Photo by #tktk_photography
今年で5年目の開催となる、音楽とお笑いのエンタテインメントフェス「YATSUI FESTIVAL! 2016」が今年も開催。6月18日、O-WESTステージに3ピースロックバンド・人間椅子が出演した。
独特の怪しげな雰囲気を醸し出す中、和嶋慎治 、鈴木研一、ナカジマノブがステージに登場。低音のうめき声をあげる中『なまはげ』からライブはスタート。その出で立ち、怪しげなサウンド。一体何が始まるんだ?と初見の観客は驚いたであろう。鈴木がゆっくりと会場を見渡し、その世界観へ会場を巻き込んでいく。
そして一転、激しいロックサウンドが響き渡る。激しく銅鑼(ドラ)を叩き始まりの音を響かせる。続く『芳一受難』圧倒的サウンドを響かせ最後は絶叫でフィニッシュ。
鈴木が「他のステージでは白塗りの大先輩JAGUARさんがやってるみたいですが・・・」と笑いを誘った後「その誘惑を振り切ってこっちに来てくれてありがとうございます!」と集まった観客へ感謝を伝えた。
和嶋が「明日は日曜日になるわけですが、予定のある方は素晴らしい日曜日をお過ごしください。そして予定の無い方は次の歌をお贈りしたいと思います。」と話し始まったのは『暗い日曜日』。
トークパートでは和ませたと思ったら演奏ではその独特の世界観を出しながら高レベルの演奏で魅せてくれる、このギャップの連続も人間椅子の魅力の一つだ。
ここでナカジマノブが上着を脱ぎ捨て熱く叫ぶ。「YATSUIフェスに集まった皆!元気あるのか!楽しんでるのか!俺の事をアニキって呼んでくれ!」
会場から「アニキー!」と声援が返ってくると満足そうな表情を見せ「今日もここに集まってくれている皆のために心をこめて全身全霊で歌ってやるぜ!俺たちの地獄のロックを聴いてくれー!」とシャウトして始まったのは『蜘蛛の糸』。ナカジマが激しくドラムを叩きながらメインボーカルを務め熱く歌い上げた。
続く楽曲は『宇宙からの色』再びその独特のミステリアスなサウンドで世界観を作り上げる。しかし本当に人間椅子の生み出すサウンドは素晴らしい。これだけ激しく弾き乱れながらも心地良くサウンドが心に響いてくる。曲が終わる度に起こる歓声と拍手が、その素晴らしさを物語っている。
鈴木が「人間椅子はねえ、ロシアで初の海外公演を予定してたんですけど、それが中止になってしまいましてね。今日やってるこの曲順はね、そのロシアでやろうとしていたものなんですよ。」と明かす。和嶋が「だから私たち今、気持ちは世界の舞台で私たちやってるんですよ。」と話すと、鈴木も「何となくロシア人にしては皆髪の毛黒いな〜ってくらいの感じでやってます。」と話すと会場は爆笑に包まれる。
そして最後は『りんごの泪』『針の山』と縦横無尽に飛び跳ねながら、ステージ狭しと暴れ回りながら豪快でありながら繊細に計算された極上のサウンドを響かせる。最後は和嶋がジミ・ヘンドリックスを彷彿させるような、激しいギターの乱れ弾きを魅せながらフィニッシュ。圧巻の演奏に会場からは惜しみない拍手と声援が贈られた。
そんな人間椅子はこれからROCK IN JAPAN FESTIVALやRISING SUN ROCK FESTIVALなど大型音楽フェスにも続々と出演が決まっている。今年の夏フェスを人間椅子が大きく盛り上げてくれる事は間違い無いだろう。
(文:山岸一之)
【人間椅子 セットリスト】
M1.なまはげ
M2.芳一受難
M3暗い日曜日
M4.蜘蛛の糸
M5.宇宙からの色
M6.りんごの泪
M7.針の山