを話すようになって頼ってもらえたときに、同じところに行けたって訳じゃないけど、実感できるようになりました。
————大場さんから見て、江籠さんの成長を肌身で感じる場面はありましたか?
大場:ずっと妹キャラだと思っていたんですけど、3〜4年ぐらい前にふと「江籠ちゃんって意外としっかりしてるわ」って気付いたんです。あの時はまだ高柳明音や内山命、松村香織がいたけど、石田安奈や山下ゆかりもどんどん卒業していく頃で。ちょうど半分くらい先輩たちが卒業していった頃に、意外としっかりできる子っていうことに気付いたんです。えごちゃんって5期生だし、いろんな経験もしてるし、何も心配することないなって。年下だって見すぎていたんですね。それから頼ったり、任せたりできるなって思いました。
もともと優秀で何でもできる器用な子だったので、そこに関しては心配は全くなかったので、逆に気付いたら時が経ってた、っていうぐらい一緒にいますね。
江籠:気付いたら10年もいます。
■「MCの時間は誤魔化しが効かない」
————心配事はないとは思いますが、今後も活動していくメンバーへ残しておきたい言葉はありますか?
大場:「自由にやりなー」ですかね。チームKIIで私を見ているメンバーは存分に見ていると思うんですけど、自由に言いたいことを言う事って、人にとってはストレスがなくなるんですよ。アイドルってストレス抱えてたら一番できない職業だと思うし、応援してくれるファンの方だったり、見てくれている人に、笑顔で可愛い姿を見せるのがアイドルだと思っているので。笑顔って本当に心の底から笑わないと、見ている人たちに伝わらないと思うんです。何かを抱えて何かを無理してると、それ相応の表情になっちゃうから、私はその場で楽しいなって思ってないと笑顔ってできないと思うし、ファンの方たちにストレスなく向き合える自分っていうのをチームのメンバーの前ではずっと見せてきているので。そういう人が一人でもいればみんなも自然に向き合えると思うし、だからチームKIIってすごくとんでもないMCになっちゃてるんですよね。
————チームKIIのMCは毎回ハラハラするけどそれ以上の面白さを感じます。
大場:基本的にダメなことはないですから。でも、私はみんながあそこまでなれたって事がすごく嬉しいんです。歌って踊ることって練習すれば誰でもできるけど、おしゃべりは練習のしようがないじゃないですか。私はAKB48の頃からスタッフさんに「MCがつまらないとライブがつまらなくなる」って言われて育って、昔散々「つまらない」って言われまくったんですよね。だから、ファンの方たちがチームKIIのMCは本当に面白いって言ってくれる事が本当に嬉しいんです。MCってアイドルに必要なものなのかって思われるかもしれないけど、MCの時間は誤魔化しが効かない、可愛いだけじゃどうしようもならない時間だからこそ、技術や工夫が必要なので。
でも、チームKIIはそれを思いっきり楽しめてやれているので、それがどんどんどんどん続いていってほしいなって思うし、自分が卒業した後にチームKIIのMCを見るのが楽しみです。
江籠:それはそれでプレッシャーだなー(笑)。
————青木詩織さんや太田彩夏さんもしかり、最近のMCで回し役をしている場面を見ていると、大場さんの教えが活きているんだなって感じます。
大場:いじれる人たちがいっぱいいてどんどん開花してるんですよね。
江籠:みんな変わってますからね。
大場:もともと太田なんて昇格した頃は全然目立たなかったし、でもどんどんチームに馴染んでいってあのキャラが出来上がって、ファンの方達がそれを求めてる。おしちゃん(青木詩織)だって最初はあんなにいじられてなかったし、それは松村香織のキャラに隠れていたからなんだと思うんですけどね。
スタッフさんからは「チームKIIには武器がない子が入った方がいい」って言われるんですよ。「何も持ってない子の方がそれを開花させる力がチームKIIにはある」って言うんですよ。
————新卒の新入社員を教育する先輩みたいですね。
大場:別にみんなが「開発しようぜ!」ってそんなことをしているわけではなく、個性を見つけるメンバーが多いのかなって思うんです。荒井優希ちゃんや日高優月ちゃんとか。みんなでステージで話していくうちに、この子にはこんな個性があるって、どんどん活かしていくっていう力がみんなにあるのかなって。だからチームKIIはいいのかなって思います。
————なるほど。そうすると昇格してKⅡに入ったばかりの3人の10期生のこれからが楽しみですね。江籠さんも期待を寄せているんじゃないですか?
江籠:そうですね、私は10期生とは入った頃から関わりがあったので、みんなより一人ひとりの事を知っていると思うから、チームKIIに揉まれてどうなるのか楽しみですね。伊藤実希ちゃんはめちゃくちゃスタイルいいし、パフォーマンスもすごくいいけど、めっちゃ馬鹿なんですよ。
大場:あぁー、そうなんだー。
江籠:みんなが知らないギャップもあるので、チームKIIでそれを引き出してもらいたいですね。それこそこの前昇格メンバーの「ウェルカムトークショー」があって、昇格人数も一番多いチームなので元々いるメンバー側からは不安もあったんですよ。でも、意外とみんなすごく喋ってくれて盛り上がったので、全然心配いらないなって思えましたし、まだ活動はできてないんですけど、早くみんなにこの子たちを見せたいです!
大場:私も卒業まであと2ヶ月(※インタビュー時点で)しかないから見せてほしい。
江籠:ね!早く一緒に何かしたいです。
■「楽屋の様子を見せてあげたい!」
————期間は短いですが「大場イズム」が叩き込まれてどうキャラ変するか見てみたいですね。
大場:9期生の子たちからなんですけど、MCが上手くなりたいという子が増えてきた印象があります。チームKIIに入って、あのわちゃわちゃとしたMCの仲間に入りたいって。
江籠:トークショーでも言ってたね。『お姫ゲーム』がしたいって。そんなに憧れられるゲームになってるんだって(笑)。あと、Zeppのツアーでやった水飲み休憩も憧れてるって。
大場:あれ自体が楽しい訳じゃなくて、仲良いウチらがやるから何でも楽しいっていうのがコンセプトなんですよね。正直何でもいいんですよ。トランプでさえ楽しいので。ただ、一人ではできないからゲームを作ったりしているんですけど、それを端から後輩が見て「入りたい」って思われてるのはスゴい事だよね。ただただ仲がいいだけなのにね。
江籠:舞台裏でやってる事と変わらないですよ。
大場:そうそう、楽屋でやってることを表でやってるだけ。もう楽屋の様子を見せてあげたい!エピソードトークが持ちきれないんですよ。
————なんとなく想像がついてしまいますね。
大場:動画撮ったりしてるんですけど、楽屋での騒ぎようはスゴいので、逆にステージに出てったときに落ち着いちゃうというか・・・。楽屋で思いっきり遊んでステージであまり弾けないのはよくないところですね。でも、10期生の子たちが意欲的にやりたいって思ってくれているのなら、ゲームだっていつでもやるし、遊ぶし。逆にもっと人数が増えて疲れないかなって心配です。
江籠:今でも結構疲れますけどね!
大場:えごぴが「行くよ!」って遊びを止めて引っ張ってもらわないとね、周りを見ずに遊び尽くしちゃう子が多いからね。時計を見るのえごぴぐらいしかいないんですよ。
江籠:私タイムキーパーなんです。
大場:気付いたら5分前とか全然あるので。
————今のチームKIIだと江籠さんが適任ですね。さて、大場さんが卒業されると江籠さんや古畑奈和さんがチームKIIでは年長組(加入順)になりますが、今のうちに大場さんと一緒にやっておきたいことはありますか?
江籠:えー。何だろう?でも、普段いろんな後輩に囲まれているので、今日が貴重な独り占めできる時間なんですよ。なので、甘えられるときに甘えて、あとはドライブに連れて行ってくれるって約束してるんですよね。
大場:ヤバい。運転の練習しなくちゃ。
江籠:あと私のお家に遊びに来てほしい。
大場:行く!きなこ(江籠の愛犬)に会いに行かないと。卒業前に一緒に2ショット撮るのが今の目標なんです。それで、卒業後になっちゃうと思うけど名古屋でドライブに行けるように運転練習しないとね!
江籠裕奈(C)WWSチャンネル 画像 8/10大場美奈(C)WWSチャンネル 画像 9/10
————逆に大場さんが地元に連れて行ってあげればいいのに。
大場:あっ、そうだよ!こっち来なよ。
江籠:連れて行ってくれますか?
大場:いいよ、だって愛知(運転が)ムズいもん。
江籠:私にとっては甘えられる数少ない先輩なので、(卒業するのが)やっぱり悲しいです。気付いたら後輩の方が多くなっちゃってるし。
大場:心配だなー。えごぴは甘えん坊だから、先輩がいなくなればなるほど誰に寄りかかるんだろうって、そこだけが心配。奈和にはしっかりと託したいですけどね。あの子さえいればどうにかなるので。
江籠:でも同期と先輩は違うから!どうしよう・・・。
大場:先輩3人だけになっちゃうよ。でも、今まで頼ってた先輩たちの方が時間があるじゃないですか。だから東京に来たときに連絡してくれれば会いたいし、卒業したからってこの関係がなくなることの方が悲しいと思うので、いつでも言ってね。すぐとんで名古屋に行けないからとんで来て。
江籠:そこは私が行きます!
大場:ソロアイドルとしてこっち(東京)で仕事たくさんしなよ。こっちには高柳もいますから。
江籠:いっぱい甘えたいと思います。
大場:外で甘える時間を作って、中で頑張ればいいよ。
江籠:春が近づくと泣いちゃうんだろうな。
大場:またね、レッスン場の隅っこにいるだろうから、真ん中まで引きずってこようか。
江籠:卒コンのリハとかヤバそう。実感すると寂しくなっちゃうから。
大場:今日もパンチライン残してたよね。『ふとしたときにヤバい』だっけ?
江籠:そう。こうやってインタビューするのも最後だからって思うと、自分の中でどんどんカウントダウンを始めちゃうんですよ。
大場:それこそさっきみたいに私に対してのコメントを求められたときに、自分の中でスイッチを押しちゃうんだよね。自分で触っちゃうと寂しさが涙として溢れちゃうからね。
江籠:思い出話は本当にヤバい。でも後輩の前だと我慢してるけど。
大場:でも嬉しいな。発表してからずっといるし、公演にも積極的に出てるから「本当に卒業するの?」ってメンバーも思ってると思うんですよ。だから、実感して寂しくなってくれているのは初めてだと思う。だから私としては嬉しい。
————明音さんのときもいろんな場面で泣いちゃいましたからね。
江籠:でも最後は泣かなかったですよ!卒業コンサートで泣かなかったので。(今回は)分からないですけど、笑顔で見送りたい気持ちはあります!
大場:大丈夫。去年できたんだから。今年もね。
江籠:はい。大丈夫です!
大場美奈(左)と江籠裕奈(右)(C)WWSチャンネル 画像 10/10
————それでは最後になりますが、新曲を楽しみにしているファンの方々へ向けてメッセージをお願いします。
大場:私にとっては本当に最後のシングル曲になります。もうこの先ジャケット写真にも載ることは一生ないので、形として思い出に残しておいてほしいです。MVも曲も全部チェックしてほしいです。
江籠:あまり言わなかったんですけど、今回初めてフロントメンバーに選ばれたんですよ。
大場:なんで言わなかったの?
江籠:だって分かるから。前に出る人がいれば、後ろで悔しい思いをする人がいるから。私は後ろから長いこといろんなポジションを経験してきて、気持ちもわかるので。でも、ファンの方は喜んでくれると思います。喜びと感謝の気持ちをしっかり届けて、SKE48として新曲を盛り上げていくので、応援よろしくお願いします!
大場美奈Twitter:@mina_ovo
大場美奈Instagram:@obamina__43
江籠裕奈Twitter:@egoyuna_329
江籠裕奈Instagram:@egochan_329
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