2019.10.16 公開
【ライブレポート】 X JAPAN・YOSHIKIの元に最強の無敵バンドが大集結!hideに美しい音色で「HURRY GO ROUND」を届ける!〈テレビ朝日ドリームフェスティバル2019〉

X JAPAN・YOSHIKI ©テレビ朝日ドリームフェスティバル2019  画像 1/7

2011年より毎年開催されているテレビ朝日主催の音楽ライブイベント、テレビ朝日ドリームフェスティバル(通称:ドリフェス)が幕張メッセ国際展示場ホールにて開催された。台風19号の影響により、2日目からの開催となったものの、ラストを飾る14日(祝・月)は予定通り開幕。ヘッドライナーを務めるYOSHIKIのライブレポートをお届けする。

ドリフェス最終日、場内から聞こえてくるYOSHIKIコールとともに映し出されたオープニングビデオは、YOSHIKIの生き様がショートフィルムのようにまとめられ、強いメッセージが込められたものだった。

人はいずれ死ぬが作品は永遠に残るということ、
今は亡き仲間のためにやるべきことがあること、
生命と引き換えに芸術を創り上げていくこと、

激しく美しく、さまざまな想いが込められた約10分間にも及ぶ映像が終わり、歓声とともに登場したのは、白ジャケットと黒のレザーパンツ姿でピアノの前に座るYOSHIKIの姿。彼が手掛ける音楽プロジェクトViolet UKのボーカルKatieが歌う「HERO」からYOSHIKIの華麗なるショーが幕を開けた。

【ライブレポート】 X JAPAN・YOSHIKIの元に最強の無敵バンドが大集結!hideに美しい音色で「HURRY GO ROUND」を届ける!〈テレビ朝日ドリームフェスティバル2019〉X JAPAN・YOSHIKI ©テレビ朝日ドリームフェスティバル2019  画像 2/7

歌が終わり、一瞬の静まりからスクリーンに映し出されたのは、今は亡きX JAPAN
のメンバーhide。生前に活躍していた頃のライブ映像にオーディエンスの視線が集まると「もし自分がhideに声を掛けていなかったら、彼は生きていたかもしれない」という言葉が耳に響いていく。複雑な思いを映像の中で語るその傍らでYOSHIKIが弾き始めたのは、hide with Spread Beaverの楽曲「HURRY GO ROUND」。YOSHIKIからhideへのギフトのような、穏やかで美しい音色が場内を包み込んでいった。

 

「ドリームフェスティバルにようこそ。記憶に残るコンサートができればと思います。みんな台風大丈夫だった?吹き飛ばすくらいの気持ちで……」と優しく語りかけてからの「気合い入れていくぞ!!!」と鋭いシャウトで一気に会場をピリッと引き締めていく。さらに次曲の「Red Swan」では、ボーカルを務めるHYDEの代役として指名された清春がスペシャルゲストとして登場。HYDEとはまた違う歌声に満足気な様子で「清春、来てくれてありがとうね」とYOSHIKIが感謝の言葉を伝えたところで、なかなかお目にかかれない貴重な2人のトークがスタート。1週間前に急遽この話が決まったことなど今回の経緯を暴露しつつ、「間違えたらどうしようというプレッシャーと、ピアノで歌うことがほぼない。普段、歌詞を覚えないから200%稼働しました(笑)」とYOSHIKIとのコラボについて清春が笑顔で答えた。

清春がステージを去った後も、X JAPANToshlをはじめ、HYDEや清春など素晴らしいアーティストと音楽ができることを嬉しく思うと声にしたYOSHIKI。さまざまなアルバムや楽曲制作に携わる多忙な日々を送りつつも、X JAPANのアルバム制作が終わっていることをサラッとコメント。「俺が言ってもあまり信じてもらえないけど」と笑いを添えながらも口にするあたり、近い未来にニューアルバムの登場が期待できるのかもしれない。

X JAPAN・YOSHIKI ©テレビ朝日ドリームフェスティバル2019  画像 3/7

そしてライブ中盤は、バラードナンバーをお披露目。今年5月にフランスパリで開催されたJAPAN EXPOで歌われた「RED Rhapsody」、X JAPANのライブでオープニング曲としても使われる「Miracle」の演奏を終えたところで再びYOSHIKIのMCタイム。

「4歳でToshlと出会い、PATATAIJIhideと出会い、無限の可能性に向かって何も怖くなかった。大きくなる中で壊れてしまい、バンドは解散してhideが他界。X JAPANは復活したけど、こうしてhideと共演するとは思わなかった」

ゆっくりと紡いでいく言葉の先には、お酒を飲むたびにhideと会話をしている自分がいること、そして今も変わらず心の中にhideがいることを話すYOSHIKIhideTAIJI、そして父親に捧げる歌として選ばれた「WITHOUT YOU」をピアノで弾きはじめる……。と思ったところで、なんとモニターが衣装に引っかかるというプチハプニング。しんみりしていたところで、ナチュラルに笑いを取ってしまうところが、何ともYOSHIKIらしいのではないだろうか。「あなたのいない世界」そんな意味を成すこの曲を終える頃には、温かな拍手が贈られていた。

そしてX JAPANを語る上で忘れてはならないのが「紅」。YOSHIKIの提案からオーディエンスの携帯のライトをオンにしてプラネタリウムのような星空を即席でつくると、静寂な空間に向かって力強く訴える。

「今からさ、紅って曲をやろうと思うんだけど。失ってしまった友人や家族がいるかもしれないけど、キズを持って生きている人もいるかもしれないけど、今からそんな気持ちを声にして歌ってみようよ、みんな歌ってくれる?」

YOSHIKIのピアノを伴奏に、携帯ライトを振りかざしながら大合唱。ピアノを引き終わり移動した先には、神々しい光に照らされながらドラムの上に佇むYOSHIKIが降臨した。言うまでもなくこれを意味するのはYOSHIKIのドラムパフォーマンス。絶対音感と絶対リズムで叩き出すスネアドラムの高速連打に合わせて、スモークやクラシック音楽、ソプラノの歌声など、さまざまな要素が絡み合い、特殊なサウンドで魅了した。

ライブ後半でお披露目された「KISS THE SKY」では、SUGIZOが奏でるバイオリンの音色にのせてYOSHIKIが歌を歌うという珍しい場面も。そのままピアノに駆け寄り、Katieの歌声とSUGIZOのバイオリンが折り重なるアンサンブルが響き渡るこれまでにはない貴重な演奏となった。続く「ART OF LIFE」でも、管楽器とのコラボレーションを演奏するYOSHIKI。どんなに破壊的な音を出しても、最後にはひとつの芸術かのように美しくまとめてしまう才能は、もはや異次元レベルとも言えるだろう。

【ライブレポート】 X JAPAN・YOSHIKIの元に最強の無敵バンドが大集結!hideに美しい音色で「HURRY GO ROUND」を届ける!〈テレビ朝日ドリームフェスティバル2019〉X JAPAN・YOSHIKI ©テレビ朝日ドリームフェスティバル2019  画像 4/7

そんな異彩を放つYOSHIKIだが、今年は被災地へのチャリティ活動として寄付だけでなく実際に自分の足で被災地へ行き、瓦礫の撤去作業を行ったのだとか。身体はボロボロだけど気持ちは充実していると感じるその裏には、他人を助けること=自分を助けることに繋がっているという実感があったからだと語り、今このステージに立てるのは皆のおかげだとファンに向かって感謝の意を述べた。

無限の愛を込めて演奏する最後を締めくくる楽曲は、X JAPANの名曲ともいわれている「ENDLESS RAIN」。心を揺さぶるピアノとバイオリンが重なり合う感動的なラストソングとなった。

全ての楽曲を終えたところで、ふとYOSHIKIが目に留めたのはステージ裾から様子を伺っていたSUGIZOの存在。「俺のこと見守ってくれていたの?(笑)」とYOSHIKIが話し掛けると「乱入していいですか?」とSUGIZOがYOSHIKIの元へ歩み寄り「恋しくて恋しくて(笑)」とラブコール。さらに「一発、激しいヤツやった方がいいんじゃないですか?」とコレでは終われない宣言をYOSHIKIに投げかけると、少し考えて「LUNA SEAメンバー残ってる?リュー(RYUICHI)いる?GLAYのメンバー残っている?」と呼びかけた。YOSHIKIからのご指名で再登場したLUNA SEAとGLAYに向かって「元気?なんか同窓会になってきたな」「わらわら集まってきた(笑)」とYOSHIKI、SUGIZOが笑いながら「元気?」と握手を交わしていく。さらにTHE ORAL CIGARETTES、SCANDAL、ゴールデンボンバー、清春までも呼び入れ、ドリフェス出演者全員が総出でステージに上がるという事態に。そしてここで終わらないのがYOSHIKIの凄さ。駆けつけてくれたバンド仲間をステージに上げ、端から端まで埋め尽くすまでの人数に膨れ上がった最強のビジュアル系バンド集団「無敵バンド」が集結した。

【ライブレポート】 X JAPAN・YOSHIKIの元に最強の無敵バンドが大集結!hideに美しい音色で「HURRY GO ROUND」を届ける!〈テレビ朝日ドリームフェスティバル2019〉X JAPAN・YOSHIKI ©テレビ朝日ドリームフェスティバル2019  画像 5/7

「ビジュアル系って、みんな見た目が物騒なんだよね(笑)」と言いながらも「そうか、こんなに集まってくれたか!この旗を見て!無敵という旗!!」と嬉しそうに叫ぶYOSHIKI。マイクを任されたTERUと鬼龍院翔が「幕張ー!最後まで!熱くいこうぜ!」と一喝すると、HIDEが愛用していたイエローハートのギターを手に「今日はHIDEも一緒だ!」と叫んでYOSHIKIがギターを演奏。「台風なんか吹っ飛ばすぞ!負けんなよ!」と煽りを入れたところで「WE ARE X」の雄叫びが響き渡った。無敵バンドによる「X」は、まさにお祭り騒ぎ状態。錚々たるメンツが肩を抱き合いながら圧巻のライブパフォーマンスを魅せると、オーディエンスもXジャンプにXコールで大はしゃぎ。命を削る勢いで魂の奥底から叫び続けるYOSHIKIのXコールが何度も何度も響き渡り、幕を閉じた。


テレビ朝日ドリームフェスティバル2019
YOSHIKI セットリスト:
Opening Video
M1. HERO
M2. HURRY GO ROUND
M3. RED SWAN
M4. RED RHAPSODY
M5. MIRACLE
M6. WITHOUT YOU
M7. 紅
M8. DRUM SOLO
M9. KISS THE SKY
M10. ART OF LIFE
M11. ENDLESS RAIN
M12. X

【ライブレポート】 X JAPAN・YOSHIKIの元に最強の無敵バンドが大集結!hideに美しい音色で「HURRY GO ROUND」を届ける!〈テレビ朝日ドリームフェスティバル2019〉X JAPAN・YOSHIKI ©テレビ朝日ドリームフェスティバル2019  画像 6/7 【ライブレポート】 X JAPAN・YOSHIKIの元に最強の無敵バンドが大集結!hideに美しい音色で「HURRY GO ROUND」を届ける!〈テレビ朝日ドリームフェスティバル2019〉X JAPAN・YOSHIKI ©テレビ朝日ドリームフェスティバル2019  画像 7/7

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