11月9日(土)と10日(日)、お笑いタレントのバカリズムがパーソナリティーを務める音楽番組「バズリズム02」が発信する「バズリズム LIVE 2019」が開催された。今年で5回目となるこのイベントの2日目、フジファブリックのライブの様子をレポートする。
今年2019年はデビュー15周年を迎え、10枚目のフルアルバムもリリースしたフジファブリック。本イベントではフジファブリックとしてのパフォーマンスはもちろんのこと、番組内で企画されたバカリズムとのコラボ楽曲も披露されるとのことで注目が集まった。バカリズムがアーティストと組んで曲をリリースするのは4度目だが、バンドとのコラボは今回が初。果たしてどのような楽曲が披露されたのだろうか。
フジファブリック「バズリズム LIVE 2019」 (PHOTO by山内洋枝) 画像 2/5
まずはフジファブリックが自身のバンドパフォーマンスを披露。1曲目は人気ドラマの主題歌にもなった『夜明けのBEAT』。ボーカル&ギターの山内総一郎は、1曲目からステージ端まで歩み寄り、颯爽と客席に手を振る。立て続けに演奏した2曲目『Green Bird』は、後半に向けて次第にテンションが高まる楽曲。どんどん活気を帯びるサウンドに、会場の空気も熱を増していく。曲の最後はキーボードの金澤が長いシャウトで印象的に締めくくられた。
「バカリズムライブ、最高です! 出演アーティストも最高ですが、今日来ているセンスのいいお客さんも最高ですよ!」山内がゴキゲンなMCを披露。また「歌番組とかでテレビに出ると緊張するんですけど、バズリズムは緊張よりも楽しさがいつも勝ってるんですよね」と番組の魅力を語った。さらに、イベントの元となっているこの番組については「アーティストと一緒に本気で音楽を考えているところが魅力だと思います」とコメントした。
MCを終えて次の曲は、ギターリフが印象的な『銀河』。「イェーイ!」山内のシャウトからのイントロ。そして曲が盛り上がっていく中でどんどんサウンドに厚みが増していく。こうしてフジファブリックの代表曲を立て続けに目の当たりにすると、彼らの曲はスケール感の大きなものが多いことに改めて気付かされる。
「まだまだ盛り上がって行けますかー!」間髪入れずに披露されたのは『LIFE』。強いメッセージを持ちながらも決してヘビーではない歌の世界観。そのバランスが実にフジファブリックらしい楽曲だ。リズミカルなバンドサウンドに対し、会場中が左右に手を振って応戦すると、山内はステージ端まで歩み寄りファンと間近に歌とギターを奏でる。
フジファブリック「バズリズム LIVE 2019」 (PHOTO by山内洋枝) 画像 3/5
「音楽は不況だとか言われていますが、みなさんを見て確信しました。まだまだ可能性はあると思います!」夢のあるMCからのラスト1曲は彼らを代表する『若者のすべて』。イントロから手拍子が会場にこだまする中、切ない青春ソングが展開。彼らのステージのラストを美しく締めくくった。
ここからは、ついにバカリズムとフジファブリックがコラボして生まれたユニット“フジファブリズム”の登場だ。バカリズムは、これまでもアーティストとコラボしたことはあるが、バンドとの楽曲制作は初の試み。3か月の制作期間の中で、どのような曲が生まれたのだろうか。暗転し、一瞬静まりかえる会場。そこにバカリズムを中心にフジファブリックのメンバーが再び集結し、一斉にスポットライトを浴びる。
「最初のイントロで、フジファブリックの曲とわかるものがいい」バカリズムの希望に答えるフジファブリックらしいイントロから曲がスタート。こわばった表情で、リズムに合わせようと必死の形相のバカリズムがモニターに大きく映される。一見、爽やかな青春ソングかと思いきや、曲のタイトルは『Tie up』。そう、テーマは“映画のタイアップ”だ。「バンドでは絶対に作れない曲」と山内が苦笑いしたバカリズムの詞に、フジファブリックのリズミカルなサウンドが融合。心地よいサビのリズムには、オーディエンスから自然と手拍子が湧き上がった。
ボーカルをとったバカリズムは、ギターを抱えているものの歌うのに必死の様子。それでも曲のクライマックスだけはギターを抱えてのエアギターをバッチリ披露し、最後はアーティストさながら、キリリとした声で「どうもありがとう!」とキメて会場を笑わせた。
フジファブリック「バズリズム LIVE 2019」 (PHOTO by山内洋枝) 画像 4/5
「僕、ちゃんとギター弾いてるように見えました?」演奏を終えたバカリズムはゴキゲンそのもの。日中のリハーサルではリラックスしていたのに、出番が近づくと大きな緊張感に襲われたとのことで、本番はかなりこわばっていたようだ。それでもフジファブリックとのコラボが実現し、自分の希望が反映された楽曲が生まれたことに満足げのバカリズム。曲の最中は緊張していたものの、歌い終えた後の彼の表情は充実感に満ちていた。そして最後にもう一度、キリリと「どうもありがとう!」のセリフを残してステージを去っていった。
(取材・文:バッキー大坂)
フジファブリック「バズリズム LIVE 2019」 (PHOTO by山内洋枝) 画像 5/5
11月10日
バズリズム LIVE 2019 DAY2
フジファブリック セットリスト
M1.夜明けのBEAT
M2.Green Bird
M3.銀河
M4.LIFE
M5.徒然モノクローム
M6.若者のすべて
フジファブリズム(バカリズム、フジファブリック)
M1.Tie up
なお、この日の様子は「バズリズム LIVE 2019」として
DAY1:11月29日(金)深夜 DAY2:12月6日(金)深夜 バズリズム02にて放送
CS:日テレプラス12月21日(土)20:00~
DAY1&DAY2 :5時間一挙放送される。