新時代の音楽フェスティバル・SAMURAI SONIC(サムライソニック)が11月28日、立川ステージガーデン(東京都立川市)で行われている。記念すべき第1回の公演には、ハイブリッドバンドBACK-ONなど、6組が登場。光りや香りなど、五感に響く演出で1000人を魅了し、立川から世界に熱い思いを発信している。
「SAMURAI SONIC、盛り上がろう」と姿を見せた人気ラッパーのKEN THE 390は、DJブースの周辺にドラムやギターを設置したバンドスタイルで出演。バンドが生むグルーブにのせ『Overall』『インファイト』など12曲を披露した。
「飛び跳ねろ!」とあおった『Bangin' -Weekend Classic Edition-』では、声に応えた観客が何度もジャンプ。額にふき出した汗をぬぐった『Clap』では「今度は手を叩いて」と変動するラップで、会場を揺らした。
「今日はたくさん素晴らしいバンドが出ていますね。僕はラッパーですが、今日はこのバンドスタイルでもう少しライブができたら」とあいさつすると、「せっかくヒップホップ畑から来たので、僕らのカルチャーを伝えたい。僕らヒップホップには、人が作った曲に違う歌詞をのせたりメロディーを変える文化がある。みんなが知ってるような曲をちょっと変えて、2曲ほどビートジャックをやります」とヒップホップの醍醐味でもあるビートジャックを披露。思わぬサプライズでフロアを歓喜させた。
終盤には「音楽とかエンタテインメントって、『ちょっと嫌だな』とか、『つらいな』って感じたときに、『でも、もうすぐライブがあるから頑張ろう』と、一瞬でも気分を変えてくれるもの。そういう『あとちょっと』を持っているか持っていないかってすごく重要だと思う。『みんながあとちょっと頑張ろう』って思える。そういうきっかけになるような曲をいっぱい作っていきたい。最後はそういう思いを込めた曲を1曲やって帰ります」と語ると、『リフレイン』を投下。会場と一緒に手をワイパーのように揺らしてひとつになった。
KEN THE 390は2006年にアルバム『プロローグ』でデビュー。ソロ・ラッパーとしてはもちろん、レーベル「Dream Boy」を主宰するほか、「フリースタイルダンジョン」の審査員としても活躍している。
SAMURAI SONICは、どんな時代になっても自分自身の心の奥底に眠る『魂動(こどう)』を聞き、力強く生きていこうというメッセージを音楽を通して伝えることを目的に初開催された。
WWSチャンネルでは、SAMURAI SONICのライブ後にKEN THE 390のインタビューを実施。ステージを終えた感想や、2021年の活動を振り返るコメントを動画で視聴することができる。
(取材・文:西村綾乃)