奇才を放つアーティスト、糸奇はなが、8月21日(金)から8月23日(日)、東京都渋谷区桜丘町にあるギャラリー「zakura」にて、自身初の個展「輪郭」を開催した。
これまでメディアをはじめ自身のSNSでも姿を明かすことはなく、音楽活動をはじめ、ゲーム創作、イラスト、版画、刺繍などの創作活動からモールス信号まで、様々な手法で独自の世界を発信してきた彼女。そんな彼女が開催する初めての個展となった。
普段のライブでは、幾何学模様など幻想的な映像を映した‘紗幕’にステージが覆われているため、なかなかその姿を見ることは出来ないが、本個展では、本人とファンが直接コミュニケーションを取れる、貴重な時間となったようだ。
個展は、今回のために書き下ろしたキービジュアルの「ぼくの輪郭を 知って。」、原画、創作過程の歌詞のメモや絵コンテと、大きく3つのカテゴリーに分けられ、手作りコーナーでは、ハーバリウムやロゼッタ、画集などが展示された。
「ぼくの輪郭を 知って。」は、これまでの糸奇作品の登場人物や、モチーフにまつわるものがたくさん描かれて散りばめたもの。その「僕の輪郭」の隣には、同じ構図になっていて、輪郭だけになっている絵が展示されている。「この二つが並ぶからこそ、何か感じるものがあると嬉しいなと思います。あったものが無くなっている。最初からなかったのではなくて、あったものがなくなったんだよ、という“不在”を感じていただきたい。」と糸奇は語った。
ファンは、「創作途中のメモなどを見ていると、すごく熱量が伝わってくる、糸奇さんをもっと知りたいという興味がどんどん湧いてきます」や、「絵はSNSでも観ていたが、実際に観ると線の繊細さなどもよくわかる」と、熱心に作品を見入っていた。
作品を購入した来場者には、ピアノの即興で創ったというインストゥルメンタルの曲が収録されたCDを、糸奇から直接プレゼントするという豪華なおまけもあり、糸奇のファンへの想いが伝わるようだった。
また、自らスマホを持ち、ファンにオンラインで作品を紹介していく時間を設けるという、展示会の新しいコミュニケーションの方法へも挑戦した。糸奇からファンへ、画面を通して直接行われる作品の説明に、ファンからの感嘆の声がダイレクトに返ってきていた。画集に直接サインする模様も配信。ファンはスマホ越しに直接本人から作品の説明を受けるという、他では味わえないスペシャルな体験となったようだ。
なお作品は全てSOLD OUT。お店の人曰く、「たいへん異例で、個展ではとても珍しいこと」だそうだ。
次回の個展はまだ発表されていないが、音楽活動とともに、これからの糸奇はなが表現する世界が、とても楽しみに待たれる。
糸奇はな 初個展「輪郭」
会場:渋谷zakura
会期:8月21日(金)~23日(日)
時間:13:00-20:00(23日のみ17:00まで)
入場料:無料
糸奇はな
海外生活をおくっていた小学生の頃にロンドンで観た「オペラ座の怪人」に衝撃を受け、憧れ、声楽を学んだ後にオリジナル曲の制作を開始。2012年頃から作品を発表しはじめ、京都市立芸術大学声楽科卒業を期に2015年春から本格的に音楽活動をスタート。
歌唱、作詞、作曲、アレンジ、打ち込み、楽器演奏(ピアノ、フルート、メロディカ、、)といった音楽にまつわる全てのことをひとりでこ なし、またそれだけでなくイラスト、動画、漫画、版画、刺繍、ゲーム作りからモールス信号まで、様々な手法で独自の世界を表現するマルチアーティストである。
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