8月3日に発売された、ジャニーズWESTの19枚目のシングル『星の雨』が初日のみで23万枚超えの売上を達成し、グループ史上最大の売上枚数という記録を叩き出した。
たった1日で、これまでの全シングルの「週間売上」の2番目の枚数となり、「週間売上」の記録としても、歴代1位のデビュー曲『ええじゃないか』以上の数字を残す可能性も十分考えられる。
この春、デビューから8年を迎えた彼らは、ジャニーズのグループでいえば中堅。周年のタイミングでもないときに売上を伸ばすのは決して容易ではなく、むしろ音楽の聴き方が変わり、CDを手に取るハードルが上がった昨今においては、さらに難易度が上がっているはずだ。
では、なぜジャニーズWESTは今、このときに売上を伸ばすことができたのか。
ひとつは、新曲が重岡大毅主演のドラマ『雪女と蟹を食う』の主題歌として、幅広い層に届いていることが挙げられる。
死と隣り合わせの儚い享楽に『星の雨』がしっとりとなじみ、独特な世界観を持つ作品と共に観る者の脳裏に忘れられない記憶として自然に、かつ確実に残しているのだ。
けれど、それ以上に大きいのが、アイドルにほとんど縁のなかった生粋の音楽ファンの心を彼らが掴んだことだろう。
ジャニーズWESTは、2022年5月に『OSAKA METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2022』で初の野外フェスに挑み、6月には『LOVE MUSIC FESTIVAL 2022』と立て続けに音楽ファンの前に立った。
長い間、フェス参戦を夢見ていたジャニーズWESTは想いの全てをそのステージにぶつけ、誰よりも音楽を楽しんでいた。そんな姿と全身から放つ凄まじいほどの熱が会場に伝播して、気付けばステージから遠くはなれた奥の奥のオーディエンスまで巻き込んでいたのだ。
客席を埋めつくした音楽ファンがアイドルである彼らに動かされ、一斉に拳を突き上げる姿は圧巻だった。
ジャニーズWEST自身が音楽ファンであり歌を心から愛していること、たゆまず努力を続けていること、誰かの心に自分たちの歌を届けたいと強く願っていることが伝わった瞬間だった。
フェスでこれまでと違うリスナーを味方につけた事実が、今回の『星の雨』の快挙に繋がっているのは間違いないだろう。
初回盤Bに映像特典として収録された「METROCK2022 OSAKA -LIVE & Documentary-」を観れば、見るもの魅了し、周囲を巻き込んでいく彼らのパフォーマンス力を体感し、知らぬ間に彼らの魅力に惹き込まれていく。
それに加えて、新しい挑戦を続けるジャニーズWESTの姿勢や、彼ら自身のキャラクターが人を巻き込む力を後押ししている。
例えば、絆や青春をテーマにした今シングル
全形態に収録の「SOUL 2 SOUL」では、大阪桐蔭高等学校・吹奏楽部とのスペシャルセッションを行い、YouTubeに投稿。爽やかな青春感が溢れる動画が、話題になっている。
また、7月1日より開設されたジャニーズWESTオフシャルTikTok『ジャニーズWEST / JE_Record公式』では、メンバーによるダンスレクチャー動画を投稿し、リスナーが一緒に楽しめる工夫を欠かさない。
そして、ここ最近のシングル、アルバムではさまざまなアーティストとのコラボや新たなジャンルへの挑戦が増え、難易度の高い楽曲に挑むことでグループの音楽性、アーティスト力もグングン伸びている。
本人たちも口にするが、彼らは飛び級や無理な背伸びをせず、着実に自分たちの道を進んできた。
粛々とコツコツと重ねた努力が、9年目の今にしっかり繋がっているのだ。
もちろん音源作品でも魅力は伝わってくるが、ジャニーズWESTの真骨頂はやはりライブ。
まさに今、グループ初のドームツアー「ジャニーズWEST 1st DOME TOUR 2022 TO BE KANSAI COLOR -翔べ関西から-」で、新たなステージを上がっている最中だ。
8月10 、11日にはグループ初の東京ドーム公演となる、ツアーファイナルも控えている。
想像以上の熱量で、全力で楽しませにくる彼らのエンターテイメントを直接浴びた人にしかわからない中毒性がある。
初のドームツアーでさらなる味方と勢いをつけ、大きく飛躍するであろう、ジャニーズWESTからますます目が離せなくなりそうだ。