世界中のトップアーティストが出演し、 独創的で個性あふれるアコースティックライブの源流としてその歴史を刻んできた「MTV Unplugged」。 日本制作としては宇多田ヒカル、 平井堅、 加藤ミリヤ、 VAMPS、 KinKi Kids、 ゲスの極み乙女。 など、 一流アーティストが登場しいつものライブとは一味違うパフォーマンスを披露してきた
今回出演したのは、 「鋼と硝子でできた声」と称される歌声と、 叙情的あふれる歌詞、 そして琴線に触れるメロディーで幅広い層から支持されている 秦 基博。
2006年のデビュー後、 「鱗(うろこ)」「アイ」などで注目を集め、 2014年にリリースした「ひまわりの約束」が大ヒットを記録。 これまでには、 自身の原点ともいえる弾き語りを軸とした活動も多く、 弾き語りベストアルバム『evergreen』のリリースや、 アコースティックライブシリーズ「GREEN MIND」の開催、 日本各地の世界遺産での野外公演、 たった一人全編弾き語りで行なった日本武道館公演など、 バラエティに富んだパフォーマンスを展開している。
12月11日には約4年ぶりとなるニューアルバム『コペルニクス』をリリース、 この度の「MTV Unplugged」は、 リリース直後の絶好のタイミングとなり、 ライブではアルバム収録曲と自身の代表曲など、 新旧織り交ぜた贅沢なセットリストで、 250人のオーディエンスを魅了した。
このライブの模様は 2020年1月25日(土)夜7時よりMTVにて放送。
また、 スカパー! でMTVを新規加入されたお客様から抽選で、 合計5名様に 秦 基博のサイン入りオリジナルポスターが当たるキャンペーンを実施する。
●『MTV Unplugged: Hata Motohiro』概要
・収 録 日:2019年12月16日(月)
・収録場所:Billboard Live OSAKA
・番組放送:1月25日(土)19:00-20:00、 1月31日(金)18:00-19:00
●セットリスト
1. ひまわりの約束
2. Fast Life
3. 聖なる夜の贈り物
4. Joan
5. 赤か゛沈む
6. 仰け゛は゛?空
7. 鱗(うろこ)
8. 初恋
9. シンクロ
10. Raspberry Lover
11. 9inch Space Ship
12. Girl
13. アイ
ポスタープレゼントキャンペーン
内容:秦 基博のサイン入りMTV Unpluggedオリジナルポスターを計5名にプレゼント
応募期間:12月17日(火)12:00~2020年1月31日(金)23:59
応募資格:12月1日(日)~2020年1月31日(金)までの期間、 スカパー!にてMTVを新規ご契約いただいた方
詳細: http://www.mtvjapan.com/event/unplugged/hata-motohiro
MTV Unpluggedとは
「MTV Unplugged」は、 “プラグを抜いた”の意の通り、 アコースティックな手法とオーディエンスとの親密な距離にこだわり、 独特の緊張感と一体感に包まれたライブ空間を実現する、 MTVが誇る大人気企画です。 1989年にニューヨークで初めて実施されて以来、 エリック・クラプトンやマライア・キャリー、 オアシスといった音楽界のスーパースターから、 アデル、 ケイティ・ペリー、 アダム・ランバートらポップシーンの実力派まで、 100組を超えるアーティストが出演し、 音楽ファンのみならず、 アーティストや音楽業界全体に熱烈な「Unplugged」ファンを生み出してきました。 ライブCD「アンプラグド~アコースティック・クラプトン」で、 エリック・クラプトンが1992年グラミー賞の「アルバム・オブ・ザ・イヤー」以下6部門を独占するなど、 数々の記録やエピソードを生み出してきたことでも知られ、 「出演できるのは一流の証」とさえ言われています。 日本制作ではこれまで宇多田ヒカル、 平井堅、 矢井田瞳、 布袋寅泰、 KREVA、 長瀬智也、
絢香、 Salyu、 加藤ミリヤ、 JUJU、 Chara、 the HIATUS、 西野カナ、 長渕剛、 中島美嘉、 VAMPS、 高橋優、 水樹奈々、 木村カエラ、 KinKi Kids、 ももいろクローバーZ、 生田絵梨花(乃木坂46)、 ゲスの極み乙女。 、 Little Glee Monster、 徳永英明などが出演しています。
ライブレポート
MTVの人気シリーズ『MTV Unplugged』に秦 基博登場――と聞いて「待ってました!」とヒザを打った音楽ファンも多いことだろう。 弾き語りを筆頭に秦の音楽にはアコースティックギターが欠かせないし、 アコースティックセットを中心としたライブシリーズ「GREEN MIND」もデビュー直後から定期的に開催してきた。 そんな“アコースティック道”を極めてきた彼が、 数々の名演が行われた夢の舞台で何を見せるのか?――12月16日(月)のBillboard Live OSAKAは、 クリスマス前の華やぎに加え、 詰めかけたオーディエンスの期待感であふれていた。
フラリとステージに登場した秦はアコギを抱えると、 何も言わず聞き慣れたリフを弾きはじめた。 挨拶代わりの 「ひまわりの約束」 。 繊細なタッチと彼独特の深みのある声がこれ以上ないブレンドを見せる。
「あこがれの『MTV Unplugged』、 Billboard Live OSAKAでのライブも初めてになります。 みなさんにはゆっくり楽しんでいってもらいたいと思います」
MCを挟み弾き語り形態のまま 「Fast Life」 へ。 こちらは 「ひまわりの約束」 から一転、 激しいカッティングにラップのようなボーカルスタイル。 冒頭から対極的な2つの顔を描き出す姿に、 この先のライブがどんな展開を見せるのか期待はさらに高まる。
そこからは1曲ずつバンドメンバーを迎える形で進んでいった。 まず、 ピアノのトウミ ヨウトオミ ヨウと2人で 「聖なる夜の贈り物」 。 心を込めた歌いぶりは、 観客に向けた歌のクリスマスプレゼントのようである。 次に登場したのはパーカッションの朝倉真司。 実は秦は4年ぶりとなるオリジナルアルバム『コペルニクス』を5日前に発表したばかりで、 今回は発売後初のライブとなる。
「アルバムでもこの3人でレコーディングした曲があって、 今日はオリジナルメンバーでお送りします」
演奏された 「Joan」 はトオミのアコーディオンに朝倉のコーラスが重なり、 あたたかな空気を作り出す。 そんなぬくもりから急転、 ベースの鈴木正人とマンツーマンでの 「赤が沈む」 は荒々しいベースラインとスリリングなセッションを見せつけたのだった。
次に参加したのはバイオリン・室屋光一郎とチェロ・水野由紀。 秦と共に最新作のサウンドプロデュースを担当したトオミのピアノに先導され、 「仰げば青空」 に突入する。 2本の弦は情感を引き立て、 地下のライブスペースに澄んだ青空を映し出す。
続く 「鱗(うろこ)」 は秦の代表曲のひとつだが、 これをバイオリンとアコースティックギターの伴奏のみで披露したのには驚いた。 このできるかぎり装飾を削ぎ落としたギリギリのアレンジこそ、 『MTV Unplugged』に臨むにあたって秦が仕掛けたチャレンジなのだろう。
「それでは次の曲から全員集合でお送りします」の声で壇上にはミュージシャンが勢揃いした。 しっとりと演奏された 「初恋」 は、 テンポを落としたことで過去の記憶を噛みしめるドラマチック成分が増した気がする。 デビュー曲の 「シンクロ」 は大胆にもボサノバ調にリアレンジ。 デビュー13年後の遊び心と音楽性の拡がりにうならされる。
意外といえば最新シングル 「Raspberry Lover」 にも度肝を抜かれた。 チェロを基調に再編曲。 アコースティックなのにサスペンスフルというこの世界観は他に類を見ないものだ。 そしてアルバムからもう1曲「 9inch Space Ship」 。 メンバー一丸となっての力強い演奏に心が高く舞い上げられる。 そのポジティブな高揚感は空へと羽ばたく 「Girl」 の浮遊感に昇華され、 ひとりひとりメンバーを紹介しながら送り出すと、 舞台の上には再び秦ひとりが残された。
秦はここで「今回はあこがれの『MTV Unplugged』に呼んでもらえて本当に嬉しかったです」と感謝を述べたが、 “あこがれの”という言葉を二度も口にしたところにもこのライブに対する並々ならぬ想いが感じられる。 「アコースティックというスタイルは僕の原点。 今回はたっぷり聴いてもらえて嬉しかったです」。
最後に歌ったのは、 冒頭と同じ弾き語りでの 「アイ」 。 この曲の秦の歌への集中は凄まじく、 まさに 「アイ」 の歌詞にある〈ただの一秒が永遠よりながくなる〉を実感させる瞬間があった。 Unpluggedだからこその、 むき出しの魂、 嘘偽りのない心の叫びがそこには表れていたのである。
秦 基博の『MTV Unplugged』は楽曲の緩急に新旧のセレクション、 さまざまな形態でのセッションなど、 自らの持ち味を総動員した極めて完成度の高いメニューだった。 そこにこの日限りの濃密なテンションが加わったパフォーマンスは、 秦にとっても、 『MTV Unplugged』の歴史にとっても新たなる金字塔となったに違いない(text:清水浩司 )