『Creepy Nutsのオールナイトニッポン』のコーナー「日本語ラップ紹介のコーナー」が実際のHIP HOPライブとして実現する、「Creepy Nutsのオールナイトニッポン presents 日本語ラップ紹介ライブ in大阪城野音」が、R-指定の地元、大阪の大阪城音楽堂で開催された。
ゲストにはレゲエDee-jayの775、同世代のアーティストの一人として互いを高め合うMC TYSON、そして、Creepy Nutsの2人が尊敬して止まない日本語ラップ屈指のレジェンド、SHINGO★西成が登場し、ここでしか見られないコラボパフォーマンスに会場に集まったリスナーをぶちアゲさせ、幕を閉じた。
「Creepy Nutsのオールナイトニッポンpresents日本語ラップ紹介ライブin大阪城野音」(※提供写真) 画像 2/8
このイベントは、2021年4月に日比谷野外大音楽堂で開催され、客席数を制限した実施にも関わらず、ラジオリスナーと
HIP HOPファンが一体となって日本語ラップの魅力を存分に味わえたとして好評を博したライブの第2弾。
Creepy Nutsの2人が笑顔でステージに登場すると、会場に集まったリスナーが総立ちで拍手で迎える。地元大阪でのライブということもあり、R-指定の「大阪!」というシャウトで始まった1曲目、若き漫才師の気持ちを書き下ろした「板の上の魔物」でスタートした。
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「手を叩け!」「体を使ってレスポンスを!」というR-指定の煽りに大きな拍手で応えるリスナーのおかげで、最初から会場は一体感に包まれた。「合法的にぶっ飛んでいってください!」というR-指定のノンストップの煽りから続くのは、2曲目「合法的トビ方ノススメ」。リズムに乗って飛び跳ねたり、体を揺らしたりと、野外ならではの熱気に負けない熱量でリスナーたちは応えた。
そんな熱い2曲をオープニングから披露したあとは、トークでクールダウン。2人は今日のライブについて、「(印象的なフレーズ、言い回しを意味する)パンチラインを是非楽しんで!」とHIPHOPライブの楽しみ方を伝えた。
そして、さっそく「日本語ラップ紹介のコーナー」へ。
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R-指定の出身地である大阪府堺市の隣、岸和田出身で、R-指定の友人が「やばい子が出てきた!」と話題にするほどの実力派。「レゲエ界が誇るニュースター」と紹介された775は、「Microphone Center」、「チャンプロード」、「KSWD」という3曲を披露。続けて、「今日初めて披露する曲があります!」とサプライズでDOZAN11(三木道山)をステージに招き入れた。
コラボ曲「Hands Up」を775が歌おうとすると、それを遮ってDOZAN11が「ハッピーハースデー♪」と歌い始める。実は、イベント前日の7月8日は彼女の25歳の誕生日。曲中でもDOZAN11は誕生日にまつわるワードを入れ、775は「めっちゃ豪華やん!」と喜びの表情を見せていた。
さらに、三木道三の代表曲「Lifetime Respect」の歌詞を引用した「よってらっしゃい」も2人で歌唱。これは台本になかった展開で、MCのためにステージに再登場したCreepy Nutsは驚きの表情を浮かべつつも、レジェンドのはからいにしきりに恐縮していた。
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続いてのゲストは、Creepy Nutsと同世代で、大阪府 住之江出身のMC TYSON。「見た目からインパクトある」「良い楽器(声)を持ってる」と紹介されたMC TYSONは、1曲目に地元について歌った「LOCAL STAR」を披露。先月、『Creepy Nutsのオールナイトニッポン』に出演した際、ブリンブリン(派手)なアクセサリーを首からぶら下げていることが話題になったのだが、そのネックレスは「家が買えるかもしれない」値段だという。MC TYSONは番組を聴いていたリスナーも意識し、「LOCAL STAR」歌唱中、「首から家ぶらさげてるんで」とコメントしていた。
MC TYSONは、R-指定とのコラボ楽曲「I Need」をステージ上でR-指定と一緒に披露したほか、「これぞラップ!」というゴリゴリでアグレッシブなサウンドから自身の息子たちへ向けたバラード曲「Dear my sweet angel boys」まで、計10曲を歌唱。ストーリー性のあるステージに、MCとして再登場したCreepy Nutsは「かっこいい!」を連発していた。
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最後のゲストはCreepy Nutsが「レジェンド」と崇めるSHINGO★西成。「彼の楽曲を聞くだけで、自分の生まれた場所の言語はこんなにかっこよかったのかと思わされる」とR-指定が絶賛する理由は、関西弁で語り掛けてくるラップが心に染みることから。
新潟出身のDJ松永も「神社のような存在」「会ったら泣いてしまいそうになる」と存在自体に感動すると話す。
SHINGO★西成は、HIPHOPを通して前を向くことの大切さや地元への愛を教えてくれる楽曲
「白目」「独立記念日」「うしろきいつけや」「かかってこんかい」を立て続けに歌い上げる中で「R、お帰り!」とR-指定に対するメッセージを送ったり、タオルを使ってリスナーと交流を楽しんだりと、会場のボルテージをさらに上げていく。
また、Creepy Nuts を結成する前にR-指定が初めて発売した1stアルバム「セカンドオピニオン」(2014年)内でSHINGO★西成とfeat.した「灯取虫~ヒトリムシ~」もコラボレーション。
等身大の思いをストレートに伝え背中を押される楽曲に続くように、再びSHINGO★西成のソロで「ここから…いまから」、そして「Everything」と「ありがとう」のアカペラを続けて披露。そして大阪アンセムともいうべき「大阪UP」でステージを締めくくった。SHINGO★西成のステージを見て、「もう(泣きそうで)やばい」と感情の高ぶりを感じたDJ松永。R-指定も「歌っている最中に泣いてしまいそうで、SHINGOさんの方を見れなかった」と一緒に歌唱しての感想を語った。
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「なんかもう締まる空気になってしまった(笑)」としんみりした雰囲気に包まれるも、Creepy Nutsにとっての本番はここから。ちょうど日が暮れてきたところで「よふかしのうた」を披露。
DJ松永の世界一のDJが活きる間奏で、リスナーの盛り上がりは最高潮に。その勢いのまま、新曲「堕天」をライブ初披露。ジャズテイストのクールなトラックに乗せて、人が恋に堕ちていくような、抗えず何かにハマっていく人間の感情を描いたキラーチューン。リハーサルで松永に「『堕天』やっとく?」と言われ、急遽決まった選曲だったのだが「ラッパーは断れない」とR-指定はラッパー魂を語り始める。
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そんな魂を持ったレジェンドラッパーたちが集まった同イベント。R-指定は少し感極まった様子で改めて開催できた感謝を語り、「10年前の自分に(いずれこんなイベントを開催できることを)伝えてあげたい。のびしろがあるということだから」というMCで、次の楽曲「のびしろ」へと進む。さらに、すべての人に贈る応援歌「かつて天才だった俺たちへ」、そして、2人にとって大切な楽曲「Bad Orangez」をリスナーの手拍子に乗せて歌い上げ、全てのステージパフォーマンスを終えた。
エンディングでは、この日のゲストがステージに集結。全員が「最高!」と感想を語ったイベントは、『Creepy Nutsのオールナイトニッポン』でお馴染みの挨拶「ここまでのお相手は、
Creepy NutsのR-指定と」「俺(DJ松永)」で幕を閉じた。