口腔底がんのため53歳の若さで亡くなったイノマーの遺志を受け継ぐ一夜限りのロックフェスティバル『イノマーロックフェスティバル』が、7月16日(土)に有明・東京ガーデンシアターで開催されている。性春パンクバンド、オナニーマシーンのリーダーだったイノマー。本記事ではイノマーと親交が深かった氣志團のライブレポートをお送りする。
氣志團<イノマーロックフェスティバル>(写真:ミズタニシュウヘイ) 画像 2/6
お約束の入場曲『BE MY BABY』でステージに登場した氣志團が1曲目に披露したのは『房総魂』。素肌にサラシを巻いた長ラン姿のボーカル・綾小路 翔がセンターで台に立ち、ダンサーの早乙女光は大太鼓を叩きながらステージ上を駆け回る。「今日は最高にバカになろうぜ」綾小路はシャウトすると、ステージ中央にあるドラを蹴り上げた。
氣志團<イノマーロックフェスティバル>(写真:ミズタニシュウヘイ) 画像 3/6
「All Right! All Right! All Right! We are氣志團です!」いつもの挨拶に続いてはイノマーについて「みんなが想像しているよりヤバい人でした」と言いつつも「俺たちは彼に見つけてもらったロックバンドです」と感謝を述べる綾小路。そして、ここで披露されたのが、彼らの代表曲『One Night Carnival』。この曲、本来は観客が一斉にサビのパートを歌うのが最大の盛り上がりポイントなのだが、コロナ禍ではそれがなかなかできない。そこで今回、綾小路はまさかのハミングでのコール&レスポンスを提案して会場を笑わせつつも大いに盛り上げた。
氣志團<イノマーロックフェスティバル>(写真:志賀テルミ) 画像 4/6 氣志團<イノマーロックフェスティバル>(写真:志賀テルミ) 画像 5/6
こうして『One Night Carnival』がバッチリ決まったと思いきや、ステージ上でメンバー間の小競り合いが勃発。「One Night Carnivalはもう古い!」とさんざんやり合った後に、まさかの『One Night Carnival 2022 (童貞Carnival)』を披露。GOING STEADY風のアレンジを施した『One Night Carnival』で会場を沸かせた。
氣志團<イノマーロックフェスティバル>(写真:志賀テルミ) 画像 6/6
そんな氣志團のライブもいよいよクライマックス。綾小路の芯のあるアカペラから始まったのは、地元への想いを歌った『落陽』。熱いバラードで氣志團の底力を魅せつつ、ラストにはオナニーマシーンにリスペクトを込めての『オナニーマシーンのテーマ』をセレクト。自身のオリジナル曲でしっかり魅了するだけでなく、GOING STEADYのパロディやオナニーマシーンのカバーで、意外性を付け加えたパフォーマンスはさすがの一言。本イベントへのリスペクトを込めた圧巻のステージは、いかにも氣志團らしいイノマーへの追悼となった。
(取材・テキスト:バッキー大坂)
7月16日 イノマーロックフェスティバル / 氣志團 セットリスト
M01:房総魂
M02:NIGHT THE KNIGHTS
M03:One Night Carnival
M04:One Night Carnival 2022 (童貞Carnival)
M05:落陽
M06:オナニーマシーンのテーマ