横浜アリーナでの公演は、彼らにとっての長年の夢でもあったニューヨーク・マディソン・スクエア・ガーデンでの公演(2014年10月11日)の前哨戦として昨年9月30日と10月1日の両日にも行われているが、今回はなんと四夜連続での公演。
チケットの飢餓感を募らせたファンの間で当然のごとく争奪戦となった。ちなみに、同じ会場での四夜連続公演というのは、X JAPAN史上初の試みでもある。
オープニングのSEが聴こえ始めると、巨大アリーナの場内には歓声が渦巻き、Toshl、PATA、HEATH、SUGIZO、そしてYOSHIKIの5人が配置につくと、1曲目には「JADE」が披露され、オーディエンスの興奮は早くもピークへと到達。フロントマンであるToshlが客席を挑発すると、その熱狂ぶりにはさらに拍車がかかった。
「Forever Love」や「紅 Kurenai」といった名曲の応酬。それに伴う大掛かりな演出の連続。アンコール最後には「Art of Life」が炸裂。劇的で激烈なライブは幕を閉じた。
ファンに求められる往年の名曲、このバンドのライブに欠かせないキラー・チューンの数々に網羅された演奏プログラムのなかで、当然ながら先頃配信リリースされた最新シングル「BORN TO BE FREE」も重要な役割を果たしていた。
ファンも大歓声と大合唱の連続でそれに反応。今から3ヶ月後、新たな名盤登場に全世界が共鳴することは間違いないだろう。バンドはその発売日の翌日にあたる3月12日、ロンドンはウェンブリーアリーナにて、新作発表後初の公演を行うことになっている。
X JAPANの横浜アリーナ公演は12月4日まで続き、その後、バンドは大阪、福岡、広島、名古屋の各地で転戦する。
去る8月に行われた記者会見において、YOSHIKIは「今、過去のどんな時よりも強い、いちばん最強のX JAPANであれていると思う。」と語っていたが、この夜のライブは、まさにその最強状態を裏付けるかのような充実度の高いものだった。
先月26日には大晦日のNHK「紅白歌合戦」への18年ぶり、通算6回目の出演決定も発表されるなど話題には事欠かないX JAPANだが、これから重ねられていく各公演での動向にも注目したいところである。