これは、メンバーにとっても悩みに悩んだうえでの決断だった。先に発表した全国ツアーの中止に加え、このたび、初のスタジアム公演の場として夢と熱意を注ぎ続けてきた、5月23日に横浜スタジアムで行なうツアーのファイナル公演も中止することを決断。ここに、発表となった。
2月27日に流れた動画とニュースを、すでにあなたはご覧になっただろうか。映像を見ればわかるように、今回の決断を一番悔やんでいるのはメンバー自身であることを先に伝えておきたい。
現在、スタンディング会場を舞台に行なっている「M.S.S Project Tour 2020 PERIOD -The Next Phase-」ツアーも、すべては5月23日に横浜スタジアムで行なうグランドファイナル公演へ向けてのものだった。本来なら、そこで「次の段階」へ進む姿を示し、集まった仲間たちと一緒に「新しい世界」へ踏み出そうと4人は思っていた。いや、そのために早くから、今も、水面下で準備を進めてきた。
だが、日本どころか、世界中に猛威を奮う存在を前に、メンバーらは一つの決断を下すことにした。何故なら、一番大切にしなければいけないのは「自分たちの夢」ではなく、「自分たちを支えてくれる仲間たち」の存在なのだから。みんなの心に不安を抱えたまま未来への航海へ乗り出してしまったら、応援してくれる仲間やメンバー自身が後悔するとの想いから、M.S.S Projectの4人は一つのアナウンスを行なった。それが、先にも触れた
2月27日以降、「M.S.S Project Tour 2020 PERIOD -The Next Phase-」ツアー5公演を中止。加えて、5月23日・横浜スタジアム公演を舞台にしたGRAND FINAL公演も中止に。とくに横浜スタジアム公演は、M.S.S Projectにとって初のスタジアム会場での開催。4人にとっても大きな挑戦であり、同時に、野外という開放感あふれる空間を舞台に行なうことから、アリーナ公演とは異なる様々な演出や、その空間だからこそ生まれる一体感を求めた内容を練り込み続けてきた。すでに水面下でいろんな下準備を行なっていただけに、今回の中止は、メンバー自身とても残念がっていたのも事実。
今回はまさに苦渋の選択だった。とはいえ、一度の中止で仲間たちとの絆が壊れるわけではない。それを4人は信じているからこそ、またふたたび「笑顔」でみんなと想いを感じあうために、今回は「中止」という一つの道筋を示すことにした。ただし、そこはファン想いのM.S.S Projectだもの。これからのライブを楽しみにしていた人たちは、もちろん。今回のツアーのチケットを手に出来なかった人たちが少しでも笑顔になってくれるようにと、嬉しい報告も用意してくれた。それが、3月4日(水)Zepp DiverCity公演を、無観客ライブとして生配信することだった。
本来、ツアーのファイナル公演だったこの日のライブを、「みんなが会場へ足を運べないのなら、俺らが会場からライブをみんなの手元に届ける」という想いを胸に、4人は生配信することにした。むしろ、何時ものM.S.S Projectらしいコミュニケーションの方法だ。たまたまその場所や規模が何時もよりも大きいということ。この報告に狂喜している人たちも多いのではないだろうか。ファンたちを悲しませたくないからこそ選んだ手法とはいえ、結果的に、今回のツアーを観られなかった人たちにも、笑顔浮かぶ場をM.S.S Projectは用意してくれたわけだ。
どんな状況へ置かれようが、みんなと笑顔を分かち合うためにどんな最善の方法を取れるのか。そのうえで、M.S.S Projectが示した一つの誠意。今度はそれをみんなで受け止め、会場にいる4人へ投げ返そうじゃないか。声は届かなくとも、文字はきっと見えているはずだ。その言葉で想いをぶつけながら、一緒に熱を作り上げようじゃない。その熱は、いくら高くなっても安全安心だからさ。
(文:長澤智典)
★インフォメーション★
『【M.S.S Project Tour 2020 PERIOD -The Next Phase- 】Zepp DiverCity 無観客ライブ!!生配信』配信ページ
配信日時:2020年3月4日(水) 19:00~(予定)
配信URL:
https://www.youtube.com/watch?v=QDICGrjSTj4