8月25日に6年ぶりのオリジナルアルバム『WITH YOU』をリリースしたBREAKERZが、2年ぶりのライブハウスツアー『BREAKERZ LIVE TOUR 2021 -WITH YOU-』を東名阪にて開催。9月25日、東京・TSUTAYA O-EASTで迎えたツアーファイナルの模様が、オンラインでも生配信された。本公演では、アルバム『WITH YOU』の収録曲を中心に全18曲を披露。
WITH BREAKERZを実感するアットホームなひとときとなった。
深みのある青が会場を照らす中、色とりどりのペンライトに迎え入れられ、ステージに現れたメンバー達。DAIGOがスッと右手を挙げると、アルバムのタイトル曲である『WITH YOU』からライブは始まった。昨年、1回目の緊急事態宣言中に生まれたというこの曲。夜明けを待ち望みながら祈るような歌声が、場内に広がっていく。そうかと思えば、エモーショナルなギターで『Judgment』に繋ぎ、ライブバンドBREAKERZの生き様を見せつける。観客は声を出せないものの、<叫べ叫べ>という歌詞に呼応して、フロアはリズミカルに波打った。
「今日はOIB。俺達と・一緒に・ブチ上がろうぜー!思いっきり、愛を贈り合っていこうぜ!」――DAIGO
そう言い添えたのは、有観客ライブが叶わなかった時期のライブ配信でも、画面越しに変わらぬ愛を届け続けてきた、ポップなラブソング『LOVE STAGE』。メンバーコールのパートでは、観客のぶんまで力強く叫ぶAKIHIDE・SHINPEIや、配信のコメント欄で盛り上がる視聴者の姿も印象的だった。BREAKERZらしいドラマティックなロックチューン『闇夜に舞う青い鳥』。AKIHIDEのギターソロが妖艶な夜にエスコートした、ジャジーな『Blue Moon』。10年以上に渡ってライブを盛り上げているラテン調のダンスチューン『BAMBINO~バンビーノ~』では、ライブハウスがダンスフロアに変身。多彩な曲調を見事に乗りこなしながら、メンバーも観客も、今できる最大級の形でBREAKERZの音楽を楽しんだ。
PHOTO:達川範一(Being) 画像 3/4
本編中盤には、サポートを務める響(Dr/from摩天楼オペラ)・Matsu(Ba)を含むメンバー紹介を挟みつつ、レーベルの先輩である倉木麻衣をゲストコーラスに迎えた壮大なバラード『I lost(with Mai Kuraki)』を披露。切ない余韻から一転、黄緑色のライトを合図に始まったのは、映画『妖怪人間ベラ』の主題歌『BARABARA』。人間に裏切られた妖怪の深い闇を表情豊かなギターで描き出すと、続く『Everlasting Luv』では、DAIGOが<繋いだ手は離さないから>とカメラ越しに手を差し伸べた。観客を前にしてライブができる感謝を噛みしめながらも、画面の向こうで見守る仲間のことも離さないという強い意思が、必死な表情に滲む。そして、ツインギターによる大迫力の掛け合いで魅せたインストセッションから、コロナ禍ならではの本音を綴った『UNDER THE MASK』へ。この曲ではメンバーも全員マスクを装着。マスクをしながら高いキーを歌うのはなかなかツラそうだが、サイドステップをしながら演奏する姿はコミカルで、シリアスな現状をBREAKERZらしい遊び心で塗り替えていく様が頼もしい。『CLIMBER×CLIMBER』でも、観客1人ひとりに届けるように、それでいて自分達に言い聞かせるように<苦しくても逃げちゃダメなんだ>とエールを送った。
本編後半は『脳内Survivor』や『Miss Mystery』といった、人気のアニメタイアップ曲が続く。さらに、コメント欄が「あいらーびゅー」コールで賑わった『絶対! I LOVE YOU』で会場と配信組の心を繋ぐと、ラストはライブ定番となっている暴れ曲『BROKEN』を投下。拡声器を通して荒々しく歌うDAIGOや、「東京~!たまったもん、全部ぶちかましてこいよ~!」(SHINPEI)、「東京!心の声を拳に込めてくれ!いいか!?」(AKIHIDE)という煽りに合わせて、観客は色とりどりのペンライトを勇ましく突き上げた。
アンコールを求める手拍子に呼び戻され、再びステージに登場したメンバーは、来年7月にBREAKERZが15周年を迎えることを述べ、「ここに来てくれているみんな、全国でこの配信を観てくれているみなさんがいてくれるからこその15年でした」と改めて感謝。「ライブがあるから(みんなから)すごいパワーをもらって、またそのパワーで頑張っていける。ライブ、大事だったんだね。これからも、俺達の若さを保つためにみんなにライブに来てほしいな」と笑いを誘う。
そして、デビューから15年の間にパパとなったDAIGOが作詞作曲した、ミディアムナンバー『I love my daughter』を披露。歌いながら歌を聴いてくれている人への愛しさが高まったDAIGOは、「俺達にとって、ライブは一番やりたいことであり、ここが一番好きな場所です。そして、こうやってみんなと会えること、それが一番好きな時間です。これからもいろんなことがあると思いますけど、WITH YOUという言葉の通り、俺達はみんな1人ひとりと、これからの人生を一緒に生きていきたいと本気で思っています」と伝える。それでも抑えきれないファンへの愛は『WE ARE』で爆発し、曲中には「僕も逢いたかったー!」と絶叫する場面もあった。そんなツアーのラストを飾るのは、アルバムでもラストナンバーとなっている『End Roll』。観客の笑顔を目に焼き付けるように前のめりで演奏すると、「WITH BREAKERZしてくれますか!?一生俺達についてこいよ!」と言い残し、BREAKERZは次なるステージへと歩み出した。
なお、こちらの公演は「PIA LIVE STREAM」にて生配信が行われたが、10/2(土)23:59までアーカイブ配信が行われているので、まだご覧になられていない方は是非チェックしてほしい。
BREAKERZの、来たるべき15周年に向けての大事な一歩となった本公演は見逃せない。
さらに12月にはBREAKERZとしては初めて、ジャズクラブにて開催されるクリスマスライブも発表されるなど、年内の活動にもまだまだ目が離せない。
TEXT:斉藤碧
BREAKERZ LIVE TOUR 2021 -WITH YOU-
9/25(土)東京:TSUTAYA O-EAST セットリスト
1.WITH YOU
2.Judgment
3.LOVE STAGE
4.闇夜に舞う青い鳥
5.Blue Moon
6.BAMBINO ~バンビーノ~
7.I lost(with Mai Kuraki)
8.BARABARA
9.Everlasting Luv
~インストセッション~
10.UNDER THE MASK
11.CLIMBER×CLIMBER
12.脳内Survivor
13.Miss Mystery
14.絶対! I LOVE YOU
15. BROKEN
en1.I love my daughter
en2.WE ARE
en3.End Roll