Photo by 西槇太一
5月6日、さいたまスーパーアリーナにて、メジャーデビュー20周年を迎えたスガシカオが『SUGA SHIKAO 20th ANNIVERSARY スガフェス! ~20年に一度のミラクルフェス~』を開催した。
スガフェス最後のアーティストは、主催者であるスガシカオだ。1曲目は『アイタイ』。スガは、青とピンクのライトに包まれたステージのセンターにマイク一本で、すっと立った。サビで何度も繰り返される「アイタイ」というキャッチーなフレーズを歌う姿からは、スガらしい毒のあるエロさと繊細さを感じる。
「いい人のスガシカオは終わりました。ここからどんどんファンクの渦になって、さいたまスーパーアリーナをファンクで埋めようではありませんか!」
会場は、待ってました!と言わんばかりの温かい拍手に包まれた。「俺はずっと、10年間ギリギリで生きてきた。みんなはどう?」と、歌詞の引用をした自らの曲フリとともに、ステージ上で炎が上がる派手な演出がなされ、KAT-TUNに楽曲提供したことで知られている『Real Face』を披露した。バンドとのセッションを楽しむようなパフォーマンスが印象的だった『ドキドキしちゃう』では、スガのファンクの世界にグイッと引き込まれた。
続いて、『91時91分』のサビでは、ステージ上を映し出した大きなモニターに「91時91分」「(゚∀゚)」といった白文字のテキストが、ニコニコ生放送の弾幕のように流れる演出がされていた。間奏中に熱くなったスガは、「今日しかないファンクを作るんだ!たった一つの大きな夢に向かうのです!」とコメント。
また、『アストライド』では、無線制御された光のブレスレットが会場で一斉に光り、会場全体がゆらゆらとした動きの演出が美しかった。
「この場でアーティスト、ハタチを迎えました。ありがとうございます!このステージをやってみて、自分が選んだこと一個一個が間違えではなかったと確信しました。」と、20年を自信たっぷりに振り返り、会場に感動を届けた。
イントロで「みんなの奇跡のためにー!」と、スガが会場に叫んで始まった『奇跡』。「みんな飛べるかー?行くぞー!」の掛け声で観客はジャンプし、スガのコールに応えた。
『Re:You』では、白と黒のストライプのロングジャケットを脱ぎ、脇が深めに開いたタンクトップ姿になって熱唱した。さらに、ドラムソロが格好良い『19才』。スガとバンドとのアイコンタクトが多く、息の合ったパフォーマンスが見所となった。
「もうちょっとだけ行こうか!」スガはアンコールに再び登場し、『したくてたまらない』をトロッコに乗って会場を一周しながら歌った。「こんな楽しい世界、ずっと終わりたくないよー!」と少し上を向いて叫び、全身全霊でスガフェスを味わっている様子を見せた。
「やばい、今日楽しすぎたー!今日の主役はお客さんです。ありがとうー!」と会場にと感謝の気持ちを告げた。また、ステージ上に出演アーティストが勢ぞろいし、20周年を祝う特大ケーキがスガにサプライズで贈られた。
最後に、スガシカオはアーティストとしての道のりについて語った。事務所を辞め、レコードレーベルも辞めて、インディーズから始めた。誰も周りに味方がいなくなった時に、スガフェスのプロデューサー・鹿野淳から「苦しい時はたくさんの人に甘えろ。どんどん助けてもらえ。いつか大きな恩返しができる時に、精一杯すればそれでいい。」と言われたそうだ。
今回のスガフェスを、スガ自身は「俺からファンのみんなへの恩返しの第一歩、それから一緒に頑張ってくれたスタッフたちへの恩返しの第一歩だと思っています。」と位置付けた。溢れる思いをさいたまスーパーアリーナに轟かせて、華やかなフィナーレとなった。
(取材/文:村松美紀)
5月6日 SUGA SHIKAO 20th ANNIVERSARY スガフェス! ~20年に一度のミラクルフェス~
スガシカオ セットリスト:
M1: アイタイ
M2: メドレー
(Real Face~ドキドキしちゃう~91時91分)
M3: アストライド
M4: 奇跡
M5: Re:You
M6: 19才
EC. したくてたまらない