12月8日、川崎クラブチッタにて「hide Birthday Party 2019」が開催された。このイベントのチケットはソールドアウトで凄まじい盛り上がりをみせた。WWSチャンネルでは、Ra:INのライブレポートをお届けする。
X JAPANのメンバーであり、hideソロライブでのメンバ、hide with Spread Beaverの助っ人怪人としても活動。hideの信頼のおける片腕でもあるPATA。彼の率いるバンドがRa:IN。幕の裏側で続く。Ra:INのライブは幕が開くのを合図に始まりを告げた。冒頭を飾ったのは、身体を痛く切り刻む轟音を叩きつける「Happy」だ。重厚な音を叩きだしながら、「Happy」とタイトルを付けるセンスが冴えているPATAの野太いギターの旋律が嬉しく雄叫びを上げてゆく。重く歪んだ音の連なりは、ここで吠えることを楽しんでいた。
Ra:IN Photo by 上野宏幸 堅田ひとみ(nonfix creative) 画像 2/3
激しい唸りへさらに唸る音を重ねながら、演奏は「Summer of Love」へ。鳴り響く音が、触れた人たちの身体を熱く震わせる。重厚な音を塗り重ねながら、Ra:INは衝動と衝撃に満ちた楽曲を生み出していった。なんてブッ飛んだ熱い音を撃ち放つバンドだろう。その演奏に触発され、身体がずっと大きく揺れ続けていた。
魂を奈落へ落とすように、次に奏でたのが「Wish」。重厚でハード&ブログレッシブな音の刺激を抱いた楽曲だ。演奏は次第に熱と躍動を増してゆく。転調を繰り返しながら、どんどん熱を膨らませる演奏。ショルダーキーボードを携えたDIEも前に出て煽り出す。ロックの持つ衝動を投影しながらも、激しく豪快なドラマを描きだす額曲なのも嬉しい。
Ra:IN Photo by 上野宏幸 堅田ひとみ(nonfix creative) 画像 3/3
触れた人たちの気持ちを心地好く開放するように、「Within'You」を奏でる。心に翼を与え、微笑みを相棒に、hideの元へ気持ちを連れていった。とても晴れた心模様を感じながら、誰もが心の翼を大きく広げ、空へと羽ばたいていった。頭上高く掲げ、大きく左右に振った手が、羽ばたく翼のようにも見えていた。
最後に、ふたたび会場中に魂を熱く震わせる熱狂を描き出そうと「382」をぶつけてきた。激しく唸る音が重なりだし、意識を混濁させてゆく。その熱にヤラれるのなら、いくらでも意識が混濁しようが構わない。僕らは、ただただその熱に浮かれていたかったのだから。
(取材/文:長澤智典)