1998年にhideが永眠してから、今年で20年。その節目となる今年も、hideの誕生日である12月13日に新木場STUDIO COASTを舞台に「hide 20th Memorial hide Birthday Party 2018」が行われた。今回のイベントの主役であるhideのライブの模様をお届けする。
トリを飾ったのは、この日誕生日を迎えたhide。ライブは、在りし日のライブ映像とシンクロする形で進行。冒頭を飾った『DICE』が飛び出した時点で、誰もが映像へ釘付けになっていた。いや、目の前に甦ったその姿へ熱い想いをぶつけていた。あふれだす轟音に身を委ねながら、スクリーンの中から挑発するhideの姿に、誰もが必死に手を伸ばし、心に触れようとしていた。
続いて流れたのが、『Beauty & Stupid』。映像の中から呼びかけるhide。でも、彼の呼びかけや、流れだした演奏は、スクリーンさえ飛び越え、臨場感を持って魂を揺らしていた。その理由は簡単だ、彼のスピリットが、とても生々しいから。たとえ生演奏でなかろうと、その姿が二次元の中であろうが、彼がぶつける生きざまは、そんな理屈を超越し、やっぱりハートを熱く揺さぶるんだよ。それを感じたくて、大勢のオーディエンスがこの場へ集っているんだと思う。
次に飛び出したのが『ピンク スパイダー』だ。その映像がLIVEだろうとPVだろうが、そこに映っているのがhideである以上、その姿に熱く手を伸ばしたい。伸ばした手を彼は翼に変えてくれる。その歌は、触れた人たちの心に羽根を与え、心を自由に世界の果てまで飛ばしてくれる。たとえ高すぎる空だろうが、心の翼を羽ばたかせれば、何時だって僕らはhideのスピリットに触れられる。それを仲間たちと共有したくて、僕らはここに集う。何より今日はhideの誕生日だ。彼と一緒にあの雲を突き抜けようじゃない!!
心に温かい想いを注ぐように流れた『HURRY GO ROUND』。スクリーンには、ライブからプライベートまで、在りし日のhideの様々な姿が映し出されていた。その歌詞とシンクロしながら映像を見ているうちに、心へ込み上げる想いを抱かずにいれなかった。そのひとときだけは、会場中の人たちもじっと身をただし、目の前に映し出されるhideの姿を熱く凝視していた。「また春に会いましょう」。あの5月の季節に。そんな気持ちへ浸らずにいれなかった。
最後に流れたのが、イベントの為に特別編集された『ROCKET DIVE』だ。彼の生まれた日を祝うように、陽気なhideの姿を、今も一緒に笑顔で分かち合うように、会場中の人たちが共に『ROCKET DIVE』に飛び乗り、熱狂の中ではしゃいでいた。彼が呼びかけてくれるなら、何でもありさ。スクリーンの中から煽りかけるhideの姿に、誰もが熱狂の想いを届けていた。いや、きっとそうだったと信じたい。全力でスクリーンの中のhideに向けて振り上げていた手は、すべて心の真実なんだもの。フロアー中から起きていた「hide!」と叫ぶ声が、それを物語っていた。
(取材/文:長澤智典)
『hide 20th Memorial hide Birthday Party 2018』
“hide Birthday Special Live”
M1:DICE
M2:Beauty & Stupid
M3:ピンク スパイダー (Special Take ver)
M4:HURRY GO ROUND(hide vocal Take2)
END:ROCKE DIVE(Special Take ver)