5月12日、ヒップホップグループRHYMESTERが主催する野外フェス「人間交差点2019」。5年目となるこのイベントのクライマックスに岡村靖幸が登場。RHYMESTERのメンバーである宇多丸が「夢のようなブッキング」と興奮気味に語った待望のステージとなった。
岡村靖幸 Photo by Yusuke Oishi 画像 2/3
この日のステージも残りあと2組。ラストはフェスを主催するRHYMESTERだが、客演のヘッドライナーとして黄昏時に登場したのが「岡村ちゃん」の愛称で親しまれている岡村靖幸。ミステリアスな部分を持ちつつ、唯一無二のパフォーマンスで男女問わず虜にする日本を代表するポップスターだ。人間交差点のステージで、彼は果たしてどんなステージを魅せてくれるのだろうか。
ホーンセッションまで揃った大所帯のバンドメンバーに続いて、2人の男性ダンサーとともにステージに登場した岡村。ステージ端から遠くを見つめながら1曲目『ア・チ・チ・チ』がスタート。曲間で一瞬だけ眼鏡を外す仕草にドキリとさせられ、重低音のビートがオーディエンスの鼓動のように会場中に響いた。
続いては短いフレーズだけで畳み掛けるように展開する『ぶーしゃかLOOP』。「クラップ!」岡村のシャウトで会場中がハンドクラップ。「行ける準備できてるの?」の掛け声から、曲は『新時代思想』へ。突然、首元をかきむしるようにネクタイを緩める彼の姿に、会場から黄色い歓声が飛んだ。4曲目は最新のシングル曲『少年サタデー』。人気バラエティ番組のテーマソングにもなった曲だ。「交差点行くよ!人間!人間!」彼が独特の盛り上げ方で手拍子を誘導すると、オーディエンスが一体となった。
サウンドは1曲目からノンストップで展開している。いつの間にかEARTH WIND & FIREの『SEPTEMBER』のリズムになり、岡村はスタッフから愛用のギター「黒のオベーション」を受け取る。そう、彼のライブでは定番の『あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう』『だいすき』のメドレーだ。ギターをかき鳴らしながら歌う『あのロン』に続いて、弾けるようにポーズを決めながらの『だいすき』。彼のファンなら毎回のように目にする光景だが、その度に目にした数だけの思い出が脳裏を駆け巡る。ギターを抱えながら一瞬はにかむ笑顔、そして『だいすき』エンディングの投げキッス。そのひとつひとつの瞬間、岡村は世界の誰よりもチャーミングな表情を浮かべる。
岡村靖幸 Photo by cherry chill will 画像 3/3
ライブもいよいよ佳境へ。鳴り止まないビートの中、続いたのは『愛はおしゃれじゃない』。観客をひとりずつ眺めるかのように指をさし「やるねぇ」と笑顔を見せる。かと思えば「僕がモテたいの知ってたでしょ!」とおどけ、KICK THE CAN CREWとのコラボ曲『住所』のフレーズも織り交ぜて粋に曲を締めくくった。ラストに展開したのは、キレのあるダンスパフォーマンスが観る者のド肝の抜く『ビバナミダ』。2人のダンサーとともに、目まぐるしくポーズを決めまくる姿に会場中がヒートアップ。途切れることないサウンドの中、キレまくりのダンスパフォーマンス、そして愛嬌あるな仕草と表情。彼の魅力が炸裂する見事なステージとなった。
(取材・文 バッキー☆大坂)
RHYMESTER Presents人間交差点2019 / 岡村靖幸セットリスト
M1.ア・チ・チ・チ
M2.ぶーしゃかLOOP
M3.新時代思想
M4.少年サタデー
M5.あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう
M6.だいすき
M7.愛はおしゃれじゃない〜住所
M8.ビバナミダ