矢沢永吉が仕掛ける音楽フェス、「E.YAZAWA SPECIAL EVENT ONE NIGHT SHOW 2022」が7月2日(土)と3日(日)の2日間、千葉・幕張メッセ国際展示場4-6ホールにて開催された。
このイベントの初日となった2日(土)のステージのラストを矢沢永吉が飾った。
転換時間の間、恒例の『永ちゃんコール』は声を出せない代わりに、ハンド・クラッピングで矢沢の登場を今か今かと待ちわびる。19時を過ぎると客席が暗転し、『ようこそ!よろしく!』と白いシャツに白いパンツ姿の真打・矢沢永吉がステージに降臨。左右のステージから一斉にスモーク砲が発射され、流れてきたイントロは「止まらないHa-Ha」。いつもなら後半のナンバーである同曲がなんと1曲目。いきなりの度肝を抜く選曲にオーディエンスも少々とまどいながらも大喜び。続く曲の前に矢沢はシャツを脱ぎ捨て白いTシャツ姿になり、『ロックンロール!』とシャウトしながら「傘」「SHAKE ME」と続ける。この日の矢沢の第一声は『今年の最初のステージです。あがっております。』膨大な数のステージを踏んでいる矢沢永吉から、まさかの『あがってます』発言。客席も大きな拍手をおくる。
矢沢永吉 Photo by 平野タカシ 画像 3/4 矢沢永吉 Photo by 平野タカシ 画像 4/4
『3年前に、今、旬でバリバリにきてるメンツと矢沢永吉が一緒になってロック、盛り上げようぜ!と、このONE NIGHT SHOWがスタートしました。次の年も、次の次の年もやろうよって思ってたらコロナになったんだよね。僕だけじゃなくて、みんな引っ張り回されまして。3年後の今日が2回め!今年は50周年でいろんなことやるんだけど、今日が最初のステージ。ほんとに嬉しいです。矢沢のバラード・ナンバー、紹介したいと思います』とアコースティック・ギターを爪弾きながら歌ったのは「チャイナ・タウン」。続いてバラードの名曲「YES MY LOVE」を情感たっぷりに歌い込む。「チャイナ・タウン」は、1978年にリリースされた作詞家の山川啓介が書いた楽曲。あらためて読むと『横浜で上を目指してライブハウスでやっている時の、空のポケットに夢だけ詰め込んでた頃』が詞の中で描かれているという。『(山川啓介は)よく見てるなぁと思ったんですけど』と少しセンチメンタル気味に遠い日を振り返る一幕も。
そしてステージは再びアップチューンの「BIG BEAT」に。後半、ステージ下手から布袋寅泰が登場し、参加。矢沢の『C’mon C’mon C’mon』に誘われるよう上手からBiSH、下手からSUPER BEAVERも舞台に上がり、出演者全員で「BIG BEAT」を締める。
『ステージはドキドキと最高が入り混じってて』と照れながら『みなさん、楽しんでくれてますか!最後の曲行きます!』とテレキャスター・ギターを激しくかき鳴らしながら「サブウェイ特急」を歌い、アウトロの演奏が続く中『ありがとう!』と手を振りながらステージを降りた。
アンコール。『行くぞ!』の掛け声と共に始まったのはデビュー・アルバム(1975)に収められた「恋の列車はリバプール発」。古参ファン歓喜の初期曲連打に観客は大興奮。声を出せない中ではあるが、熱気に場内は包まれた。『ありがとう!ロックンロールに感謝しようぜ!』と残し、ステージを完走した。
同イベントは2019年に矢沢が70歳を迎えた年に「一夜限りの祭りをしようぜ!」という想いのもとで第1回を開かれた。続く翌年(2020年)も開催が予定されていたが新型ウィルス感染拡大の中、発表されないまま延期。2年の月日を経て、今回ようやく2回目の開催に至った。Day1(7月2日)に布袋寅泰、SUPER BEAVER、BiSH、Day2(7月3日)には打首獄門同好会、サンボマスター、氣志團らが参加。矢沢永吉は両日出演した。