3月26日、音楽イベント「SAMURAI SONIC vol.4」(サムライソニック)が、TOKYO DOME CITY HALLにて開催されている。このイベントにそこに鳴るが出演した。当記事では、そこに鳴るのライブレポートをお届けする。
そこに鳴る<SAMURAI SONIC vol.4>(※提供写真) 画像 2/14 そこに鳴る<SAMURAI SONIC vol.4>(※提供写真) 画像 3/14 そこに鳴る<SAMURAI SONIC vol.4>(※提供写真) 画像 4/14 そこに鳴る<SAMURAI SONIC vol.4>(※提供写真) 画像 5/14 そこに鳴る<SAMURAI SONIC vol.4>(※提供写真) 画像 6/14 そこに鳴る<SAMURAI SONIC vol.4>(※提供写真) 画像 7/14
音楽で熱情させる人たちは多いが、音楽で意識を塗り替える人たちに触れたとき、嬉しい興奮を覚えた。映写機で回るフィルムのような音が鳴り響く場内。そこへ3人が、変拍子をバリバリ効かせた轟音なロックナンバーを叩き出す。そこに鳴るが歌い奏でる『Lament moment』が身体に熱を送り込みながらも、意識を心地よくトリップさせる。自由奔放に音が飛びかう中、メンバーどうしがスリリングな駆け引きを見せながら演奏が突き進んでゆく。
すさまじい速度で駆ける変拍子のビート。その上で流れる心地好い男女2人の歌声が、互いにハモリながらも不思議なアンサンブルを描きだす。曲が進むごとに、意識が歪んでいく。いや、心地よく酩酊してゆくと言ったほうが正解だ。
『暁を担う』でも,そこに鳴るは 互いに歌声を掛け合い、ときにハモりながら、エモーショナルな演奏を見せていた。 曲が進むごとに身体は熱情してゆく。でも、予測できない展開を曲が描きだすからこそ、その先の物語に嬉しい驚きを覚えながら、誰もが心地好く塩素に身を預けていた。
1曲ごと演奏が終わるたびに、興奮した感情を声にしてぶつける観客たち。でも、新たな演奏が始まったとたん、そこに鳴るが繰り出す世界観へ没入してゆく。『掌で踊る』でも、激しさを抱きながらも、予測もしないリズムの展開に、誰もが身を任せつつも、歌や音の行方を追いかけていた。
とても癖の強いバンドだ。だからこそ強く惹かれてゆく。『絶対的三分間』は、フレーズごとに表情が変わるんじゃないかと思える、エモい楽曲だ。それが、嬉しく気持ちを騒がせる。
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すさまじいテンポの上で、3人はラウドでプログレッシブな展開を楽曲の中に描きだす。それでも、やっぱし心地よさを覚えずにいれない。『re:program』でも、場内中の人たちが2人の歌い奏でる激烈でエモい変態ロックナンバーに魅了されていた。
歌始まりの『業に燃ゆ』は、そこに鳴るの持ち歌の中でも、とくにエモさを覚える楽曲だ。3人の演奏の駆け引きにも魅了されるが、複雑で難解で速い演奏とは裏腹に、とてもエモい歌だからこそ、気持ちが踊りだす。次々と表情が変化してゆくその歌声や演奏から目が離せない。フロア中の人たちも、ずっと手にしたバルーンを打ち鳴らし、3人に熱いエールを送っていた。
最後に,そこに鳴るはアグレッシブでエモーショナルな『最低』を叩きつけ、フロアに渦巻く熱を高く舞い上がらせていった。終始、衝撃を与え続けたバンドだ。その衝撃が、病み付きになるバンドだ。
(文:長澤智典)
【SAMURAI SONIC vol.4】
「SAMURAI SONIC」は『打ち鳴らせ、魂動(こどう)』をコンセプトに、2021年11月に東京・立川ステージガーデンにて初めて開催され、今回で4度目の開催となる。今回はDJダイノジ、climbgrow、MONKEY MAJIK、TRiDENT、雨のパレード、そこに鳴るの6組が出演する。