(©VISUAL JAPAN SUMMIT 2016 Powered by Rakuten)
10月14日、ビジュアル系ロックバンドの祭典『VISUAL JAPAN SUMMIT 2016』が幕張メッセにて開催された。SUMMIT STAGEの終盤にはGLAY、LUNA SEAが圧倒的なステージを見せて十分に熱くなったステージだが、まだ終われない。会場に響き渡る「We are X」コール。ついにX JAPANの出演の時を迎えた。
PATAの復帰後最初のステージ。X JAPAN完全復活のその瞬間を待ちわびたファンで埋め尽くされた会場は開始前からすでに熱気に満ちあふれていた。
YOSHIKI、Toshl、PATA、HEATH、SUGIZOがステージに姿を現すと割れんばかりの歓声があがる。そしてX JAPANステージは『JADE』からスタート。何度も立ち昇る炎と共にオーディエンスはありったけの思いをぶつける。しかしその全てを凌駕する爆発的なサウンド、響き渡るToshlのハイトーンボイス。X JAPANの世界に会場は、あっという間に支配された。
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PATAが腕を突き上げギターを弾き乱れる。復活のステージに気負いや不安を全く感じさせない。始まってしまえばそんな心配は無用である事を思い知らされるほどの圧巻の演奏でオーディエンスを魅了した。
「幕張ー!今日はお前達わかってるんだろーな?気合い入れていけー!」
Toshlの叫びに呼応し熱狂する会場へ、レーザーが入り乱れ、激しい爆発音と共に『Rusty Nail』が始まると待ってましたとばかりの声援があがる。オーディエンスの大合唱が会場いっぱいに響き渡る。X JAPANのステージはメンバーはもちろんの事だがオーディエンスの魂の歌声のエネルギーも凄まじい。会場一体という言葉がこれほど当てはまるステージはなかなか存在しない。
「ようこそVISUAL JAPAN SUMMITへ!」
Toshlが叫び大歓声が響く中、YOSHIKIが美しいピアノの音色を響かせ『Forever Love』が始まると一転、会場は静まり返りその一音一音に耳を傾ける。解放された心に優しく染み込んでくるサウンド。自然と涙を流す人も多く見られた。
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感動の拍手に会場が包まれる中、『紅』が始まる。そしてスクリーンにHIDEが映し出される。hideを見つめながら歌い始めるToshl。しかし感極まって言葉に詰まってしまう。するとToshlを応援する声と共にToshlの代わりに歌いだすオーディエンス。
「紅だー!」
立て直したToshlの魂の咆哮と共に圧倒的なサウンドが響き渡る。どの曲をとっても名曲揃い。そんなX JAPANの楽曲の中でも存在感抜群の名曲『紅』に会場は歓喜乱舞。オーディエンスもその歌声を存分に響かせ凄まじい量のエネルギーが会場に満ちあふれた。
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曲終わりで一旦メンバーが下がり、ステージ上はToshlとYOSHIKIが並んで座って語り始める。YOSHIKIが「朝から素晴らしいバンドが沢山出てくれて本当に感謝しています。ありがとうございます。」と感謝の気持ちを語る。
続いて「前回やったエクスタシー・サミットが24年前。どうですかToshlさん、当時の思い出は?」と問いかけるとToshlは「日本武道館でやって、初めてYOSHIKIと2人で花嫁衣装を着たっていうのがね。」と伝説の花嫁衣装を振り返ると、YOSHIKIが「そっか、今回花嫁衣装を持ってこなかったね。ちょっとスタッフの皆さん明日までに花嫁衣装を。あと一応SUGIZO用の着ぐるみもね。着ぐるみ・・・俺、ポケモンになろうかな?(笑)」と冗談まじりに話すと会場は笑いに包まれた。
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「PATAも元気になってね」とYOSHIKIが話し始めるとPATAが袖から姿を現す。「ホントに心配かけやがって。皆、酒飲むな、タバコ吸うなって言ってあげて。」と言いオーディエンスがPATAへ「酒飲むなー!タバコ吸うなー!」と声を揃えると、PATAは苦笑いでX印を作って袖へ消えていった。相変わらずマイペースを貫き通すのも何ともPATAらしい。
「まあ、こうやって長い月日が経って、こうやって仲間で一つの空間を分かち合えるのは本当に良いものだなと思って。今まで頑張ってきて良かったなってToshlと話してね。また自由に音楽をやって・・・本当に僕らX JAPANは幸せです。本当にありがとう。」
YOSHIKIが感謝の気持ちを話すと大きな拍手と歓声がその思いに応えた。
そしてここでドキュメンタリー映画『We Are X』のために書き起こされた新曲『LA VENUS』が披露された。「新曲のさわりだけですけど、やってみたいと思います。歌えるかな?」とToshlが控えめに話し歌い始める。YOSHIKIのピアノと共にワンコーラス歌い上げた『LA VENUS』はわずかな時間の中でもしっかりとオーディエンスの心を強く打った。まさに名曲とも言えるこの曲への期待度は高い。
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そんな予感を感じさせながらピアノの曲調が代わり、PATA、HEATH、SUGIZOが再びステージに姿を現し始まったのは『Born to Be Free』。自由に生きる強さ、そのエネルギーが存分に注がれたところでToshlが「オマエ達!今日はオマエ達が好きな肉弾戦だぜ!やるときゃやれよー!今日は無礼講だ!暴れん坊将軍で行けー!」と煽りオーディエンスのリミッターを解除する。
ここでついに最強にして最狂の名曲『X』が投下される。度重なるXジャンプで会場を大きく揺らしていく。そして何度も叫ばれる「We are X」コール。天井知らずに上がり続けるテンション。限界という言葉が意味を無くす唯一無二の絶対的空間が作り出される。YOSHIKIが渾身の力で銅鑼(ドラ)を叩きそして地面に銅鑼を叩き付けた。
「飛べー!思いっきり行けー!」
競り上がるドラムセットと共に演奏が再開し、ステージはまさに絶頂を迎えた。限界を超えたオーディエンスに「オマエ等よくやった!オマエ等、最高だー!」とToshlが絶叫しフィニッシュ。
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そしてX JAPANの過去の映像と共に降り注ぐ『ENDLESS RAIN』が優しく心に染み入ってくる。オーディエンスが大合唱を続ける中、演奏は完全に止まり無音の中での響き続けるオーディエンスの大合唱は、ここまで最高のパフォーマンスを魅せてくれたX JAPANへの最大のお返しでもある。メンバー全員がその歌声を全身で感じていた。最後にToshlが「ENDLESS RAIN」と振り絞るように歌いきると感動の拍手が響き渡った。
そしてラストナンバーは。『ART OF LIFE』。最後の最後まで大胆でありながら繊細で完成度の高いパフォーマンスで会場を圧倒し続けたステージは大感動のフィナーレを迎える。
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エンディングでは『Tears』が流れる中、全員が並び手をつなぎ何度も万歳をして喜びを爆発させる。「愛してるぜ!」YOSHIKIが溢れる思いをオーディエンスに伝え、X JAPANステージは幕を閉じた。
ビジュアル系ロックバンドの祭典の大トリに相応しい圧巻のステージで完全復活したX JAPAN。これからが本当の勝負と語るX JAPANは、これからも限界を超えた世界へ誘ってくれるのだろうと確信させられるステージとなった。
(取材/文:山岸一之)
10月14日 VISUAL JAPAN SUMMIT 2016
X JAPAN セットリスト
M1.JADE
M2.Rusty Nail
M3.Forever Love
M4.紅
M5.LA VENUS(新曲)
M6.Born to Be Free
M7.X
M8.ENDLESS RAIN
M9.ART OF LIFE