2016.07.12 公開
Photo by ほりたよしか
7月10日、東京・新宿ReNYにて、人間椅子の2016年夏のワンマンツアー〈地獄の道化師〉がひとつのクライマックスを迎えた。6月29日に長野・CLUB JUNK BOXで幕を開けた本ツアーは、全国各地で熱狂の渦を生み出し、いよいよ終盤戦へ。
発売後即ソールドアウトとなったここ新宿ReNYでも、彼らのトリックスターのごとき変幻自在の演奏は、多くのオーディエンスの心を掴んで離さなかった。尚、本公演の模様はニコニコ生放送にて生配信され、約33,000名の来場者数を記録している。
午後6時頃、場内が暗転。SE「此岸御詠歌」の鈴の音がちりんと鳴ると、オーディエンスの期待と緊張感が一段と高まる。和嶋慎治(G & Vo)、鈴木研一(B & Vo)、ナカジマノブ(Ds & Vo)の3名がステージに現れると、「待ってました!」とばかりに大きな拍手と歓声が送られる。
1曲目の「雪女」で早くも一体感が生まれ、続く「怪人二十面相」で一気にミステリアスな雰囲気が場内を支配する。和嶋が表情豊かにギターをかき鳴らし、鈴木が極太のベースを轟かせ、ナカジマがパワフルなドラムで魅了する。今夜も3人の息はぴったりで、観ていて爽快な気分になる。観客はもちろん、新宿ReNYという会場自体も彼らの音と歌声を浴びて喜んでいるかのようだ。
スリルのある演奏と和やかなMCとの対比が今日も面白い。更には「宇宙からの色」での銅鑼や「狂気山脈」でのテルミンなど、視覚的にも愉しませることを忘れない彼ら。「夜叉ヶ池」で和嶋がダブルネックギターを奏でる場面などは、幻惑のロック空間が築かれてゆく様を見るようだった。
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