今年1月11日にシングル『Hunter』でメジャーデビューした6人組ボーイズグループ、LIL LEAGUE。『武者修行 ~LIL CARAVAN~』を経て、ますます勢いを増している彼らが、ファンイベント『LIL LEAGUE FAN EVENT 2023 -LIL SMILE-』を東名阪にて開催した(3会場5公演)。最終公演の舞台は4月14日、Zepp Haneda (TOKYO)。嬉しいサプライズが連発した昼公演の模様をレポートする。
定刻を迎えた頃、先陣を切ってステージスクリーンに映し出されたのは、メンバーたちの幼少期の姿。それに連なるように、岩城星那、中村竜大、山田晃大、岡尾真虎、百田隼麻、難波碧空……と各メンバーの紹介映像が映し出されると、早くも大きな歓声が上がり、凄まじい熱気が充満した。そこへ満を持して6人が登場。白い衣装に身を包み、LIL LEAGUEのロゴを背に立つ彼らの姿からは、ここから何色にでも染まっていけるという期待感が溢れており、ダイナミックなジャンプで一斉に観客のもとへ近寄ると、デビュー曲「Hunter」がライブパートの幕開けを告げた。
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〈C’mon Lil Friends〉と呼びかけながら活き活きとした表情を見せる岩城、キュートな笑顔で観客にアピールする百田、しなやかな美声でサビを彩る中村など、個性豊かな声と表情で歌い繋ぐ6人を中心に、会場全体にLIL SMILEが広がっていく。LILFriends(ファンの総称)と共に大切に育ててきたオーディション課題曲「Rollah Coaster」では、変声期を迎えて大人びた難波の歌声が、これまでのグループの歩みと、日々進化し続けるメンバーたちの生き様を象徴。昨年、日本武道館で行われた『iCON Z 2022 〜Dreams For Children〜』第一章のファイナルステージで、THE RAMPAGEと共演した「THROW YA FIST」(THE RAMPAGE)では、ダンスに定評のある岡尾と山田のソロパートを筆頭に、高いダンススキルで観客を圧倒。一列になって突き上げる拳は実に勇ましく、彼らが、48000人がエントリーしたオーディション『iCON Z』の男性部門でグランプリを獲得した実力者グループであることを、今一度証明した。
そんな後輩のパフォーマンスをステージ端からじっと見ていた……のではなく、一緒に踊っていたというのが、昼公演のスペシャルゲストであるTHE RAMPAGEの岩谷翔吾と浦川翔平。これまでの公演でMCを務めていた陣の代わりに、安心安全の司会進行(岩谷)とハイテンションすぎるガヤ(浦川)でトークパートを盛り上げていく。まずは、浦川曰く「かわちい……」シーンが満載の“オーディション振り返りムービー”を挟み、当時の発言にちなんだクイズコーナーを展開した。質問は3問用意されており、「リーダーを決める時のミーティングにて、岡尾は岩城・中村・山田のイメージを“○○は星那で、○○は竜大と晃大”と語った。それぞれ、どんな言葉が当てはまるか?」という1問目は、「丸をつけるのが星那で、点で繋げるのが竜大と晃大」と答えた中村・岡尾・難波・岩城が正解。2問目の「グループの将来を語り合う中、碧空が爆笑した理由は?」では、5人が「マシュマロが口にくっついたから」と正解を答える中、唯一「マシュマロがこげた」と回答した山田がメンバーからいじられる場面も。「『iCON Z』のグランプリ獲得直後の記者会見で、目指しているアーティスト像を聞かれた真虎の答えは?」という3問目は、正解の「男の中の男の頂点」に近いニュアンスを答えていたということで、全員揃ってクリア。一生懸命クイズに取り組む姿勢に初々しさを感じる一方で、冠番組『LIL LEAGUEのヴィクトリーグ!』(テレビ東京系)で鍛えられた度胸とバラエティ力も垣間見える内容となっていた。良い意味で、客席との距離感を感じさせないアットホームなノリが、彼らがこれほどまでに愛される理由なのだろう。
そうかと思えば、続いてのパートではメンバーたちのルーツとなるカバー曲を届け、トークパートとのギャップで魅了。EXILEの楽曲から「Heads or Tails」と「Touch The Sky」という難易度の高い2曲を立て続けに披露した。中村のソウルフルな歌声がリードした「Heads or Tails」は、百田がオーディション時の課題曲として歌唱した思い出の1曲。中村・百田・岩城が中心となって力強いボーカルを響かせ、アーティストとしての存在感を見せつける。もう1曲の「Touch The Sky」は、EXILE20周年の節目に行われた“EXILE TRIBUTE”企画にて、BALLISTIK BOYZがヒップホップ色の強いオリジナルアレンジを加えたバージョンで、巧みなマイクリレーが見どころ。同曲は、難波がオーディション時にボーカルとして挑戦した課題曲なのだが、本公演では低音を効かせたラップで、観客を翻弄していた。そして最後のカバーは、武道館公演でGENERATIONSと『iCON Z』第一章のライバルグループ(KIDMATIC、CROONERZ)と共に披露した「EXPerience Greatness」。寄り添いながら手を振る6人に導かれるように会場が1つになると、メンバーは清々しい表情で感謝を叫んだ。
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盛りだくさんの内容で届けたイベントの中盤には、再び岩谷・浦川コンビがステージに現れ、ゲーム企画を実施。今回のイベントでは公演ごとに違うゲームが用意されていたのだが、本公演ではマネージャーが撮影したメンバーの写真(身体の一部)を映し出し、それが誰かを当てるクイズが行われた。ほとんどが手や指先の写真というかなりマニアックなクイズにも関わらず、「爪の形でわかる。星那くん!」と斜め上の回答で会場を沸かせたのは、岡尾(しかも正解)。最下位の百田は、次点の山田・中村を巻き込んで罰ゲームに挑んだ結果、そのロシアンルールレットでもすっぱい水を当ててしまうというミラクルを発揮し、笑いの神を降臨させた。その後も、ファンからの質問に答えるコーナーや来場者へのプレゼント企画など、ファン想いのLIL LEAGUEらしい企画が続く。「みなさんの声を僕らに届けてください!」と言い添えた、本編ラストの「Coloring Book」では、LILFriendsの大合唱がメンバーたちの未来を明るく照らしていた。
メンバー自ら行った影アナウンスから、弾けるように始まったアンコールでは、未発表の新曲も披露された。この日初めてパフォーマンスを観た観客も多かったと思うが、その温度差は一切感じない盛り上がり方で、メンバーが「サイッコーです! この一言に尽きます!」(難波)、「僕たちって、みなさんと出会えて幸せ者だなって……本当に感じてます。みなさん、大好きです!」(中村)と興奮気味に叫ぶ様子からも、充実感が伝わってくる。また、アンコールでは初の単独ホールツアー『LIL LEAGUE LIVE TOUR 2023 LIL GATEWAY』の開催も発表され、LIL LEAGUEの育ての父であるEXILE SHOKICHIもサプライズでお祝いに駆けつけた。思わぬゲストに中村が涙し、武道館公演ぶりにSHOKICHIの「抱きしめたいね……!」が会場を沸かせていたことも、かけがえのない思い出になったことだろう。
なお、本ツアーは、7月と8月に全国6都市で7公演を行うことが決まっているとのこと。リーダーの岩城が「日々応援してくださっているみなさんが、自分たちが行くべき道へと導いてくださっています。これからもたくさん叶えたい夢がありますが、みなさんとなら絶対にいろんな夢を叶えていけるだろうなと、1公演1公演、確信しながらパフォーマンスさせていただきました」と語ったように、今年の夏も、全国各地のLILFriendsと夢を共有しながら駆け抜ける熱い夏になりそうだ。そして、嬉しいサプライズ続きの昼公演を締め括るのは、この日2度目の披露となった「Rollah Coaster」。すっかり“自分たちの色”に染め上げた特別な曲にたくさんの感謝とワクワクを込めてプレゼントすると、LIL LEAGUEを乗せた船は新たな目的地へと動き始めたのだった。