12月29日(土)、ロッキング・オン・ジャパンが企画制作する日本最大の年越しフェス「rockin'on presents COUNTDOWN JAPAN 18/19(カウントダウン・ジャパン イチハチイチキュウ)」の2日目が行われ、ロックバンドのthe HIATUSが出演した。
暗いステージに伊澤一葉のピアノとシンセの重低音が響き渡り、一気に海底のような世界観にオーディエンスは引きずり込まれる。
1曲目の『Roller Coaster Ride Memories』で細美武士は、一筋の光が差し込む様に歌い始める。ステージ中央のスクリーンには、フィルムで撮られたような荒々しくもノスタルジックな映像が映し出され、今年行われた全国ツアー「the HIATUS Monochrome Film Tour 2018」を彷彿とさせた。ライブというよりは、アートを観賞しているかのような世界観だ。
2曲目の『Shimmer』は、masasucksのコーラスワークが美しい切なげな曲だ。スクリーンに映し出された夕焼けも相まって、その切なさが更に加速していく。シンセのノイズとアコギ、サンプリングのドラムから3曲目の『Snowflakes』がスタート。ウエノコウジが奏でるベースから重低音が響き、空間を埋め尽くした。
the HIATUS 画像 3/5
ディレイの掛かった印象的なピアノフレーズから4曲目の『Clone』へ。サビへ向けて加速していく楽曲にオーディエンスの手が上がる。細美とmasasucksのギターから始まるのは5曲目の『Twisted Maple Trees』。前半は細美の歌声とギターが静かに響く。ウエノがハイフレットでハーモニーを奏でると一気に楽曲は盛り上がる。柏倉隆史の手数の多い情緒的なドラムが心に訴えかけ、曲が終わると会場からは、割れんばかりの拍手が沸き起こった。
ギターを置き、ハンドマイクに切り替えた細美は、真剣な表情で6曲目の『Sunset Off The Coastline』を歌い上げる。透き通るような細美の歌声に呼応するように、キラキラとした光がスクリーンに映し出された。ピアノと歌で始まる『Tree Rings』でも、細美はハンドマイクで手をヒラヒラと動かしながら、心を込めて歌っていた。ドリームポップやポストチルウェイブを吸収し、既存のロックという概念には収まりきらない表現を身に付けたthe HIATUSにおいては、ミニマルな曲が増え、細美もハンドマイクで歌う事が増えた。
the HIATUS 画像 4/5
「こんばんはthe HIATUSです!大変だった2018年も終わり、明るい2019年が来ますよ。俺たちthe HIATUS来年で10周年を迎えます。良い年をお迎え下さい!」と細美は今日初めてのMCをした。
次の曲は、歌とエレピ、ベースで始まる『Walking Like A Man』。静と動の振れ幅が大きい楽曲で、オーディエンスを一気に盛り上げた。9曲目は『Catch You Later』。サビでmasasucksのコーラスが入り、一気に世界が広がる。細美は、優しく微笑んだような表情で歌い上げた。「ありがとうございました。良い年をお迎え下さい。最後の一曲です!」という細美の挨拶の後、『Burn To Shine』を披露。細美は、真っ赤な照明に照らされながら、マイクを強く握りしめて力一杯歌い上げた。
曲が終わると細美は、深々と一礼してステージを後にした。
the HIATUS
12月29日 COUNTDOWN JAPAN 18/19
セットリスト
M1:Roller Coaster Ride Memories
M2:Shimmer
M3:Snowflakes
M4:Clone
M5:Twisted Maple Trees
M6:Sunset Off The Coastline
M7:Tree Rings
M8:Walking Like A Man
M9:Catch You Later
M10:Burn To Shine