LDHが仕掛けるライブエンタテインメント『LIVE×ONLINE』の第2弾となる『LIVE×ONLINE IMAGINATION』。オンラインならではの演出や映像を体験できるこの有料配信ライブ2日目に登場したのは、同ライブシリーズには初参戦となるBALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE(以下、BALLISTIK BOYZ)だ。この春スタートさせた全国ツアー『BALLISTIK BOYZ LIVE TOUR 2020 "BBZ"』がわずか3公演で中止となってしまったため、ツアーを見ることができなかったファンのために、この日のライブはツアーのセットリストを進化させた形でお届けするという。
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「GET HYPED」(“盛り上がる/興奮する”の意味)をテーマに掲げたこの日のステージは、ドラマティックな「ANTI-HERO'S」で幕を開けた。ワイルドなラップで同曲の切り込み隊長を務める海沼流星など、全員が白い衣装で身を固めている。ヒップホップ色が強く彼ららしい「BADDEST FIRE」に続き、サビでグループ名を連呼する「Most Wanted」では、監獄風のセットが登場。松井利樹が存在感の強い低音ラップで画面越しにオーディエンスを煽っていく。同曲からサポートとして加わったのが、LDHの弟分・PSYCHIC FEVER(アメリカ、韓国などさまざまなルーツを持つメンバーが集う8人組)だ。ステージ上から、あるいは柵越し、2画面でメンバーを追うなど、凝ったカメラワークで視聴者をぐっと引き込んでいく。計15人でパワフルに魅せる「Front Burner」に続き、高速ラップが特徴的な「44RAIDERS」では、カラフルなレーザー演出とドローンを駆使して映像でも攻めまくる。全員がマイクを持ち、ダンスやアクロバットにも長けた彼らだが、同曲で奥田力也をセンターに据えたダンスパートのキレは見事だった。
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DJ FummyによるDJタイムののち、各メンバーがソロを披露するDANCE TRACKへ。海沼がミニマム&スタイリッシュに、加納嘉将は力強く重厚に......と、各人が個性際立つダンスソロで魅せていく。最年長の日髙竜太と松井、深堀未来はそれぞれPSYCHIC FEVERの面々と組んで、シンクロ感のあるパフォーマンスを展開。奥田はR&Bサウンドをバックにしなやかかつセクシーに踊り、グループのレパートリーとは一味違う魅力を放つ。砂田将宏はジャジーなピアノをバックに、個性的なソロを披露。同ライブのコメント欄が特に盛り上がっていたのがこのダンスコーナーなのだが、砂田はグループ最年少にして「フェロモンの塊」と悲鳴が上がっていたほどだ。
奥田のラップとDJ Fummyのプレイが火花を散らすようなコラボに続き、ラッパーチームの奥田、海沼、松井による未発表曲を披露。オープニングでかけていた眼鏡を外して白いファーで登場した松井の変身ぶりも鮮やかだった。
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そしてボーカルチームの日髙、加納、深堀、砂田がしっとりとしたバラード「Crazy for your love」、ドラマ性の強い「Strangers」を続けて披露。特徴的なハイトーンを響かせる日髙など、それぞれの声の質感の魅力や等身大のセクシー感にもハッとさせられた。
ラッパー3人を中心に賑やかなMCタイムがスタートしたが、この夏に配信リリースされた爽快感溢れるナンバー「SUMMER HYPE」MVそっくりなセットを前に「ネタバレしすぎじゃない?」(奥田)とみんなで苦笑い。ファン人気も高いこの「SUMMER HYPE」のパフォーマンスでは、ファンが同曲で踊ったTikTok投稿動画が一斉にスクリーンに映し出され、オンラインライブならではのコラボを楽しんでいた7人。
サイレンの音が響くと、彼らのデビューアルバムから「テンハネ -1000%-」がスタート。華やかなレーザー演出を駆使した同曲では、多彩な彼らの特技の1つであるアクロバットが炸裂。間奏部分で全員が続けてアクロバットを繰り出していったのも見事だった。スケール感のあるサウンドが印象的な「Blast Off」、性急なビートで押しまくる「Make U a believer」とステージが進んでいく。投げキッスを放つ海沼など、花道を歩きながら全員がカメラにしっかりアピールしている表情にもデビュー2年目らしからぬ成長ぶりを感じた。
先述のPSYCHIC FEVERのパフォーマンスコーナーを挟んでスタートしたのは、先輩グループ楽曲のメドレー。前半は「THE NEXT DOOR」(2009年)、「Touch The Sky」(2007年)、「FIREWORKS」(2009年)といったEXILEの楽曲、後半は「DO PARTY」(2017年)、「SAY YEAH!!」(2015年)というDOBERMAN INFINITYの楽曲で畳み掛ける。「DO PARTY」では深堀がお立ち台でブレイキンを決め、「SAY YEAH!!」ではメンバーが2人1組になってわちゃわちゃしたりと、まさにパーティ的な盛り上がりに。本家DOBERMAN INFINITYのメンバーもTwitterで同曲の歌詞を交互につぶやくなど、SNSも賑わわせた。
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終盤MCでは奥田が「僕とまっさん(砂田)、未来は小学生のころにEXILEさんのツアーで『FIREWORKS』のバックダンサーとして踊ったことがあります。そんな曲をBALLISTIK BOYZとしてパフォーマンスできることが不思議だし、いまだに信じられない」とポツリ。日髙は「先輩方に夢をもらい、背中を追いかけ続けてきた僕たちなので、そんな憧れの方々の楽曲をカバーできるのは感慨深く嬉しいこと。先輩方が築き上げたものを受け継ぎ、今までのEXILE TRIBEにはない自分たちなりの新しいエンターテインメントとして届けていきたい。みんなEXILE魂を持ってこのステージに立っています」と、改めてメドレーの主旨を説明した。
「この熱量を画面越しのみなさんにももっと伝えたい!」という奥田の曲振りから、本編ラストの「PASION」へ。情熱的かつ中毒性のあるビートを繰り出す同曲では燃え盛る炎を使った演出もあり、最高潮の盛り上がりを見せていた。
メンバーが大判のキャンバスに大空へと羽ばたくワシを描いていく映像を挟み、アンコールの「Bang Out」がスタート。多彩で絵心にも定評のある深堀を中心に、なんとこの絵を仕上げながら1曲披露するというユニークな趣向で楽しませた。
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初の『LIVE×ONLINE』参加について「第1弾の先輩方のステージで得た刺激を、今回のステージに還元しようという思いでやってきた」(加納)と振り返った彼ら。アンコールの最後を、メジャーデビュー前から披露してきた大切な一曲「NU WORLD」で締めくくった。このライブが充実したものだったかどうかは、この曲での全員のハジけるような笑顔から伝わったのではないだろうか。
海外留学を経たメンバーが在籍するなど国際派ユニットの彼らだけに、ライブ中の番組コメント欄やSNSには世界各国からコメントが寄せられており、最後に砂田が英語、松井が中国語、海沼がポルトガル語で各国のファンにも挨拶。この日は7人がそれぞれのマイクを持つところから、そのマイクを置いて去るところまでをカメラが捉えていたが、EXILE TRIBE初の全員がマイクを持つグループである彼らのアイデンティティを表現しているかのような演出も、また印象的だった。