ラッパー、シンガーソングライターのKREVAが3月18日に千葉・幕張メッセ国際展示場で開催された『ビクターロック祭り』特別版『LIVE the SPEEDSTAR』に出演した。当記事ではKREVAのライブの模様をお届けする。
KREBandの演奏が華麗に鳴り響いた後、ステージにKREVAが登場。「SPEEDSTAR、30周年おめでとうございます。その中でも新人の部類ですが、よろしくお願いします。KREVA!って呼んでもいいらしいよ。それだけで感無量。やっとだね。初めてライブを観る人、やっと会えたな」
素敵な言葉に早速胸が熱くなる。そしてサングラスを不敵に輝かせながら歌い始めた1曲目は「Finally」。昨年2月にリリースされたアルバム『LOOP END / LOOP START』でもオープニングを飾っていたこの曲は、粋なライミングが満載されている。こんなにも極上のラップを浴びたら、じっとしていられる人類がこの世に存在するはずもない。観客たちは体を揺らして踊り始めた。続いて「基準〜2019Ver.〜」も届けられたが、ビートを巧みに乗りこなしながら放つラップの切れ味が本当にすごい。『かっこいいラップとはこういうことだ!』と堂々と名乗りを上げるかのような姿に痺れてしまった。
「みなさんも声を出せるので、声を出せるような曲を持ってきました。ぜひとも参加してもらえたらなと。エンタテインメントの現場は、みんなの声がないと完成しない。みんなで作るものだと思います」というMCの後に披露された「パーティーはIZUKO〜2019Ver.〜」は、まさしく参加型の曲だった。《ねぇ パーティーはIZUKO》に対して《ここだ!》と元気いっぱいに返したくなる。そして「人生」と「居場所」は、会場のムードを瑞々しいものへと塗り替えた。こういう曲もKREVAのライブでいつも魅力を大いに煌めかせる。リリックの言葉の1つ1つに刻まれた深い情感を噛み締めながら、彼の表現力の幅を改めて実感した。
「みんなの声、存在のありがたさに気づかされる一方です。このままいろんなイベントが増えていくと思うけど、その時にまたみんなに会えたら嬉しいです。あと数曲で終わりですが、今日という日が特別な日になるように」――観客たちに感謝の想いを伝えたMCを経て、ライブはいよいよクライマックスへと突入していった。夏フェスを先取りするかのような爽やかな昂揚感を噛み締めさせてくれた「イッサイガッサイ〜2019Ver.〜」。最高のビートを徹底的に体感させてくれた「C'mon, Let's go〜2019Ver.〜」。そしてラストは「音色〜2019 Ver.〜」が飾った。《愛してんぜ 音色》という印象的な一節に表れている通り、音に対するラブソングとでも言うべきこの曲は、音楽愛に満ちた人々がたくさん集まっているこのイベントに実にふさわしかったと思う。ステージから届けられるサウンドに耳を傾けながら、「音楽って最高!」と心の底から感じることができた。
(TEXT by 田中大)
毎年3月に幕張メッセで開催をしている「ビクターロック祭り」。今年はビクターエンタテインメント内のレーベルであるスピードスターレコーズが、設立30周年を記念し、『ビクターロック祭り特別版「LIVE the SPEEDSTAR」』として幕張メッセで開催された。
また、ライブの模様は4月1日16時からU-NEXTにて独占見放題ライブ配信を行う。期間は4月9日までとなる。