スペースシャワーTV×J:COMによる招待制プレミアムライブ『SPACE SHOWER TV x J:COM Creepy Nuts Precious Live』が9月9日、 立川ステージガーデンにて行われた。
9月7日にニューアルバム「アンサンブル・プレイ」をリリースしたばかりの、 MCのR-指定とDJのDJ 松永によるユニットCreepy Nuts。 9月26日から行われる全国ワンマンライブツアー「Creepy Nuts ONE MAN TOUR 『アンサンブル・プレイ』」の最終公演は、 さいたまスーパーアリーナに決定するなど、 そのキャリアを確かなものにしているユニットのプレミアムライブである本公演。 1,500人が招待され、 1,000人が配信で目撃するこの日にライブには、 1万人以上の応募があり、 その注目度の高さを伺わせる。
会場の明かりが落ちると会場には「アンサンブル・プレイ」のオープニングを飾るintroが流れ、 楽曲に流れる靴音と、 会場から起こる手拍子に合わせるように、 Creepy Nutsの二人がステージに登場。 そしてライブは板の上の魔物からスタート。 ライブやパフォーマンスへの想いを込めた楽曲から始まり、 曲中の「お前に手を引かれて出向いた土曜日の溜まり場」という歌詞を「スペシャとJ:COMを連れて出向いた立川の溜まり場」と今回のライブ仕様に変更するなど、 今回のライブが特別なことをパフォーマンスとして表明する。 そして「調教済みの立川は飛び跳ねろ!」というシャウトから合法的トビ方ノススメ、 よふかしのうたとアップテンポにライブは進行していく。
そして映画「極主夫道 ザ・シネマ」の主題歌でもあり「アンサンブル・プレイ」にも収録された2way nice guyでは、 DJ松永はタイトなスクラッチを聴かせ、 お互いのスキルの高さをしっかりとパフォーマンスとしてオーディエンスに伝えた。
今回は生配信もあるということで、 iPadで視聴者からのコメントを読みあげる……が、 書かれてもいないのに、 コメントにはディスが溢れてると思い込み、 その存在しない視聴者に対して「バ~カ!」と返す屈折したコミュニケーションを展開するCreepy Nuts。 またDJ松永の読み上げた「『松永、 香水変えた?』って書かれてるけど……香水つけてない」というコメントに対して「スペシャとJ:COMは配信でも4Dなん?」とR-指定が返すなど、 二人がパーソナリティを務めている「オールナイトニッポン」的な会話からも、 リラックスした空気を感じさせる。
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そして「会場の皆さんと配信で見ている皆さんでプレシャスな夜にしたいと思います!」という言葉から、 彼らのラッパーとして、 DJとしてのストロングスタイルを表明したダークな感触の生業、 「第94回センバツ MBS公式テーマソング」にも選ばれた、 彼ら流のファイトミュージック的なパッと咲いて散って灰に、 オリジナリティの重要性について歌うBad Orangezを披露。 「より生々しく、 俺のラップと松永さんのDJスキルを体感してもらえるライブにしたいと思います」とMCでの言葉を証明するように、 Creepy Nutsの生き様を感じさせるような楽曲展開が印象的だ。
「普段のライブではしない、 プレシャスなことをしましょうか。 コメントでお題を集めてフリースタイルします」と、 Creepy Nutsのごく初期のライブでは定番だった、 R-指定の即興能力の高さをライブシーンにも知らしめた「聖徳太子フリースタイル」を披露。 「香水」「釣りキチ三平」「セフレ」「アニサキス」「北野誠」「YZERRさん」「ファンサ」「ワイナイナ」という8つの言葉を、 詰まることなく即興でラップに折り込み、 会場からは大きな拍手が上がる。
そして「聖徳太子フリースタイル成功しました!俺が未だに天才であると証明されました!」という言葉から展開したかつて天才だった俺たちへでは、 DJ松永もタイトなスクラッチを間奏に組み込み、 R-指定も「こいつが天才だって証明できたか!」と観客を煽る。 そのままアニメ「よふかしのうた」の主題歌にも起用された堕天を披露し、 客席の熱気は最高潮に。
「今日は普段のワンマンライブではあまりやってない試みを形にした、 プレシャスなライブになったと思います。 俺らも皆さんも、 日々成長してる過程だと思うし、 皆さんにもまだまだ伸びしろしかありません」というR-指定の言葉から、 この日のラストになるのびしろを披露。 盛大なクラップで会場が一体となった。
そしてアンコールを促す拍手に導かれて、 再びCreepy Nutsが登場。 DJ松永が「アンコールって久々で照れるね」と話すように、 ここ最近のライブではアンコールを行っていなかったCreepy Nuts。 R-指定も「それも含めて特別な、 みなさんと一緒にプレシャスなライブを出来たということで、 新しい土産話に追加させていただきます」と返し、 アンコールの土産話へ。 普段はあまりセットリストに織り込まない、 彼らのこれまでの道程を落とし込んだ一曲を披露し、 「またどこかでお会いしましょう。 Creepy Nutsでした」という言葉で、 この「プレシャス」な一夜は完結した。
<セットリスト>
M1. 板の上の魔物
M2. よふかしのうた
M3. 合法的トビ方ノススメ
M4. 2way nice guy
M5. 生業
M6. パッと咲いて散って灰に
M7. Bad Orangez
M8. かつて天才だった俺たちへ
M9. 堕天
M10. のびしろ
En. 土産話
※特別番組での放送楽曲は未定です
文:高木"JET"晋一郎