(©VIVA LA ROCK 2017 All Rights Reserved)
5月4日さいたまスーパーアリーナでVIVA LA ROCK 2017が開催された。ブルーのバックライトの中、登場したのは全身ブラックの衣装で固めたサカナクションだ。
一曲目に繰り出されたのは『新宝島』。一瞬で会場のボルテージはMAX、ジャンプで地響きが起こり、さいたまスーパーアリーナ全体が激しく揺れる。ワンマンライブと見まごうような一体感でオーディエンスがサカナクションを迎えると、二曲目に披露されたは『アルクアラウンド』だ。
曲中盤でのハンズクラップはもうお馴染み、山口一郎(Vo&G)もその様子を見て笑顔でオッケーサインを見せた。
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アップナンバーで畳み掛けた後は一旦会場クールダウンさせる『三日月サンセット』を披露。曲世界に合った夕焼けのようなオレンジの光と夜のようなブルーの光が交互にステージを照らし、一体になって踊っていたオーディエンスも今度は各々の踊り方で自由にリズムを刻む。
「どうも僕たち私たちサカナクションです!これから少しの間、みなさん踊ってください。」
ステージはダンスフロアに様変わりし、山口も上機嫌にぴょんぴょんと飛び跳ねる。各メンバーのソロパートも入り、会場を最高のテンションに引っ張り上げた後ステージは暗転。シンセサイザーが鳴り引き、ステージからレーザービームが放射される。そしてメンバーは横一線の体系になり、『SORATO』を演奏する。
ダンスタイムを終えた後は定番の『ミュージック』への転換だ。曲終盤、光とスモークの中、再びバンド形態に戻り大サビへ。静まった会場が再び地響きで揺れる。曲ラストに会場がステージに向けて手を振る様子は、サカナクションと同じ時間を共有する喜びと、ライブには必ず終わりが来るという切なさがない交ぜになった、美しい光景を見せる。
ここからさらに『夜の踊り子』、『アイデンティティ』と必殺ナンバーを立て続けに披露。『夜の踊り子』の間奏ではオイコールまでおこり、この瞬間に全てをかけようとする会場の熱量に圧倒される。楽しく踊るフロアも『アイデンティティ』の間だけは狂乱に近い状態だ。
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『多分、風。』ではステージに風が吹き、山口の衣装がなびくという演出もあり、会場は曲世界に入り込んでいく。大サビはスモークとオレンジのバックライトと風の組み合わせで、さながら同曲のミュージックビデオの中のようであった。
「僕たち私たちサカナクションは今年で10周年を迎えます。みなさんまた踊りましょう。ありがとうございました、サカナクションでした。」
ラストに披露されたのは『目が明く藍色"』山口が実に9年間におよぶ構想の末に作り上げたという『目が明く藍色』は、現代詩や現代文学、そしてロックや電子音楽と、山口が吸収してきたあらゆる芸術を凝縮して絞り出したような壮大な楽曲だ。現代の国内ロックの超大作を全身で味わい、サカナクションの魅せる幻のようなひとときは幕を閉じた。
デビュー10周年の今年、彼らがどんな驚きとともに日本の音楽史をアップデートしてくれるのか楽しみでならない。
(取材/文:樋熊涼)
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5月4日 VIVA LA ROCK 2017 Star STAGE
サカナクション セットリスト:
M1. 新宝島
M2. アルクアラウンド
M3. 三日月サンセット
M4. SORATO
M5. ミュージック
M6. 夜の踊り子
M7. アイデンティティ
M8. 多分、風。
M9. 目が明く藍色