先週3月8日に、タワーレコード渋谷B1F CUTUP STUDIOでパノラマパナマタウン1stフルアルバム「情熱とユーモア」(2月13日リリース)の発売を記念したアルバム全曲再現ライブ「PANOPANA PAPARAZZI」が開催された。
会場では、常設のステージを使用せずにフロア中央に楽器やアンプ類が設置され、円となったメンバーをオーディエンスが360°囲い込むといったまさに「パノラマ」な環境が準備された。
また本公演のタイトルに「パパラッチ」とある通り、イベント参加者がパパラッチ(=カメラマン)として撮影、配信することが可能である趣旨が発表されていたため、ほとんどの参加者がスマートフォンやカメラを片手に持ち、どんな瞬間も逃さないようにと構えていた。
通常のライブではありえない距離感や、真後ろから演奏を観ることも出来るといった特別感から、開演前から場内には独特な空気に満ちており、早くも興奮するファンも多い。
収録曲順通りにライブは演奏され、リード曲である”Top of the Head”からスタート。それぞれの楽曲にあるヴァリエーションがそのまま完成度の高いセットリストとして進められていく。
もっともアグレッシヴなパートを披露したあと、MCで岩渕想太(Vo,Gt)は「情熱が行き過ぎるとそれは時としてユーモアに映ることがある。それでも、」と話す場面があったがそれはまさにアルバム『情熱とユーモア』を象徴しているワードとしてオーディエンスの共感を誘っていたのが印象的であった。
もともとの音源にライブならではの熱さとフロアの盛り上がりが加わり、もう二度と同じものはできないような”めちゃめちゃ生きてる”ライブであった。
そんな本編全13曲の中で今回私が注目したいのは、サビの部分で手を挙げる観客が多いのが印象的だった、12曲目の“からの”。 <伝えたいけれど/上手に喋れないのは/誤魔化せない気持ちがあるから>という歌詞や、最後に繰り返す<失った声をただ待ってたい>とあるように、彼らは「喋れない」ということを否定せず、自分自身が秘めているものを見つけようとしていて、リスナーにもそうするようにと伝えているのではないだろうか。
偽ろうと思えば偽れる時代で、ありのままを今日ここで鳴らしたいと岩渕がMCで話していた通り、パノラマパナマタウンの真髄を垣間見たライブであった。
なお、A-Sketchのオフィシャルアカウントでは、参加者がTwitter Instagramに「#パノパナパパラッチ」のハッシュタグを付けてアップした写真をメンバーがセレクトした優秀作品が公開される。
ライブ当日の熱気が詰まった生の写真を是非チェックしてほしい。