ラッパー、ソングライターのSKY-HIが自腹一億円を出資して開催したことでも話題になり、日本テレビ系「スッキリ」や動画配信サービス「Hulu」、YouTubeなどを通して一躍社会現象となったオーディション番組「THE FIRST」。
そこから輩出された7人組ボーイズグループ「BE:FIRST」は、8月16日にリリースされた「Shining One」のMV再生回数がプレデビュー曲であるにも関わらず2週間で1000万回再生を突破(現在1500万回再生)し、さらに各種音楽チャートでも首位を総なめにした。連日SNSのトレンドを占め、Billboardの「HOT BUZZ SONG」では2週連続で1位を獲得。メジャーデビュー日も11月3日に決まり、まさに順風満帆かつ話題に事欠かない毎日だ。
そんなBE:FIRSTが所属し、他ならぬSKY-HIが代表取締役CEOを務めるマネジメント会社「BMSG」から、THE FIRSTにまつわる新たなニュースが飛び込んだ。
その内容とは、「THE FIRSTから羽ばたく皆にもう一億円をかけたい!」というもの。クラウドファンディングの実施が発表されたのだ。THE FIRSTから応援してきたファンたちにとっても、今まさにBE:FIRSTを応援しているBESTY(BE:FIRSTのファンダムの呼称)にとっても、ここだけでしか手に入らない限定グッズが多く並ぶ垂涎の品揃えだ。
その一方で、SKY-HIは「正直、『クラウドファンディング』という名称を使わずにグッズの作成などで利益を出す方が芸能事務所としては美しく見えるのかもしれません。自分も悩みました」と語っている。
それでもクラウドファンディングという形を取ることに関して、SKY-HIは「嘘、演出、台本、政治の一切を排除して作成し、放送したからこそTHE FIRSTは反響をいただけた」「取り繕ったりせずに素直に皆様にお願いをすることのほうが自分らしい、BMSGとして正しい」「逆に、上がったバリューを使い大手事務所と提携したり、資金源を大きな会社に頼ることで決定権を委ねてしまうことは、BMSGとして正しくない」と、葛藤や逡巡があったことも正直に吐露している。
さらに驚くべきことに、代表取締役であるSKY-HIは、前期と今期の役員報酬をゼロに設定していると明かした。SKY-HI以外には役員がいないため、BMSGから給与・報酬が支払われるのはスタッフと所属アーティストのみということになる。
つまり今回のクラウドファンディングは当然、これまで得てきた収益もすべてBE:FIRSTおよびTHE FIRST出身のアーティストやトレーニーのためにのみ使うと明言した形になる。
執念とでも呼ぶべき並々ならぬ覚悟で始まったクラウドファンディング。一億円の目標金額が達成されるかどうかも見どころだが、改めて今までとは違った形での成功を目指すBMSG、そして所属アーティストたちの今後から目が離せない。
【SKY-HI・コメント(抜粋)】
既存の成功に倣うのではなく、新しい成功の形を、カルチャーの芽吹きを育成するためには、打ち出していくこちら側が正直であること、そして一方的ではなく応援してくださっている全ての方と共に作っていくことを大切にしたく、ストレートにお願いする事にしました。
「いよいよ私財が無くなってきました!もしTHE FIRSTやBMSGを面白いと少しでも思ってくれたら、どうかお力をお貸しください!必ずここから生まれる作品や新しいアーティスト、グループの魅力で、あのとき応援してよかった、と思っていただける時代を作ることを約束します!」