5月4日から6日にかけて、千葉市蘇我スポーツ公園で「rockin’on presents JAPAN JAM 2019」が開催された。最終日となった5月6日、SKY STAGEにはクリープハイプが登場した。
尾崎の「やります」の一言から幕を開けたクリープハイプのJAPAN JAM 2019。
オープニングを飾る一曲目は『二十九、三十』。巧みな言葉を使い熱く背中を押すのではなく、ただ"前に進め"と寄り添う、尾崎世界観という男が創り出した優しい応援歌だ。
曲が終わるとおもむろに淡々と話し出す尾崎。「屋内もいいけど野外は最高に気持ちいいな。ライブじゃなくてセックスの話ね」と話した直後鳴り響いたのは『HE IS MINE』のベースライン。曲中では"なんだ JAPAN JAMこんなもんか、もうこれで終わりかもしんねぇな"と皮肉り、間奏ではニヒルな笑みを浮かべ笑顔だけでオーディエンスを煽り、落ちサビ前では再び喋り出す。「そういえば前回出た時は子供達がお母さんと周りで遊んでいて。一足早く性教育してあげましょう」と話し、待ちわびた落ちサビ。SKY STAGE目一杯に集まったオーディエンスからは、見事に「セックスしよう」の大合唱が巻き起こった。
その後、『鬼』、『おばけでいいからはやくきて』と披露し、喋り出したのは長谷川。「もうすぐ10連休が終わろうとしておりますけども、皆さんはどこかに遊びに行かれましたでしょうか?僕はずっとインターネットの世界に生きておりました。いろんな世界があるけども、安全に越したことはないと僕は思います。火の用心の歌を一曲歌わせていただきます」と始まったのは、長谷川がメインボーカルを務める『火まつり』。楽曲が持つ独特の魅力と、無表情で懸命に歌う長谷川、ステージ上に広がる曇天までもが、唯一無二の世界観を創り出した。
クリープハイプ 画像 3/5
曲が終わり、一瞬の静寂が会場を包むと「ありがとう」と静かに喋り出す尾崎。「今からやる曲にぴったりの景色だと思ったら、クリープハイプ始まってからめちゃくちゃ曇ってるじゃねえか!」と曇天に肩を落とし、観客から「そんなことないよー!」と声が上がると「そんなことあるんだよ、上見てみろ馬鹿野郎」と一言。「でもこんなこと全部—」"夏のせい 夏のせい 夏のせいにすればいいからさ"と始まった『ラブホテル』。爽やかで心地のいい風が尾崎の髪を揺らす。大サビ前、再びおもむろに喋り出した尾崎。「Twitter見てたら、昨日の夜"明日のJAPAN JAM、クリープは休憩だよね?"って言ってる人がいて。人のライブ中に会ってんじゃねぇよ。休憩といえばここに良いホテルがありますがいかがですか?そいつらにも届くように—」からの大サビ。尾崎世界観というエンターテイナーは細かい演出でも魅せつけてくる。
続く『イト』では先ほどまでの曇天も晴れ、尾崎も「晴れた!」と笑顔を見せた。
「楽しくやれたよありがとう。いろいろなバンドが"爪痕を残す"とかって言うけど、今のトレンドはどれだけかっこよく散れるかですよ。桜の曲をやって散ります」とドロップされたラストナンバーは『栞』。開放感あふれる野外ステージで、クリープハイプは終わりかけの春に桜吹雪を巻き起こしステージを去った。
【セットリスト】
2019年5月6日 JAPAN JAM 2019 SKY STAGE / クリープハイプ
M01:二十九、三十
M02:HE IS MINE
M03:鬼
M04:おばけでいいからはやくきて
M05:火まつり
M06:ラブホテル
M07:イト
M08:栞