2019.06.26 公開
スカパラ、デビュー30周年決意のライブに後輩フジファブリックも登場!

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東京スカパラダイスオーケストラが6月12日に東京・台場のZepp DiverCityで『30th Anniversary Live「Are you ready for TOKYO SKA?」』を開催した。この日の公演は今年4月に東京・豊洲PITで行ったデビュー30周年イヤーKICK OFFワンマンライブの追加公演として開催されたものだ。


前日6月11日には、デビュー30年にして初の試みとなったジャムセッションツアーの全国16公演を終えたばかりであったが、TOSHI-LOW(BRAHMAN/OAU)、奥田民生、LiSA、中村達也、田島貴男(ORIGINAL LOVE)、斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN)、大森靖子、EGO-WRAPPIN'、MONGOL800、SKY-HI、10-FEET、04 Limited Sazabys、斉藤和義、ハナレグミ、クリープハイプ、BiSHといった錚々たる顔ぶれの16組の素晴らしいアーティストとセッションを繰り広げ、参加アーティストともオーディエンスとも物凄い熱量のエネルギーの交換を行ってきたことから、初っ端からフルスロットル状態での演奏が繰り広げられるライブとなった。

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スカパラ30年の歴史を彩ってきた楽曲でつながれたオープニングSEが超満員に膨れ上がったオーディエンスの気持ちを煽るなか、9人の男たちのシルエットがステージ上に現れるとさらなる大歓声が沸き起こる。


「トーキョースカで盛り上がる準備はいいか!」と谷中敦(B.Sax)がシャウトし、「Are You Ready To Ska?」でライブの幕があがる。「5 days of TEQUILA」、「DOWN BEAT STOMP」が続けざまに披露され、ライブ開始3曲ですでにライブを終えたかのような熱量がステージ上の9人からもオーディエンスからも発せられている。


「凄いな!最高だな!トーキョーってほんとにいいな!」と谷中敦(B.Sax)が興奮気味に言葉を発する。「30年迎えても、これからもまだまだ行くぜっていう決意のライブです。そのライブに来てもらって本当にありがとうございます。」と感謝の意を述べるとともに、「30年目のアレにいくか」とひと呼吸おいてから、スカパラがライブに挑む際に谷中から発せられるお決まりのフレーズ「戦うように楽しんでくれよ!」が場内に響き渡る。

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「ゴッドファーザー 愛のテーマ」「This Challenger」と披露されたあとは、“トーキョースカメドレー”へと流れていく。「Stroke Of Fate~セサミストリート~~Wild Cat~A Quick Drunkard~Sweet G」と新旧様々な楽曲で構成されており、オーディエンスは気持ちよさそうに音に体を委ねている。


緊張感あふれるイントロとともに「Samurai Dreamers<サビレルナ和ヨ>」が披露されたあとは、アコーディオンを手にした沖祐市(Key)がステージセンターに佇む。
「30年経ったけど演ることはまったく変わらず、ブンチャ、ブンチャとやり続けるんでこれからもよろしく!」とオーディエンスに想いを伝え、ファーストアルバム収録曲の「君と僕」が披露される。


沖の口笛とアコーディオンで紡がれるメロディーが場内を“泣き笑い”が内包したような不思議な空気に変えていく。
茂木欣一(Dr)が「タイムマシーンがあって、100年後の学校に行って、音楽の教科書を開いたら「君と僕」の譜面が絶対にあるから。何百年経っても不滅の名曲だと思います。」と沖に対する賛辞を贈ったあとは、茂木自身がボーカルを務める「銀河と迷路」が披露される。

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「Paradise Has No Border」のイントロが流れだすと一際大きな歓声があがり、GAMO(T.Sax)が激しくオーディエンスを煽ってさらなる熱狂を生みだしていく。GAMO(T.Sax)が突然「今夜のスペシャルゲストを紹介します!フジファブリック!」と叫び、フジファブリックをステージに呼び込むと、完全シークレットだったこともありオーディエンスから大歓声が沸き起こる。会場中がハンドクラップに包まれるなか、ステージ中央で山内総一郎(Vo/G)、金澤ダイスケ(Key)、加藤慎一(B)のフジファブリックの3人をスカパラ9人が取り囲み、お立ち台に立った山内総一郎(Vo/G)が「Paradise Has No Border」のテーマをギターで奏でる。

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山内総一郎(Vo/G)が「ボクらとスカパラは今は深い関係にならせていただいているんですけど、そのきっかけになった曲をやりたいと思います。」と言って「Surfer King」が披露されると大歓声が沸き起こる。「Surfer King」は2007年にフジファブリックがリリースした8枚目のシングルで、レコーディングにはスカパラからNARGO(Tp)、北原雅彦(Tb)、GAMO(T.Sax)の3人が参加しているが、この日はスカパラメンバー9人全員が参加するかたちで披露された。

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茂木欣一(Dr)が「フジファブリックのみんなともう1曲いきたいと思うんですけど」と次に披露する曲について語りはじめる。今年3月にリリースされたスカパラ初のトリビュートアルバム「楽園十三景」に13組のアーティストのなかの1組としてフジファブリックが参加してくれたこと。参加してくれた楽曲は今からちょうど20年前の楽曲で、スカパラ初代ドラマー青木達之が亡くなったあとにレコーディングされた曲であり、茂木欣一がはじめてスカパラと一緒にレコーディングした曲であったことを告げる。
茂木欣一(Dr)の言葉を受けて、山内総一郎(Vo/G)もその楽曲を選曲した理由について語りはじめる。
フジファブリックも志村正彦が亡くなってから今年で10年になること。スカパラにも亡くなってしまったクリーンヘッド・ギムラや青木達之という大切なメンバーがいて、亡くなったメンバーとも今なお一緒に歩んでいること。フジファブリックよりも一歩先を常に歩き続けているスカパラのことをカッコイイバンドの先輩としてずっと憧れていること。カバーしたい曲はたくさんあったけれど強い想いの込められた魂の曲をカバーしたいと思ったことなどが告げられる。


茂木欣一(Dr)が「この曲は志村くんやギムラさん、青木さんにも届くような気がします」と言うと、山内総一郎(Vo/G)も「届けたいですね」と答える。披露された曲はもちろん「戦場に捧げるメロディー」だ。
照明が落とされたステージから12人の男たちの魂が込められたアンサンブルと優しくも力強い山内総一郎(Vo/G)のボーカルが静謐な場内を包み込む。

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フジファブリックの3人をステージから送り出したあと、NARGO(Tp)のピアニカを合図に「SKA ME CRAZY」が場内に再び熱狂を引き戻す。加藤隆志(G)の「モンキー・パンチ先生に捧げます」の言葉通り、哀悼の意が込められた「ルパン三世’78」が披露されると会場中のオーディエンスが拳を振り上げスカパラの激しい演奏に呼応していく。


暗闇のなかで感情を揺さぶるような沖祐市(Key)のピアノソロが鳴り響き、その流れのまま「水琴窟」へ突入し、超絶なプレイを沖祐市(Key)が披露する。
ライブも終盤へ差し掛かりさらに白熱したステージが展開されていく。茂木欣一(Dr)のカウントを合図に最新曲の1曲である「遊戯みたいにGO」を披露したあとは、大森はじめ(Per)の掛け声を合図に30年前からのライブの鉄板曲「スキャラバン」で会場中を踊らせていく。


谷中敦(B.Sax)は30周年イヤーを迎えられたことに対する感謝の想いをオーディエンスに伝えたあと、「たくさんの出逢いもあったし、海外でライブが出来たり、いろいろな人とコラボが出来たり、毎年どんどん楽しくなるし、良いことばっかりだけど、メンバーを亡くしたときはこのあとどうなるんだろうってくらい本当にピンチで、そんなときでも自分たちで続けていこうと何とか光を見つけるように進んできました。そんな光を全部集めるように歌いたいと思います。」とさらなる想いを吐露して「Glorious」が披露された。スカパラメンバーの想いに応えるかのように会場中のオーディエンスが飛び跳ね腕を振り上げている。

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その勢いのまま沖祐市(Key)のアコーディオンから川上つよし(B)の掛け声を合図に30年間色褪せることなくオーディエンスを踊らせてきた「ペドラーズ」が披露され本編が終了となった。


アンコールでは加藤隆志(G)が「このツアーではあまり演らなかった曲を演りたいと思います」と「Pride of Lions」が披露され、谷中敦(B.Sax)と加藤隆志(G)のツインボーカルが場内に力強くも爽やかに響く。


メンバー紹介の際、加藤隆志(G)がこの日のライブでフジファブリックと一緒に「戦場に捧げるメロディー」を演奏できたことが本当に嬉しいと感謝の想いを伝える。


「スカパラの大切な曲を歌ってもらおうと思って、もう1回フジファブリックの総くんに来てもらおうかな」と谷中敦(B.Sax)が山内総一郎(Vo/G)を再びステージに呼び込み、2002年に奥田民生をゲストボーカルに迎えたスカパラの名曲「美しく燃える森」が山内総一郎(Vo/G)のボーカルで披露された。


ギターを掻き鳴らしながらステージ中央に出てきた加藤隆志(G)が「30周年これからもよろしく!」と叫び、この日最後の曲となった「White Light」が披露される。ステージ上の9人も超満員のオーディンスもすべてを出し切り、ライブの幕は閉じられた。

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30年間変わることなくポジティブなエネルギーしか放出していないスカパラのライブ。


今年の夏も数多くのフェスに出演したあとは、11月から2020年3月にかけて全国ホールツアーの開催が決定している。ツアータイトルは『30th Anniversary Tour 「TOKYO SKA 30 ~ズレたままハジキ飛ばしていこう~」』 。

 

なんともスカパラらしいタイトルだが、デビュー30周年を迎えた今なおシーンの最前線を全速力で駆け抜けているスカパラが、新たな全国ツアーで今度はいったいどんなライブを魅せてくれるのか楽しみに待とう。

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