2018年12月15日(土)、中野サンプラザ(東京)にて高校生フォークデュオ「さくらしめじ」がワンマンライブ『さくらしめじのHappy X’mash LIVE 2018 in 中野サンプラザ』を行い、2000人の観客を大いに盛り上げた。
さくらしめじは田中雅功・高田彪我による高校生フォークデュオ。
ギターの弾き語りを生かしたフォークソングからスタートした2人だが、近年はフォークを軸としながらも、フォークだけにとどまらない2人ならではのオリジナリティ溢れるサウンドを聴かせてくれている。
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今年の8月には日比谷野外音楽堂でのワンマンライブを成功させたほか、秋にはNHK「みんなのうた」で『スプーンの初恋 〜あゝ、好きだよベイベー〜』が起用され、目覚ましい活躍を見せているグループの1つだ。
この日ライブでは疾走感のあるフォークギターによるセッションを生かしたバンドサウンドからじっくり聞かせる歌まで、幅広い楽曲を全19曲披露。
楽しいポップチューンから、切なさを感じる楽曲、少し挑発的なサウンドまで、実に幅広い音楽性を披露してくれたさくらしめじ。
それぞれ表情の違う楽曲ながら、様々な感情や情景を力強く、時には優しくギターサウンドとヴォーカルで豊かに表現。
また、時折楽しそうにお互いの顔を見合いながら息を合わせて演奏する姿はステージにずっしりとした安定感を感じさせ、2人の実力の高さを伺う事もできた。
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そして時折、煽るようにギターをかき鳴らしたり「まだまだ行けんだろ!?」と挑発しながら観客を煽る姿も見せており、ゆったりとしたフォークデュオからスタートした2人だったが、経験を積んだ事で様々な要素が上乗せされ、フォークの良さは軸にありつつ、様々な面白さがあるライブパフォーマンスを見せてくれている。
そのため、過去に発表された既存曲も今の「さくらしめじ」の魅力によって再度味付けされ、新たな魅力を持った楽曲へと進化している。
『ひだりむね』『てぃーけーじー』はほっこりした優しさや、さくらしめじらしいユーモアに加え、今の2人が持つギターや歌唱のテクニック、アレンジや魅力が加わり、力強さと疾走感を感じる事ができる。
また『きのうのゆめ』『はじまるきせつ』も弾き語りによる息のあったギターセッションとコーラスがより深化し、新たな魅力を感じとれるものとなっている。
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また最近発表された楽曲も見逃せないものが多く、男女6人の音楽グループ「AAA」の楽曲をカバーした『恋音と雨空』では、さくらしめじらしいバンドアレンジサウンドの中、雅功と彪我のまっすぐな歌声が美しいハーモニーを奏で、新たな魅力を持った切ない恋愛ソングナンバーとして観客の胸を打った。
未発表曲の『ブン!ブン!BuuuN!』ではジャパニーズレゲエ調のサウンドを歌いこなし、会場で一体となってタオルを回して盛り上がる一幕も見せた。
1stアルバムに収録されている「でぃすとーしょん」は普段の2人からは想像ができない、オラオラ調な楽曲。
ポップさ、かわいらしさ、ほっこりさは一切姿を消し、「激しさ」「セクシーさ」「男らしさ」を感じてドキッとしてしまう1曲だ。
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雅功も「もっとはしゃげるだろ!」「もっと来いよ!」と会場を煽り、少し掠れた低い声と巻き舌を駆使しながらシャウト。
彪我も普段は見せない挑発するような目線で終始観客を翻弄するかのように煽り続ける。
またこの日はライブのタイトルにもある通り、クリスマスという事でアンコールでクリスマスをイメージしたようなタータンチェック柄がワンポイントに入った衣装で登場したり、サプライズで観客にクリスマスプレゼントのイベントを行ったほか、クリスマスプレゼントのように会場に銀テープが発射される演出もあり、会場のファンは終始笑顔に包まれている様子も見て取れた。
そしてライブでは安定感のあるライブパフォーマンスを見せていた2人だが、MCでは一転、さくらしめじらしい「ほっこり」とした姿を見せてくれた。
「冬の好きなもの」をランキング形式で発表する場面では、スケッチブックに2人が手書きでその内容を描写したが、何とも言えないユルいイラストと2人の語り口で進行。
好きなものも「自販機に『あったか〜い』が並ぶ」「布団乾燥機が本領を発揮する」など2人らしい等身大かつ親近感のある回答を連発し、会場は終始大きな笑いに包まれていた。
またクリスマスにまつわる演出として「クリスマス」と「きのこ=英語でマッシュ」が「合うんですね…(彪我)」とのことで、開演前の会場案内でも語尾の「〜ます」を「〜マッシュ」にしてもらったそうだが「会場の方に、渋々やって頂いたそうです…(雅功)」と思わぬネタバラシをする場面も。
そして舞台もクリスマスを意識した赤いベロアのカーテンが飾られていたが、彪我がそれを「赤いカーテンがピロピローンって、あって…」とカーテンを表現し、会場が笑いに包まれたほか、ラスト曲の「みちくさこうしんきょく」では彪我がミスをしてしまい顔をクシャクシャにして謝るも、雅功がすかさず会場の観客へ「今の記憶から消えるから!…はい、消えた!」と軽妙にフォローし、流れを崩さず再度演奏を再開する絶妙なコンビネーションも見せてくれた。
MCを含めた諸所のやり取りに、終始会場から温かい笑顔や歓声が起きており、彼ららしい飾らないほっこりさで会場を和ませていた。
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ライブの終わりでは「夢の舞台」と語った中野サンプラザでの公演を惜しみつつ、「これからも、僕たちはどんどん、次に次に、先に先に、進んでいきたいと思っています。もっとたくさんの人と、たくさんの楽しいを共有できるように。ずっとずっと、歌を歌って皆さんと1つになっていけたらと思っています。ずっと走り続けていきますので、期待してください」と少し目を潤ませながら力強く挨拶した2人。
この日2人にはサプライズで2019年5月3日に、彼らとして2回目となる日比谷野外音楽堂でのワンマンライブも発表されたほか、1月より単独ラジオレギュラー番組がはじまる事も発表された。
来年も引き続き、さくらしめじの活躍からは目が離せなそうだ。
セットリスト
M1 123
M2 スタートダッシュ
M3 菌カツ!
MC
M4 ひだりむね
M5 恋音と雨空
M6 せきがえのかみさま
MC
M7 きのうのゆめ
M8 まよなかぴくにっく
M9 My Sunshine
M10 届けそこねたラブソング
M11 はじまるきせつ
MC
M12 てぃーけーじー
M13 ブン!ブン!BuuuN!
M14 でぃすとーしょん
M15 あやまリズム
MC
M16 先に言うね
M17 えそらごと
アンコール
MC
EN1 おもいでくれよん
MC
EN2 みちくさこうしんきょく
MC
さくらしめじ 公式サイト
http://sakurashimeji.com/